Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5S

AiAFズームニッコール35-70mmF3.3-4.5S

Last update 25/07/2002

Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5S

【Ai AF Zoom Nikkor 35-70mmF3.3-4.5Sの外観】

 AF・Sタイプの標準ズームレンズである。ニコンの現行AF方式第1号のF-501とともに発売された。 内部の保持部分やマウント座金・AF接点などの後部部品を除いてエンジニアプラスチック製である。 ズームリングは幅広でゴムが巻かれているが、ピントリングは4mmほどの幅でかつ鏡胴よりも引っ込んでいる。 絞りリングはプラスチックの凹凸で滑り止めになっている。
 鏡胴にはレンズ名がプリントされている。絞りリングのF値だけはプリントではなくきちんとエングレーブされて墨入れされている。 最近のAFニッコールとは異なる点だ。 レンズ前玉の周囲には銘が入っているがプリントで、Aiニッコールと違ってシリアル番号は入っていない。 シリアル番号は絞りリングの裏側(F3.3のちょうど反対側)に刻印されているが、墨入れはされていない。 製造国表示"MADE IN JAPAN"もプリント。
 絞りリングを最小値に固定するスィッチは丸い突起を押しながら90度まわすという使いにくいもの。 コーティングは、ニコンスーパーインテグレーテッドコーティングが実施される前のコーティングだが ヌケはよい。
 絞り羽根は7枚だが、風車のような角が出るタイプ。 F8まで絞ると普通の7枚絞りと同じになるがそれより開放側では風車状である。
AiAF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5S

【AiAF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5Sの操作感】

 ピントリングは無限遠から最短35cmまで約100度回る。 回転角がやや小さいのでテレ側の遠距離ではピントを合わせにくい。 ピントリングの操作感はスカスカで、持ち運んでると勝手にどんどんまわる。 また、リングの幅がせまく、かつ鏡胴よりも出っ張っていないので、 MF操作時はピントリングをまわしにくい。 ニコンはAFレンズではMFはしないものだと決め付けていたフシがある。 鏡筒はややグラグラする。
 このレンズはズーム全域で35cmまで近接できるので結構便利である。
ズームリングは幅広で滑らかに回る。
 絞りリングは1段ごとにクリックがあり比較的滑らかに回転する。 絞りF4の表示はないが、クリックはある。
AiAF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5S

【Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5Sの描写】

 色調はほんの少し赤みがかっているように思う。 従来のニッコールと比べるとやや派手な発色である。
 焦点距離35mm側では開放からコントラストも高く、絞っていくとカリカリする。 ズームレンズにしては解像度も高く、いかにもニッコールといった緻密な描写である。 F8あたりだと引き延ばしにも十分耐える。
 50mmではややカリカリ感も抑えられちょうどよい感じかもしれない。
 70mmでは開放はコントラストも低く、コンパクトカメラ並み。 1段ほど絞ると改善するが、それでも35mm側の緻密な描写はどこへ行ったという感じだ。 逆に女性ポートレートにはいいかもしれない。 ズーム全域を通じて中心部と周辺部の描写の差は少なく、好感が持てる。
 歪曲は35mmでは樽型が目立ち、建物などの撮影にはつらい。 50mmから70mmではほとんど気がつかない程度の糸巻き型。
 ボケ味はズームレンズなので重たい感じ。二線ボケなどはない。
 広角側では逆光に強いが、望遠側は弱い。望遠側はフレアも出やすい。 望遠側では指定フードHN-2の効果も弱いのでハレ切りが重要。 もともとHN-2は28mmレンズ用のフードなのだが、このレンズは近接が可能で 繰り出しが多いので35mm用のフードではケラれてしまうため28mmのフードが指定されている。
AiAF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5S

【Ai AF Zoom Nikkor 35-70mmF3.3-4.5Sその他】

 35mmからのズームはもう時代遅れで28mmはおろか24mmからのズームが標準になってしまった。 歪曲が目立つもののそれ以外は35mmでの描写は緻密で気に入っている。 70mm側はポートレート用だと割り切っていれば腹も立たない。
 現行のMFレンズAi Zoom Nikkor 35-70mmF3.3-4.5Sとは光学系が同一。
 のちにピントリングがあまりにも使いにくいとの不評を受けて、 改良されたAiAF Zoom Nikkor 35-70mmF3.3-4.5S<New>が出た。 購入するならこの<New>かMFのAiレンズの方をお勧めする。 本レンズと<New>タイプは中古価値は異常に低い。 そういう意味ではコストパフォーマンスは高い。
 このレンズはタダでもらったものだが、公正に評価して書いたつもりである(笑)。 このレンズの35mm側F16で撮った写真をハガキプリントにしたことがあるが、 受け取った人は皆、よく写っている、どんなレンズで撮ったのかと言っていた。

【Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5Sの仕様】

焦点距離;35-70mm/口径比;1:3.3(35mm時)1:4.5(70mm時)/最小絞り;F22/レンズ構成;7群8枚/
画角;62°〜34°20′/絞り羽根枚数;7枚/最短撮影距離;0.50m(マクロ時0.35m)/
最大撮影倍率;1:6.7(マクロ時1:4.3)/最大径;φ70.5/フィルターサイズ;φ52/全長;61.0mm/重量;260g/
同一光学系のAi Zoom Nikkor 35-70mmF3.3-4.5Sのニコンの製品紹介サイトへ

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