モーター音狂騒曲


平凡なタイトルですまんです

というわけで、何のひねりもない、そのままタイトル通りのことを書こうとしてます。

モーター音。うるさいと思いませんか?生活の中でモーターが音を発するシーンって、結構あります。

まず、洗濯機や掃除機の大きな音がそう。でも、これは洗濯なり掃除なりの用事が終わってしまえば、もうしないです。一日中電源を入れておくために音がするのは、冷蔵庫のコンプレッサーが発する音ですね。これはちょっと静かになったり、またうるさくなったりを繰り返しています。
冷蔵庫の音をうるさく感じるかどうかはかなり微妙です。慣れる人もかなりいますし、居住環境によっても違います。例えば2K以上の間取りに住んでいれば、キッチンを離れれば冷蔵庫の音は緩和できますから、少々気になっても避けられるけど、ワンルームに住んでいると避けることが出来ない、というのはあるかもしれない。

しかし、どこにいても避けられないのが、空調の音。エアコンは冷蔵庫以上にコンプレッサーを回しまくっていて、けっこう音がします。春や秋はいいけど、夏や冬はかなり付き合う人が多いでしょうし、居間そのものから音を発する。
暖房はエアコンに頼らないという場合でも、最近はファンヒーター(ガスでも灯油でもね)を使うケースが多いですから、やはり「ブーン」という音に付き合うことになることが多い。

そういえば、私が昔愛用していた、早稲田と高田馬場の間くらいにあった、とある名曲喫茶は、冬の暖房が昔ながらの灯油ストーブで、これが音が静かでよかったなぁ。名曲喫茶で会話じゃなくて筆談を推奨するようなお店だから、音にうるさくないわけがない。
タンノイのスピーカーから出る美しいLPレコードの音を、できるだけ壊さないような環境にしていました。

閑話休題。
今、安価で効率のよい家電製品を買うと、ほとんど高速回転モーター系の部品が入っていて、その音と付き合うことになる。

音にうるさいはずの製品まで・・・

そういえば、オーディオ関係も今は、高速回転モーターを使います。CDなんかはその最たるものでしょう。ポータブルCDプレイヤーなんかは、回転音が聞こえてきますよね。
まぁ、こういうものはモーター音を響かせざるを得ない設計しかしようがないものだから大目に見るとしかない。でも、コンポサイズのCDプレイヤーでも、結構動作音が大きく感じるのは、私だけなのでしょうか?
起動時のシュンという音、CDの演奏が終わってカチャという音。そりゃ、数十万円の高級プレイヤーなど使ったことがない身分だから、高級機がどうなっているかは知りませんが、ある程度匡体に余裕のある機械なら、音質に並んで静粛性に第一をしてくれてもよさそうなのに、と思うことはあります。

だって、オーディオ製品なんですから。

これでいくと、昔の(とはいってもたかだか十年くらい前の話なんですが)LPレコードは、プレーヤーがCDほどの高速回転をしていなかったですから、スクラッチ・ノイズ(あの、LP独特のパチパチいうノイズです)こそせよ、静かに聞けたんですよ。
私ががんがんLPを聞いていたのは高校から大学にかけて(1978〜1984年、ちなみにCDの登場が1983年頃かな?)で、部屋でLPレコードを、電気ストーブ(まだファンタイプではなかった)を使ってあったまりながら聞いていたことを思い出します。夏のクーラーは仕方なかったけど、それ以外は今程電気製品の音に悩まされた記憶がないんですよね。

ちなみに、8万〜10万程度の製品までなら、CDのほうが音がよくなるかもしれませんが、金に糸目をつけずに条件を整えると、LPのほうが音がよいというのは、オーディオにちょっと詳しい人の間の常識ですが、実は我が家でもそうです。
アンプ/CDプレーヤー/スピーカーはお金をあまりかけずに、ケンウッドのK's(初代モデル、12万円くらいだったか?)を使っていますが、これにつないでいるLPプレーヤーが、テクニクスのDJ仕様のプレーヤーで、単体で5万円くらいしたものですが、定価は6〜7万円くらいだったかもしれません(1995年に同居人が購入、もうこういうきちんとしたプレーヤーしか残っていなくて、ちょっとくらいヘボくてもいいから安いものを、とはいかなかった)。
そして、同じアルバムをかけると、中古盤の店で買って来たLPのほうがいい音がする!んです。たぶん、K'sのそう大したことないCDプレーヤーより、DJ仕様のしっかりしたLPプレーヤーのほうがまともに信号を伝えてくれるのではないでしょうか。

あ、とんでもないところへ話がいってしまった。

そして、書斎もモーター音に・・・

ここ数年の私のモーター音の悩みは、ついに文章を書いたりするところにも及ぶようになっています。

そう、お察しの通り、パソコンの動作音!

1999年5月号のMacPower誌にも、音楽家の倉持淳一氏が「i Think Music.」という連載の中で、音のことについて触れていますが、私もこの件はずっと悩まされてきました。

最初にパソコンを買ったのは、MacPlusを1988年に、でした。この頃のことはよく覚えています。それが楽しく興奮を誘うものだったからこそ、長々と使っているわけですが、MacPlusの静かさに対して、一緒に買った20MBのハードディスクのうるささには閉口しました。
それから1年後、SE/30を購入しました。これはハードディスクとファンを内蔵していて、うるさいことはうるさかったのですが、32bitのCPUに贅沢に触れることのできる喜びに、音はトレードオフだ、と割り切っていました。実際に、これで作った文書の美しさは、PC98ユーザーの羨望を浴びたものだし。

SE/30に飽きた頃に、1Bシリーズという、BTRONマシンをしばらく使っていました(今でも時々使う)。DOSベースのマシンに、BTRONを載せたもので、今はDOS/Vマシンに載せますが、当時は富士通のFM-Rシリーズ互換の松下電器製ノートパソコンに載せていました。
これが、SE/30と比べると、びっくりするほど静かでした。購入は確か、92年くらいだった気がするけど、すごく気に入って、これを使いながらヘッドフォンで音楽を聞くと、ちょっとはうるさい世界から逃れられる、と思っていた時期があります。

でもね、やはりするのだ、ハードディスクの回転音が。
これだけは、未だにどうにもならないですね。

今は、PowerBook 2400cが愛機です。これも当初はそこそこ静かな方だと思っていたけど、ハードディスクを載せ替えたら、動作音自体がずっと目立たなくなりました。単に静かになったというより、動作音の周波数が低くなったため、目立たなくなったんです。
そして、これが意外にパソコンに向かう時に大きな気分的高揚をもたらすことも、体験的にわかってきました。考えることに集中しやすくなる。願わくば、このようなモーター音自体がなくなることが好ましいのですがね。

同居人のPower Mac G3(1999年1月に出た、青白スケルトン)は、以前のLC 630よりは静かですが、それでもPowerBookよりは音が大きい。ただ、音の周波数自体はそう高くないので、なんとか我慢できます。

あと、たとえばブラウン管のモニタなどは、キーンという高周波音が聞こえてきます。そして、疲れている時などは、ひどくカンにさわります。モーター音だけでなく、こういう発振音もどうにかならないか、と思うところです。

こうしてあげてみると、書斎でメール書きなどをするだけでも、結構うるさい音に煩わされているんですよ。

うるさいと感じる音

うるさい音、というのは、個人差がひどく強い。それだけに、簡単に基準を設けてどうこうしにくい部分がありますが、それでもメール書きをしていて「うるさいな〜、もう!」と思う瞬間がある人も少なくないと思います。

そして、この手の話を始めると、商店街の音楽から何から、全部話題にのぼってしまうのですが、私個人としては、

せめて、疲れを癒すために自分の部屋にいる時くらい、
音は自分で選びたい!

と思っています。

個人的には、パソコンの性能追求の他に、静かな製品、生活により溶け込むパソコン、というのがあるといいですね。これは、他の電化製品にも当てはまります。

そして、マスコミでレビューを担当される方々は、ぜひレビューの中で、動作音の項目もチェックしてほしいです。単にデシベルで音量測定をするだけでなく、周波数が高いのか低いのか、レビュアー自身がうるさく感じるかどうか、といったことも情報として欲しいです。

まぁ、そういう情報があったとしても、買ってからでないとわからないことが多いんですがね、こういう使用感みたいなことは。


エッセイ目次へ戻る