97年8月頃のNewton事情

「97年7月頃のNewton事情」に書いた ように、私自身はNewtonに関する使い方が枯れてきたのですが、 そういう人はもしかしたら多いのかもしれません。

たとえば、MacLifeは97年9月号(97年8月18日発売)から、 Newton中心だった「PDA万歳」という連載を、Newton半分、 PalmPilot(U.S.Roboticsの新興勢力)半分に切替えましたし、 MacPowerは同じく97年9月号からNewtonに関する連載を 終了させました。
つまり、ユーザーの熱気が冷めつつある、と雑誌などが認識 し始めたということでしょうか。実際、銀座(現在は西新宿) にThe Newton Shop が開店した当初の熱さは、今はないです。

ただ、ユーザーでは「Mandal Art for Newton」という、 アイデア・プロセッサが話題になっています。これは、 エヌフォー が開発しており、ここで試用版をダウンロード出来ます。
そして、この活用のための情報などがやりとりされて いますが、今年の春くらいまでとは状況が一変していて、 新規ユーザーでなく、既存ユーザーで盛り上がっている 状態です。
一方、PalmPilot、WindowsCE(分野が違うけどLibretto)などは、 続々と新規ユーザーが発生しています。


これはどういうことなのか?

まず、端的に言えるのは、Newtonが1993年当時にデビューして ゆっくりと磨きをかけようとしてきたのに対して、ここ最近の モバイル・ブームとメーカーの開発競争が、より小さく、 より強力で、より通信に特化した製品を大量に出したり、パソコン 自体が極度に小型化したりしたために、現在のNewtonの大きさが急激なスピードで中途半端なものになってしまったことです。
つまり、バイブルサイズのシステム手帳より大きく、しかも 500gを優に超えるような大きさでありながら、最近の PowerZaurusやLibrettoなどより機能面・速度面で 遅れをとりつつあり、ユーザーの目をひかなくなって しまった、ということです。

私個人は、Newtonのように住所録の入力項目を自由に増減できたり、 メモ帳として一番シンプルな部分を重要視した設計は好きですし、 いまだに愛用しています。
しかし、手元にあるLibrettoと比べた場合、比べること自体が ナンセンスとわかってはいても(目的も違うのですしね)、 やはり魅力が薄くなってきたよなー、と思うことがしばしば あります。

ましてや、PowerZaurusは400gを切っています。もうこれは、 差が開いてしまったようなものでしょうね。
アメリカではMessagePad 2000が出ていて、日本のような 競争が起きていないですから、まだ「大きい分、性能も 高い」という言い方になりますが、日本では前世代の MessagePad 130のまま。使い勝手で勝っていても、できない ことが多くなってくると、やはり不満は募ってきます。

 

さて、私は来年もNewtonを使っているでしょうか?(笑)
(蛇足までに書くけど、これは冗談で、使っているに決まっている。)


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