98年9月の猫時間通信


●98.09.17 -- 神経症2、ISDNにしようかな

ほんとはこんなことを書いている場合ではないのだが・・・

昨日、神経症のことを書いていたら、今朝の朝日新聞に それと関連したネタが家庭欄に出ていたようだ。まだ よく読んでいないので、帰宅したらゆっくり読んでみよう。
ちらちら読んだ限りでは、問題のある人の投書を紹介して、 それに読者が様々な手紙を見せて、本人に感想を聞いてみる、 というもの。でも、読者のほうも「胃に穴があくまで 考えて」とか、ずいぶんいい加減な。だって、それくら いのこと、神経症にかかるような人はたいていやって いるよ。なんというか・・・
心の問題は、義務教育は無理でも、せめて高校くらい では正しく扱うべきかもしれない。本人だけの問題では なく、問題を抱えた人の周りの人間が問題なのだ。 しかも、その当事者となっているはずの「周囲の人間」が、 表面上はわかったようなことを言っていて、実は ぜんぜん行動も発言も変えようとせず、いざ本人に 触れるときには相手の行為を縛るような要求を 出し続ける、というのが一番の問題なのに、どうも 多くの読者は「きちんとガンバレよ、結局は患者で あるお前の甘えなのだから」という一言で片づけたい みたい。理解の度合いが低すぎるかも。「結婚に逃げ ようとするな」というのは、非常に適切なアドバイス だけど(昔授業で出ていた症例に、親との問題を解決 するために結婚して、かえって夫との関係で悪化した 例を見たことがある)。

ただ、たとえば親が問題になっている場合に「親から 離れて独立するのは、私もいま病気だし、怖くて その気になれない」と患者が思っている点だけは、 本人が思い切るべき点かもしれないね。どこへいっても、何らかの 苦しみはつきまとう、となれば「今よりつらいこと などない」と思い切れれば、脱出可能になるのだろう。
そして、それができればいいのだろうけど、ここを 思い切れない点が、「依存している部分があるのに 気づかないでいる」点につながっているのだと思う。


今、自宅をISDNにしたいな、などと考えている。 会社が専用線環境だからわざわざ家でお金をかけるのも ばからしいといえばいえるのだが、やはり個人的な メールでの連絡などは自宅でやりたい。そして、 そろそろモデムでの貧弱な通信環境にもうんざりして きた。
自宅の場合、同居人もMacでメールをとってくるし、 私も通信をするから、ISDNを契約する。そして、TAではなく ダイヤルアップルーターを導入すると、接続はダイヤル アップルーター任せで、Ethernet経由で複数台がいっぺん に接続ができる。
しかも、今よりずっと速い。なんでも、ダイヤルアップ ルーターにすると、ネゴシエーション・接続などが 3秒ほどで済むとか。今、30秒以上かかっている アナログモデム利用の身にとっては、きっとパラダイス だろうなぁ・・・

問題は、同居人のMacが古いので、いまさらそういう ものに1万円近くも投資してLANカードを入れるか、 という点だろう。私もPowerBookだからPCカード型の Etherカードがいる(もっとも、これはLibrettoなど と共有できるので便利だが)。
また、今から入れるならせっかくだから100Base環境を、 などとも考えるが、よく考えると自宅で100Baseなど 必要ないかもしれないね。せっかくなら実用的で リーズナブルな価格がいいし。

こういうのは楽しい悩みだ。

●98.09.16 -- 神経症、Macのメールソフト
闘病日記のほうのネタに近い のだが、自分のことではないのでこちらに。

このあいだ(9月上旬)、朝日新聞で大学生の登校拒否の 話が出ていた。大学生の登校拒否って、私らくらいの年代だと 考えられない。大学生ともなれば、自分のことは自分で 決めるし、だいたい自主休講にするなり、出たい時だけ 出るようにするなど、いくらでも調整のしようがあると 思う。
でも、そうではなくて、こういうのは「せっかくがんばって 入ったのだし、大学に行かなければならない!」と強く思う のだが、体がぜんぜんいうことをきかず、その挙げ句に 嘔吐や拒食症・過食症などにかかったり、登校拒否に陥って いるケースである。
実は、私が現在通っている心療内科では、こういう話が ゾクゾク出てくる。まじめないい青年や乙女が、まじめで あるがゆえにかかる病気。高校時代に経験すべき精神の嵐を、 とにかく受験が終わるまでは、と先送りした結果、大学に 入ってから初めて経験する思春期の本当の精神状態に 加えて、いきなり「もう大学生だから」という扱いで 本当に必要な相談を受けられないようなケースが多い ようである。

こういうのは「精神が弱い」という一言で片づけることが できない問題だ。というのは、精神が弱い、というのは たまたまその人を置かれた状況と、その人の資質+精神的履歴が からみあって出てくる状態であって、そこを分解していくと きちんと理由がわかり、それへの対処も見つかるのだが、 「現状がその対処を許さない!」ために、このような 症状が出ているからだ。
たとえば、学校へ行くようになってみたら、こちらが 考えていたこととは違った校風・趣旨の学校であり、 教授もゼミも授業もまったくこちらの期待には添わない ものであった。それなりの勉強は積んできたし、親の 期待に応えた手前、自分の本意ではないことでも一人前に できて始めて、自分の主張をできるのだろう。本当は 学校を移りたいのだが、今は親にも悪いからできない、 でも、やりたいことはいっぱいあって、それを自分なりに 勉強したり追求したり時間を持とうとすると、学校の 時間とバッティングしてしまう、親は「とにかく 勉強していい会社へ」といっている・・・などと 堂々巡りを繰り返しているうちに、自分の本意をどんどん 奥へ引っ込めて、自分を抑えているうちに、今行っている 学校が死ぬほどいやな場所ことになってしまい、 もう気持ちの行き場がない・・・
ここで「今の学校を辞めて、次の学校を受け直す」なり なんなりすればいいのだけど、いい学校へ入った、いい 子ほど、周囲の期待の絡みからそれができないようだ。 これがその子を押しつぶしてしまう。

もちろん、こういうことに対しても、こうもいえる。 「そんなの、本人がきちんと理屈面でも感情面でも 自分がいかに正しいかをきちんと説明できて、それを 周囲に納得させようとして、どうしてもそれができない なら相手(たとえ親でも)を叩き潰して前進する、という 気概があればなんでもないことだ」とはいえる。
問題なのは、そのような感情面での齟齬が生じることが すでにわかっており、障害が生じている当人が「そのような 感情的な齟齬もいやだ」と思っている場合だ。
つまり、自分で解決策をわかっていながら、自分でその道を 封じてしまったため、自分の心に重しをするしかない状況 になっている。人から見れば「自業自得だ、勝手にしろ」 ということだが、当人と周囲の関係者はまったく違う受け取り 方になるので、こういうのは一概に解決できないのが 難しいところなのだ。

精神医学の授業を受けていた頃、こういう話は私の想像 よりずっと多いものだったが、年齢層が今と違っていた。 今の日本、ということを、こういうことを通じてもあれこれ と考える。


閑話休題、マックのメールソフトの話。

私は長いことCyberDogのファンだったけど(日本語版2.0まで 使った)、98年6月についに使用をやめた。1つはもう開発が 止まっていて発展性がなかったのもあるけど、それ以上に 問題だったのは、メールが大量になり、メールボックスも 増えてくると、極度に遅くなる点だった。

それで、あれこれ物色した。お試し版がけっこういろいろな ソフトで出ていたけど、CyberDogから離れるなら、少なくとも CyberDog2.0の備えていた機能は全部持っていて、なお使い心地を はなはだしくスポイルするものはだめ、ということになる。 以下の候補を試してみた。

Eudora-Jは以前にも使っていた。これは機能が低く、また ユーザーインターフェースの問題で失格。Postinoはユーザー インターフェースはよく、機能的にも満足はいくが、メール 量が増えると重くなる点ではCyberDogと同じ。
残ったMUSASHIが存外によい点が多く、シェアウェア登録をして しばらく使うことにしてみた。とにかく、必要な機能を軽く まとめている点がよい。不自由といえば、たぶんメールフォルダ を階層化できない点ぐらいか。

ただ、個人的にはメールソフトに関しては、実はWindows 上で動くBecky!が一番よいように思われる。Mac上でこれに 匹敵するものがほしかったら、作るしかなくて、それは 面倒だ・・・



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