Studio KenKen

聞いてみましょう


音楽観賞

音楽鑑賞をしない人はいないといっていいくらい、多くの人が音楽を聞きます。それだけに、これほどまでに楽しみ方、受け取り方が様々になる行為も少ないでしょう。私個人が特に好きな音楽ジャンルを挙げておきます。

クラシック/古楽
バッハ以前までの西洋音楽。好みとしては、自分が楽器をやる関係で、自然と器楽を聴くことが多い。自分が演奏するものの関係から、バロック時代に関わるものが多く、 J.S.Bach, Handel, Telemann, Corelli, Vivaldi, Scalratti, Frescobardi, Merula, Cima, van Eyck, などが多い。ただし、フランス王宮、ルネッサンス時代の音楽もみな好き。
雅楽
2000年代に入ってから、特に好むようになった。不思議な親近感が涌く。これは自分が西欧古楽に取り組んでいるからだと思う。いわゆる近代邦楽よりも、はるかに親近感がわく。
(よく邦楽と一括りにするが、雅楽と、能楽以降はかなり音組織が異なる。雅楽は日本古来の祭祀の楽と、中国大陸や朝鮮半島を経由して入ってきた楽が長い年月を経て整理・整備されたもので、民謡などが持つ音組織とはかなり異なる。能楽および江戸期以降の世俗音楽は、雅楽の音名などは一部借りつつ、芸能としてより親しみやすくなった部分が大きいと感じる。)
クラシック/室内楽
古楽以降(つまり18世紀末以降)の、 室内楽編成の曲。管楽器が入っている響きを好むことが多い。 Mozart, Brahms, Faure, Debussy, Peulancなどなど。
クラシック/交響曲・協奏曲など
古楽以降(18世紀末以降)の、 オーケストラ編成の曲。これは様々な曲があって、特定の名前を 挙げるのは不可能。
クラシック/その他
上述に入らないジャンル。ピアノ曲、オペラ、 歌曲、いわゆる現代音楽など、大抵のもの。
ジャズ=フュージョン
特に得意分野があるというよりも、楽しく聴けるジャンルの一つという感じ。WIndSynthesizerを扱うので、それとの関連もある。モダンジャズ、クロスオーバー時代、フュージョンあたりがやっぱり中心になるか。スィング時代の曲ももちろん好きですが。

上記以外の音楽ももちろん聴きますが、徹底して聞かないだけ。インド音楽でも、バリの音楽でも、グレゴリオ聖歌でも、東欧やギリシャ正教の音楽でも、一般的なヒットチャートの曲でも、いいと思うものは何でも。

ただ、なんで古い音楽が特に好きなのかは、尋ねられても逆に困るのが本当のところ。高校時代にFrans Bruggenという演奏家のLPを買い、 「これだー、こんなのを聴きたかったんだー!!」と驚いてからなのは確かです。とにかくしっくりくる、としかいいようがありません。
古楽の響きを聴くと、ふと意識が飛び、車もなく、街に現在のような騒音も溢れることがなく、今よりもっと自然も身近だった(つまり、それだけ死も身近だった)頃の、空気や光に思いがいきます。もちろん、今よりその時代の方がよかったというつもりもないですし、ノスタルジーを感じるわけでもないです。ただ、音がタイムカプセルとして、 こちらの想像力をより強く刺激し、飛翔する瞬間が、好きです。こういう時間を通じて、古い歴史に関する文献を読むのも面白いです。

雅楽は、日本古来の音楽と、古代の輸入文化音楽が朝廷で整備され、保存されてきたものですが、これも別の意味で、古楽と言えます。
ただ、西欧のルネッサンス期以降の音楽が持つ、協和音的な空気感を目指して音が運動していくような感覚よりも、天地(あめつち)の響きのエッセンスをすくいとったような音がぶつかり合いつつ、場を平定していくような独特の強さがあります。
人の感情を表現するのではなく、響きの理に従って、空間を一定の色に方向付けるような楽。確かに儀式音楽でしょうが、それ以上に演奏者も聴き手も心身を調律されていくようなすごみがあります。これもまた音楽の姿の一つです。

演奏家について

一貫して好きな演奏家を少しあげましょう。

古楽関係
フランス・ブリュッヘン(笛/指揮)
グスタフ・レオンハルト(鍵盤/指揮)
アンナー・ビルスマ(チェロ)
ブルース・ヘインズ(オーボエ)
バルトルド・クイケン(笛)
ブルース・ディッキー(ツィンク)とコンチェルト・パラティーノ(バロック・ブラス・アンサンブル)
イル・ジャルディーノ・アルモニコ(バロック系古楽アンサンブル)
古楽以外
一般オケの指揮者では、カルロス・クライバー
(亡くなられて、もはや伝説になりつつあります)
ピアノなら、1985年くらいまでのポリーニ
雅楽なら、伶楽舎、及び参加メンバー達の小編成アンサンブル
(もちろん宮内庁楽部の演奏もすばらしいです)

 ちょっと変わったところでは、 アルゼンチン・タンゴの革命者と言われる、アストール・ ピアソラとか、オンドゥ・マルトゥノ奏者の原田節、テルミン奏者のやの雪なども好きです。
 ジャズ=フュージョンのサックス/WindSynthesizer奏者のマイケル・ ブレッカーも好きで、亡くなられたのはとても悲しかった。リコーダー奏者のダン・ラウリンらにも注目しています。

 


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