洛中:四条〜三条・中

(洛中繁華街周辺)

 

四条の繁華街

京都を東西に貫く道のうち、御池通などと並んで有名な四条通。京都駅からまっすぐ伸びる烏丸通を北へ進むと、ビルが大きくなり、銀行や証券会社などの建物が林立しています。その中心が四条烏丸。そこから東に四条通をまっすぐ進めば四条河原町、京都最大の繁華街。

五条〜四条・東で見てきた八坂神社・祇園からたどると、四条通をまっすぐ西へ向かい、南座の前を通り過ぎて、鴨川にかかる四条大橋を渡り、先斗町通・木屋町通・高瀬川を過ぎて、最初にぶつかる大きな交差点がそこです。そこをさらにまっすぐ西へ進んで、次の大きな交差点が四条烏丸。

その四条烏丸交差点から四条通を西へ進めば、四条堀川。堀川通は洛中を南北に走る通りの中でも、特に大きな通り(四条堀川より北へ進めば、二条城に面する)。四条堀川よりさらに西へ進めば、四条大宮。京福電鉄嵐山線の始発駅です。

また、鴨川の四条大橋から北へ進めば、三条大橋と京阪三条ターミナル。乗り換えの要所です。

このあたりは、会社、店舗、交通が集まっています。市役所があり、会社があり、商店も多く、常に変化・発展が見える繁華街です。1990年代前半には京都ホテル(現京都オークラホテル)が超高層化を宣言して景観破壊が問題になりましたが、既に許可がおりていたために建築され、現在営業されているのは御存知の通り。こんな具合に、京都の繁華街として大きな変化が見える地域です。

住んでいない者にとっては、京都駅前と並んで宿泊や飲食の場です。夜は宿で眠るだけという方は京都駅前でじゅうぶんでしょうが、飲食や喫茶などを楽しむにはこのあたりの宿泊が楽です。

御池通〜四条通と、河原町通〜烏丸通を中心とした繁華街の様子は、街ネタ篇に掲載しました(「街ネタ・基本/洛中の繁華街」)。密度の濃い通りについて、9つの記事で触れています。寺社観光とはまた別の、楽しい街歩きです。御参照ください。

繁華街の中にあるお寺など

街ネタ篇の記事で道を頭に入れつつ、ここではお寺などにも触れておきます。

繁華街のど真ん中でお寺?という方もいらっしゃるかもしれませんが、「寺町通」の名の由来は、秀吉の行った京都市街地整備により、寺を集めたためです。裏寺町通などを地図で確認すればわかるように、繁華街の中に今でも多くの寺があります。新京極・寺町京極のアーケードを中心にみます(いわゆる観光寺院とは趣も異なり、街中の暮らしに根づいた寺社です)。

錦小路の始点には、錦天満宮があります。天満宮は菅原道真由来の神社であり、学問・技芸の神。

またその北、蛸薬師通の始点には、蛸薬師(永福寺、妙心寺)があります。いぼとりの御利益があるといわれます。その少し北には、和泉式部寺と呼ばれる誠心院。

寺町京極から六角通を西へ進むと、烏丸通の手前(三条東洞院下ル)に六角堂があります。六角通の名の由来となっているお寺であり、拝観可能です。

三条寺町には、矢田地蔵尊と五山送り火の送り鐘で有名な矢田寺。そこから、御池へ向かうと、本能寺があります。織田信長が明智光秀に討たれたのはここに越してくる前であり、本能寺の変は別の場で起きました(旧本能寺跡は蛸薬師西洞院近くの本能小学校前に石碑あり)。ここに来たのはやはり秀吉の京都市街整備によるものです。現在の本能寺も織田信長ゆかりの寺として、塔頭とともにあります。

三条通には、京都文化博物館があります。旧日本銀行京都支店を活用した部分があり、また企画展には時々おもしろいものがあります。出かける前に、展示内容や日程を確認しておくと吉。

寺町京極の南端である四条寺町から、寺町通を南へ下ってみましょう。やはりお寺がいくつか見え、寺町という名を実感します。このあたりは電器店や古本屋が少し集まっています。

隣接地域や他地域との接続

御池から北側、特に寺町御池から北へ、二条通を経て御所の南端のあたりまで、楽しい散歩コースです。ここについては街ネタ篇寺町二条で触れています。同様に、木屋町も二条あたりには落ち着いた飲食店が多く、高瀬川一ノ舟入や島津製作所発祥なども見ることができます。

なお、洛中の繁華街は電車の発着駅とバス停留所が多く、乗り換えの場としても利用できます。ここから隣接地域に行くこともよくありますが、洛中に宿泊することを考えると、他に動くためのターミナル機能として利用することも多いでしょう。

電車の駅を、表にして整理しておきます。大きく動くときに便利です。

 
京阪電鉄
阪急電鉄
京福電鉄
市営地下鉄
烏丸線
東西線
三条京阪(三条の鴨川東)
三条京阪駅
三条京阪駅
四条河原町
河原町駅
四条川端(四条の鴨川東)
四条駅
河原町御池
京都市役所前
烏丸御池
烏丸御池駅
烏丸御池駅
四条烏丸
烏丸駅
四条駅
四条大宮
大宮駅
四条大宮駅
 
 
 
 
 
 
各電車の主な経路 北は出町柳まで(乗り換えて鞍馬へ)、南は宇治まで 四条河原町から西へ、桂や阪急嵐山方面 四条大宮から西へ、太秦を経て嵐山へ 北は北大路・京都国際会館へ、南は京都駅を経て竹田まで 東は二条まで、西は蹴上へ(山科を経て、醍醐まで南下する)

たとえば、三条京阪は京阪と地下鉄東西線の乗換駅になっている、といったことがわかるようになっています。

なお、四条河原町にある阪急河原町駅と、四条の南座近くにある京阪四条駅は、別項目となっていますが、そう遠くはありません(徒歩で5〜8分ほど)。逆に、阪急大宮駅と、京福四条大宮駅は別の駅なのですが、交差点を渡ればすぐに乗り換えられるので、同じ項目にまとめています。

ただ、上記の電車では、行く場所が限られるのは見ての通りです。比叡山や大原、また栂尾などはバスになりますし、上記路線の範囲内でも、乗り換えたくない場合や、細かく動きたい場合はやはりバスを利用します。

表に示した駅の周辺は、バス停が集まっているので、乗り換えの目安にもなります。また、JR京都駅烏丸中央口前にある、バス観光案内所で路線図をもらえますし、各種京都旅行ガイドに詳細な路線図がついているものもあります。手元に用意してから動くと、何かと便利です。