洛中:三条通

 

●中心街の中へ:三条通

河原町を北上して、三条通を東に進めば、三条大橋と京阪三条ターミナル、東山の稜線が美しいあたりです。一方、西に進めば、それこそ京都でしか見られない独特の街。

アーケードの下は商店街、和菓子屋やLIPTONティールームなどがあります。寺町通と交わったところでアーケードはなくなります。

さらに進むと、まずは旧毎日新聞社、いまはKYOTO complexのビル。地下にカフェ・アンデパンダンがあることで有名。ここを発端にして、三条通は1999年あたりから急激にカフェが増加しました。他にも町屋を改装したレストラン、煉瓦造りの古いビルにある不思議な洋品店、科学実験器具を扱う店(國島器械)など、モダンなビルの合間で思わぬ店や建物に出くわします。

しかし、ここでもっとも有名な店といえば、イノダ・コーヒー三条店でしょう。昭和初期創業の名店で、本店もそこからすぐ近く。イノダの伝統があり、またそれを支える喫茶文化があるからこそ、繁華街のただ中にしてはそこそこ静かな三条通に、カフェが栄えることになったと思えてきます。

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カフェが増える前は、三条通は「洋館を見て歩くコース」と呼ばれていました。

旧日本銀行、現在は京都文化博物館となっているれんが造りの建物を筆頭に、郵便局や日本生命京都三条ビルのような堂々とした洋館が、今でも活きています。烏丸通まで突っ切ると、今度は四条烏丸まで下る間に、銀行などが残した洋館も見ることが出来ます。

旧NTT、現在は商業施設として運営されている新風館は、三条烏丸のすぐ南。ファッション・雑貨、カフェ、レストランが多数入り、イベントスペースもあります。古い洋館造りをところどころに残してレトロっぽく装った最新の商業施設が、いまの洋館コースのラストでしょうか。


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