洛中:新京極、寺町京極

 

●中心街の中へ:新京極・寺町京極

それでは、先に挙げた長方形ゾーンの中へ。その中でも、一番人出の多い通りです。

四条河原町交差点から四条通を西へ、北側の歩道を進みます。少し歩くと、かなり高いアーケードのかかった北へ続く通りが見えます。観光客のお土産通りとして名高い新京極

その一つ先に、もう少し幅の広いアーケードの通りが見えます。寺町京極です。

新京極は、京都に初めて訪れる方向けの、お土産物屋がたくさん並ぶ通り。それほど広くない道に所狭しと店舗が並び、賑々しい感じ。寺町京極は、衣料品、雑貨、玩具、飲食店などの店舗が連なっていて、もう少し落ち着いた感じがあります。

どちらもアーケードは三条通まで続きます。また三条通も河原町通から寺町通までアーケードがあります。寺町京極の場合、さらに御池通まで。つまり、この辺り一帯が、アーケードで覆われた傘いらずの道になっています。

アーケードがかかった商店街は東京の場合、1980年代には廃れていき、現役で有名なところは中野ブロードウェイくらいでしょうか。寺町京極でも1980年代末などは閉店が増えて、やや寂しげな様子だった記憶もあります。ただ、1990年代後半あたりから新しい店舗がどんどん入り、活気も出てきました。

歩いていると、夏の暑さと冬の寒さが非常にきびしい京都では、アーケードをむしろありがたいと感じることも多々あります。ちなみに昭和30年代の写真を見ると、アーケードがなかったこともわかります。今の姿になってから、そう長くは経っていないようです。

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アーケードがなくなる寺町三条交差点は、肉料理の三嶋亭とかに道楽が面していますが、そのあたりから御池通まで、再びアーケードに覆われた商店街は比較的落ち着いた雰囲気になります。

三条に至る手前に、バー・サンボアや骨董のライト商会(路地に入る)。三条の矢田寺を過ぎれば、画廊・ギャラリーや古書店、和文具の鳩居堂本店、スマート珈琲、民族楽器コイズミ(改装してからも味がある)、雑貨屋など。

この空気は、御池通を渡って寺町二条あたりまで続いています。


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