洛中:木屋町通、先斗町通

 

●木屋町通:四条から御池まで

四条河原町の東側、河原町と並行して走る通りを見ておきましょう。

木屋町は飲食店やカラオケなどが連なる繁華街(一部成人男性専用店あり)。四条木屋町のあたりは、高瀬川に面してソワレ、名曲喫茶ミューズといったクラシカルな喫茶店があります(その脇に風俗ビルがあったりもする)。また、四条から少し南におりると、呼び込みのおにいちゃんがかしましい中、ぽつんと名曲喫茶フランソワもあります。ミューズから路地を西に入ると、名曲喫茶の築地。このあたりは、東京ではバブル期につぶれていった形態の喫茶店が、いまでも営業しています。とにかく喫茶店が多い京都ならではでしょう。

木屋町を上り出すと、右手の歩道に店が並び、左手は高瀬川。蛸薬師通南にある南誠小学校跡地(土佐藩邸跡の史跡あり)を過ぎると、高瀬川を挟んで両側に道が広がります。急に広がった道は西木屋町通、とはいえ高瀬川を挟んで道が広くなっただけ。ビルの合間に古い店舗(あやしい電灯の店あり!)が残る道をぶらぶら上がっていくと、三条通。

この三条木屋町で、少し空気が変わります。横断歩道を渡ると、にぎにぎしいカラオケボックスなどがなくなり、老舗の和菓子屋や料亭、レストランが並びます。京都のキルフェ・ボン(ケーキ屋)は、この途中の高瀬川に面した、絶妙な位置を確保。有名な雑居ビル、京都エンパイヤビル(バー、カフェ、ライヴスポットなどがある)を過ぎると、急に道が開けます。左手には京都オークラホテルと市役所、御池通です。ここから二条通のホテルフジタまで、いい感じでレストランが続く通りです。

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ちなみに、木屋町・西木屋町と河原町の間の、路地のような細い通り。こんなところにも、ちょこちょこ楽しい飲食店が見つかります。Le Cafe Salutもあれば、ラーメン屋やお好み焼き、ダイニング・バー、音楽や国籍を前面に出したバーやレストランなどもあります。むしろこちらのほうが楽しい方も多いでしょう。

●先斗町:四条から三条まで

さて、もう一つ東にある細い通り、先斗町。四条通から入ると、まずはビルにぶつかりますが、少し歩けば格子窓に犬矢来、風情ある建物が見えてきます。お茶屋の数は減りつつあり、増えているのは飲食店やバーですが、それでも他の街では見ることのできない意匠を味わえます。

打ち水に石畳も美しいですが、左に曲がる路地の入り口に通り抜けの可不可を示す表示など、この街ならでは。また、東側のお店は鴨川に面しているので、夏は川床が出ます。(鴨川からちょっと引き込んだ禊川があり、その上に床を出す。)

通り半ば、右手に突如児童公園が現れるのもおもしろいです。よく猫がたむろしています。その左手は駐車場。

さらにしばらく歩くと、ビルが2軒ほど続き、続いて由緒ありそうな煉瓦造りの建物。先斗町歌舞練場です。祇園甲部歌舞練場の「都をどり」と双璧の、「鴨川をどり」はこちら。

先斗町はその先で行き止まりとなり、左右のどちらかに曲がってから三条通に出ることになります。

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なお、この通りにはすばらしい旅館があります。窓を開ければ鴨川、しかもおいしい朝食付、特に朝食後の静かな寛ぎがすてきでした。以前は紹介客を中心に泊める宿だったようですが、近年は雑誌にも時々掲載され、サライなどに載りましたので、御興味のある向きはお調べになっては? ちなみに部屋数が2つ、観光シーズンの予約は御注意を。


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