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カメラ清掃用品の選び方と使い方

 カメラやレンズの大敵は、ホコリなどの汚れです。それを取り除くための道具として、ブロアーやクリーナーがあります。これらの中には、薦めできる製品から、困った製品まで含まれています。どんな製品がよいのか、簡単に紹介しましょう。なお、すべての製品を試したわけではないので、ここで紹介した製品よりも優れたものがあるかも知れません。最終的には、自分の目で判断してください。

ブロアーは、ゴミが出ないものを

 風を起こしてゴミを吹き飛ばす道具が、ブロアーです。レンズやボディのホコリを吹き飛ばすために使います。ブロアーにブラシが付いた、ブロアーブラシという製品もあります。

 写真を始めた頃、ブラシの付いた製品を買いました。しかし、すぐにブラシが汚れてしまい、ブラシでレンズのホコリを取るとき、ブラシによってレンズが汚れるようになりました。それ以来、ブラシは使っていません。買うのも、ブラシの付いてないブロアーだけです。

 ブロアーで一番困るのは、ブロアーからゴミが出るようになるです。ゴム製のブロアーの場合、長く使っているとゴムが劣化し、それがゴミとして出るみたいです。こうなると、何のためにブロアーを使っているのか分かりません。ゴミが出るようになったら、それを捨てて、新品に切り替えた方がよいでしょう。

 もっと困るのは、新品なのにゴミが出る製品です。1年ほど前、あるブロアーを購入しました。さっそく使ってみると、吹き飛ばす何回かに1回の割合で、ブロアーからゴミが出ました。こんな状態では、安心して使えません。買ったその日に捨ててしまいました。

 ブロアーから出るゴミは、ブロアーの素材と同じゴムです。ゴムなので、レンズに付着すると、ブロアーでは吹き飛ばしにくく、ブラシやクリーニングペーパーで取り除くことになります。こういった特徴があるので、ゴミの出るブロアーは困るのです。

 現在使っているブロアーは、ユーエヌのブロアーハリケーンです(中身のまったく同じ製品が、マイネッテというブランドでも出ていましたが、会社がなくなったようです)。本体には「HURRICANE BLOWER」と表記してあります。実売価格が税込み315円(ポイント10%付きのため、実質的にはさらに安い)と低価格ながら、形状が卵形なので強い風を起こせます。小さくて持ち運びにも便利です。これを7個持っていて、個々のカメラバッグやアルミケースに入れています。どれもゴミが出ず、問題は生じていません。同じものが7個に増えたのは、この製品が安いのと、他のブロアーを怖くて買えないからです。他に2種類ほどのブロアーを買いましたが、どちらもゴミが出て散々でした。

 このブロアーを使う際の注意点が、1つだけあります。ブロアーに付いている金属の輪が、だんだんとゆるんできます。レンズを吹いているときに外れ、レンズに当たると大変なので、最初から取り外しておきましょう。使っていて少しゆるんだときに外すと容易です。

レンズのクリーナーは、液が残らないタイプを

 レンズをクリーニングする道具といえば、レンズ・クリーニング液とクリーニング・ペーパーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。私も以前は、この2つの組合せを使ってました。

 しかし、この道具には、大きな欠点があります。レンズの表面に、わずかですがクリーニング液が残るのです。レンズを斜めから見ると、表面に薄い膜のような何かが付いている状態を確認できます。普通のクリーニング・ペーパーで拭き取る方法だと、クリーニング液を完全には取りきれないみたいです。

 現在は、別な道具を使っています。エツミの「クリーンクロス」です。ミクロの繊維で作られていて、見かけは薄い和紙のように見えます。使い方は非常に簡単で、特殊な溶剤など必要なく、水を少し付けて拭き取るだけです。油汚れもきれいに拭き取れ、レンズ表面に残っていたクリーニング液も除去できました。

 価格も手ごろで、30枚入りの定価が350円です。ヨドバシカメラの写真用品売り場では、税抜き240円で売ってました。安心してバンバンと使える値段ですね。クリーニング用品は使い捨てが一番なので、低価格だと助かります。

 お薦めの使い方は、次のとおりです。ペーパーが長方形のため、片側だけ水で濡らし、残りを濡らさずに使います。濡らす側も、全部を濡らすのではなく、中央の半分ぐらいだけ濡らします。最初に濡れた側でレンズを拭き、続いて残りの乾いた側でレンズ表面の水分を拭き取ります。こうすると、1枚のペーパーでクリーニングが終わり、経済的に使えます。

 拭き取る方式なので、大きなゴミが残っていると、それでレンズに傷が付きます。拭き取る前に、ブロアーでゴミを吹き飛ばしましょう。もちろん、ゴミを出さないブロアーで。

ブラシは、OA用品で毛が収納されるものを

 レンズ表面に付いたゴミのうち、ブロアーで吹き飛ばせないものがたまに残ります。そのままペーパーなどで拭き取ろうとすると、レンズに傷を付ける原因となりかねません。やはり、ゴミは可能な限り吹き飛ばしてから、クリーニングを始めたいものです。

 こんな状況で最初に用いるのがブラシでしょう。レンズ表面をブラシで払うことにより、ブロアーで吹き飛ばせなかったゴミが取れることもあるからです。ただし、ブラシが汚れていると、レンズ表面を汚してしまいます。とくにブラシに油が付いていると、レンズ表面にも油が移ります。ブラシは、汚れていないものを使ってください。

 とは言うものの、ブラシを汚さずに保つのは大変なことです。人間の体からも油成分が出るので、ブラシの毛を普通に触っているだけでも、油で汚れてしまいます。また、汚れたブラシを洗って綺麗にするのも面倒です。おそらく一番良いのは、ブラシを可能な限り汚さないことでしょう。そのためには、使わないときに毛の隠れるブラシが適しています。

 いろいろと探した結果、OA用品のブラシに目を付けました。静電気防止機能を持ち、毛の部分が収納される形式のブラシです。何種類か売っていて、違いはよく分かりませんでした。とりあえず、一番小さなものを購入して使ってます。

 使う際の注意ですが、レンズ清掃の専用とします。もしOA機器の清掃にも使うと、汚れが毛に多く付いてしまい、レンズ清掃には適さなくなるからです。間違って他の用途に使わないように、ケース部分に「レンズ清掃専用」とでも書いておくと良いでしょう。

 このようなブラシにも、まだ欠点が残っています。ブラシを収納しても、ブラスの先が見えていることです。ここから毛が汚れる心配があります。フタまで付いている万全なのですが、該当する製品を見たことがありません。仕方がないので、使わないときは、ビニールなどの小さな袋に入れるしかないでしょう。少し面倒ですが、毛が汚れるよりはマシです。

 さて、ブラシでも取れないゴミは、どうすればよいのでしょうか。実は私にも、これといった名案がありません。今のところは、レンズクリーニング用ペーパーの端などを使って、できるだけ優しく取り除いています。名案を知っている人がいたら、ぜひ教えてください。

(作成:2003年8月23日)
(更新:2004年1月2日:ブロアーの製品名を明記)
(更新:2004年4月18日:ブラシの記述を追加)
(更新:2005年4月26日:マイネッテの記述を修正)
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