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白 雪 姫


 むかしむかし、あるところに、たいそう美しいお姫さまがおりました。
 お姫さまは、小さな王国の小さなお城に住んでおりました。
 その王国は、パルミというあまいくだものがたくさん取れる国でした。
 また、男も女も、子供も大人も、美しいものばかりだとひょうばんの国でした。
 その中でもお姫さまは、もっとも美しくかしこいとひょうばんの女の子なのでした。
 お姫さまは毎日、王国を守るために、いっしょうけんめいはたらいていました。

 お姫さまの朝は、ごうかんではじまります。
 お姫さまがきれいな屋根付きのベッドで寝ていると、おめざめ当番の美しい男の子が入ってきます。男の子は、国でいちばん美しいお姫さまをおかせるので、どきどきしています。
 男の子は、すやすやと寝ているお姫さまにいきなりおそいかかり、ふとんをはいで、ネグリジェをやぶって、必死におさえつけようとします。
 お姫さまも目をさまして、必死にていこうします。
 長い金色のかみと、二人の白いはだがばたばたともつれて、それはそれはいやらしいながめです。
 男の子のほうがちからが強いと、お姫さまは逃げられず、男の子におちんちんを入れられてしまいます。そうするとお姫さまはかんねんして、身をまかせるのです。
 男の子は、お姫さまをものにしたうれしさにふるえながら、びゅっびゅっとたくさんせいしを出します。もちろん、なかだしです。
 お姫さまも、りっぱな男の子におかされたのでなっとくして、それをうけいれます。
 でも、男の子のほうがちからが弱かったばあい、どうなるのでしょう。
 そのばあいは、男の子はけとばされて、ベッドから落ちてしまいます。ベッドから落ちたら、男の子はおめざめ当番しっかくです。
 その男の子は、もとの村にかえされてしまいます。

 無事にごうかんされると、お姫さまは、その男の子とパルミの朝ごはんを食べます。
 パルミはあまくてねっとりした、女の子のおっぱいのようなくだもので、とくべつなききめがあります。食べると女の子はにんしんしなくなり、男の子はせいしがふえるのです。
 お姫さまは毎日それを食べます。にんしんしてしまったら、お姫さまじゃなくなってしまいますからね。
 でもいつかは、女王さまになって、あたらしいお姫さまを産まなければなりません。そのためにはどうしたらいいのでしょう。
 かんたんです。パルミを食べなければいいのです。女王さまになったら、お姫さまはパルミをがまんして、おむこさんを取ります。
 そのおむこさんには、王国でいちばん美しく、いちばんかしこい男の子がなることになっています。
 朝のごうかんは、そのためのものです。お姫さまは毎日ごうかんされて、りっぱな男の子をみきわめるのです。
 今日の男の子は、まっかになってふるえて、パルミのおさらを落としてしまいました。おやおや、あがり性のようですね。明るいところでお姫さまの美しい顔をみて、おじけづいてしまったのでしょう。
 これではだめです。
 お姫さまは、どこかに美しくてかしこくて、りっぱな男の子がいないかなあと、ため息をつくのでした。

 朝ごはんがすむと、お姫さまはめしつかいをつれて、金のばしゃでりょうちを見まわります。
 ゆるやかな丘に、パルミの木があおあおとしげって、たいへん美しいけしきです。
 ひとびともたいへん美しいすがたをしています。のうふも、きこりも、縫いこも、花うりも、おいもわかきも、おはなしの中のひとびとのように、美しいものばかりです。
 いえ、これはおはなしの中の国なのですけれどね。王国のひとびとが美しいのは、ちゃんとしたりゆうがあるのです。
 かれらはみんな、よその国から逃げてきたひとびとです。よその国では美しい男女がすくないので、ふつうの人間に目をつけられ、さらわれたり、おかされたりしてしまいます。そこで美しいひとびとは、この王国に逃げてきました。ここではみながみな、美しいひとばかりなので、無理やりみにくいひととけっこんしなくてもいいのです。おたがい、まんぞくなあいてとけっこんできるというわけ。
 みにくい人は王国にはいれません。国ざかいのへいたいが、おいはらってしまいます。
 ほら、今日もこっそりまぎれこんだみにくい男が見つかりました。みんながよってたかって石をなげて、おいはらっています。

 パルミの実は、王国のたいせつなさんぶつです。王国の畑でしかとれず、よその国に高く売れます。
 だからこの国はゆたかです。
 でも、お金があるだけでは、国は守れません。なぜって、よその国からさかりのついたへいたいがおしよせてきたら、お金なんかやくに立ちませんからね。
 王国を守っているのは、ひとびとの美しさそのものなのです。
 それがどういうことかは、あとでお話するとして――
 お姫さまがりょうちの村をおとずれると、村長がひとりのむすめをつれてきます。村人の中からえらんだ、それほど美しくないむすめです。美しくないといっても、よその国にいけば国じゅうで十番にはいるほどのきりょうはあります。
 お姫さまはそのむすめをばしゃにつれこんで、くわしく調べます。
 ぐたいてきに言うと、はだかにしてせっくすをさせるのです。
 お姫さまは女の子ですから、女の子とせっくすはできません。めしつかいの男の子がかわりにむすめをおかします。このめしつかいも、お姫さまがそばにおいてかわいがっている男の子ですから、まるで女の子のようにかわいらしい男の子です。
 おかされるむすめは、かわいい男の子に耳のあなから指のあいだまでなめられ、いっしょうけんめいおちんちんを動かされてしゃせいされると、たあいなく感じてしまいます。それを美しいお姫さまにじっと見つめられるので、かんきわまってあえぎながらいってしまいます。
 お姫さまは青いひとみでそれをじっとみつめて、絹のまきものをとりだします。まきものには、国じゅうの男女のなまえととくちょうがおぼえ書きされています。
 お姫さまはなまえをしらべて、がちょうのはねのペンでひとりの男にまるをつけます。
 むすめは、この男とけっこんすることになるのです。お姫さまは、せっくすしている顔をみるだけで、そのむすめがどんな男とけっこんすれば、かわいい赤ちゃんを産むことができるか、わかるのです。
 むすめはばしゃからおろされ、村長にあずけられます。お姫さまが、しょうらいのだんなさんのなまえをつげると、ふたりもむすめのお母さんもおおよろこびです。これで、みにくい赤ちゃんを産まなくてもよくなったのですから。
 こうやって、王国の美しいひとびとの血すじはたもたれていきます。
 お城に帰るばしゃのなかで、おひめさまはほっとためいきをつきました。今日もまた、ひとびとによろこばれるせいじができました。
 でも、これから、少しつらいことをしなくてはなりません。
 気づまりになったので、お姫さまはばしゃのカーテンをしめて、めしつかいの男の子をはだかにむき、おさない体をさんざんしげきして、楽しみました。
 男の子は、じらしにじらされて気がくるいそうになってから、やっとしゃせいをゆるされました。お姫さまの見ているまえで、じぶんの手でしこしこして、どぴゅどぴゅとせいしをお姫さまの手のひらにはっしゃしました。
 おくちにもあそこにも入れてもらえませんでしたけど、男の子はしあわせです。じつはお姫さまは、じらすだけじらして、しゃせいさせてくれないこともあるのです。今日はうんがよかったのですね。
 男の子がとてもうれしそうにしゃせいする顔を見て、お姫さまもちょっぴりげんきが出たのでした。

 午後になると、お城にお客さまがやってきます。よその国々のししゃのひとたちです。
 お姫さまはこのじかんがきらいです。なぜって、たいせつな王国のひとびとを、よその国に売らなければいけないからです。
 でもしかたないのです、王国を守るためですから。
 お姫さまは、ししゃのひとたちに、王国のむすめやしょうねんをさしだします。ししゃはじぶんの国にそれをつれてかえり、王さまやきぞくにわたします。かれらはむすめたちしょうねんたちを、一ねんかんおかしほうだいにおかしていいことになっています。
 美しい王国のむすめやしょうねんは、よその国のひとびとのすいぜんのまとです。それをいいようにもてあそぶことができるので、よその国の王さまたちはまんぞくして、せめてこないのです。
 なんですって、そんなことをしなくても、王国を丸ごとせんりょうしてしまえば、やりたいほうだいじゃないかって? 
 あなたはじゃあくなひとですね。それにちょっとおつむがたりません。
 ぐんたいで王国をせんりょうしてしまったら、けもののようなへいたいたちが、美しいむすめたちをめちゃくちゃにごうかんし、にんしんさせてしまうでしょう。産まれてくるのはみにくい赤ちゃんか、よくてもふつうの赤ちゃんです。二十ねんもたたないうちに、美しい王国はふつうの王国になってしまうでしょう。
 それではちっともよくありません。王さまたちは、たいせつにはぐくまれた王国の美しいひとびとにあこがれているのですからね。
 だからよその国の王さまたちは、王国をそっとしておきます。
 一ねんかんなぐさみものにされたむすめやしょうねんたちは、王国にもどされます。王さまやきぞくたちが引きとめることは、めったにありません。
 なぜって、そのむすめたちはパルミの実を食べつづけるので、世つぎをつくれないからです(しょうねんはあたりまえですけど)。それに、王国をこいしがってぜったいに心をひらかないので、あいされないのです。
 王さまやきぞくたちも、一ねんかんもてあそんだからまあいいか、とわり切っています。あきてしまうのです。それに、むすめやしょうねんを王国にかえせば、べつの新しいむすめやしょうねんが送られてくることになっています。だからあっさりかえしてしまいます。
 でもれいがいはあるだろうって?
 もちろんあります。人間の心なんてふたしかなものですからね。むかし、ある国の王さまが無理やりむすめを引きとめたことがありました。するとどうなったでしょう?
 その国は、王国からパルミの実を売ってもらえなくなりました。その国のひとびとも、今までパルミのおかげで好きなだけなかだししていたのですけれど、急にやめられるものじゃありません。五ねんもたつと、国じゅうの赤ちゃんが五ばいにふえてしまいました。
 するとききんがおこりました。あたりまえですね、そんなにたくさん赤ちゃんがいたら食べさせるのがたいへんです。それに、赤ちゃんがいると、どうしてもしごとにさしつかえてしまいます。
 王さまは、引きとめたむすめからパルミを取り上げ、なかだししまくってにんしんさせ、これでこのむすめはわが国の女だとごまんえつでしたが、五ねんたつとききんになってしまったので、きもをつぶしました。あわててむすめを王国にもどし、どうかパルミを売ってくださいと泣いてたのんで、ようやくそれいじょう赤ちゃんがふえるのをくいとめました。
 それでも、五ばいにふえた赤ちゃんが大きくなって畑をたがやしてくれるようになるまで、食べものがなくてたいへんくるしんだということです。
 まわりの国々はそれを知って、なんとおそろしいことだろうとふるえあがりました。王国は大砲のひとつももっていないのに、おこらせるとこちらをききんにしてしまう、こわい国だったのです。
 それいらい、王国をおこらせるような国はなくなりました。
 えっ、ぎゃくのばあいもあるだろうって?
 ありますよ。これもむかしの話ですが、ある国のきぞくにおくられた美しいしょうねんが、なついてしまってかえらないことがありました。
 でも、これはなんのもんだいもありません。そうほうなっとくずくなんですからね。王国の美しいしょうねんのことは、きぞくもたいへんあいしていて、まいばん眠りもせず、やさしくおかしてそそぎこみました。しょうねんもきぞくのゆびとおくちにとろかされてしまい、めいじられるまま、パルミでたっぷりふえたせいしをとくとく出したそうです。
 今でもふたりは、あまくあつい夜をすごしていることでしょう。
 さて、そんなもくてきのためにおくりだされるむすめとしょうねんたちが、お姫さまのあいずで、えっけんの間にあらわれます。みなきかざってようせいのように美しいすがたで、ししゃのひとたちもおどろいています。
 むすめとしょうねんたちは、なみだを浮かべて、いってきます、とあいさつします。一ねんごにもどってきたら、たくさんのほうびをもらえることになっているのですが、みにくいよその国の王さまやきぞくのところに出むくのは、つらいことです。
 それでも、王国を守るためですから、いやとは言いません。おとなしくししゃのひとたちに手をひかれて、ばしゃにのりこんでいきます。
 お姫さまはバルコニーに立って、ばしゃが見えなくなるまで泣きながらみおくりました。

 え? あのむすめはどうなったかって? よその国の王さまにはらまされてしまったむすめですか?
 赤ちゃんといっしょに王国にもどってきましたよ。そして、やさしいだんなさんとけっこんしました。
 ええ、そうです。その赤ちゃんは、王国でただひとり、美しくないむすめに育ってしまいました。
 でもね、その美しくないむすめは、かならずしもふしあわせではなかったようです。お姫さまがちゃあんと、にあいのおむこさんを見つけてあげましたからね。おむこさんにかわいがられて、かわいい赤ちゃんを産んだそうです。
 おむこさんはふまんじゃなかったのかって?
 さあ、そこが――人の心のふたしかなところです。美しくないむすめを七かいもはらませたといいますから、あいしていたのはまちがいありません。
 美しいひとの中にも、美しくない相手をこのむひとがいたんでしょうね。

 よその国のししゃをみおくると、お姫さまのおしごとは終わりです。お姫さまはうきうきしています。こよいは、月にいちどの、せいえきよくのばんだからです。
 せいえきよくってなんだとおもいますか?
 こたえをきく前に、バルコニーからじょうか町を見てごらんなさい。たくさんの男の子がやってきますね。したはせいつうがあったばかりの、十さいのあいくるしい男の子から、うえはもうりっぱにおよめさんを迎えられる、十六さいの若ものまで、ぞろぞろ、ぞろぞろ――数えるのはむりでしょうから、教えてあげましょう。四千にんもの男の子がお城にやってくるのです。
 とうざいなんぼくの門からお城に入った男の子たちは、まずひかえ室で、服をぬぎます。どの男の子も、これからすることにどきどきして、おちんちんをぴんと立てています。まわりの子がことごとくこうふんしているので、それがうつってさらにこうふんしてしまうのです。
 でも初めての小さな男の子は、何がおこるかわからないので、おびえています。
 だいじょうぶ、そんな子には、お城のじじょがやさしくほほえみながら近づいて、おくちでしげきしてくれます。お城のじじょは、王国でもえりぬきの、美しいおねえさんばかりですから、そんなひとにおちんちんをなめられると、小さな男の子でも、やっぱり立ってしまうのです。
 そうして、すっかりこうふんの高まった男の子から、じじょがじゅんばんによび出していきます。門は四つ、ひかえ室も四つですから、ひと部屋千にんも男の子が、つぎつぎにおくの間へ入っていくのです。
 ごめんなさい、一つうそをついていました。男の子たちは夕方あつまってくるんじゃありません。じつは、今日の日の出から来て、用のすんだものはかえされているのです。そうでなければ、小さなお城に入りきりませんからね。
 じじょにうながされた男の子は、お城の中心にあるおくの間に入ります。たいていの子は、このときにもう、おちんちんをしごいています。
 そして、おくの間にあるものは――
 銀のバスタブです。
 ねこあしのついた、ぴかぴかにかがやく、かれんなバスタブがおいてあるのです。そこに、とうざいなんぼくから四にんの男の子が通されます。じじょのせつめいを聞いていた男の子たちは、そこでこうふんがちょう点にたっしてしまいます。
「ここに、お姫さまが入るのですよ。ぬの一まい身につけないはだかのおすがたで入って、たぷたぷと楽しまれるのですよ」
 ああ、ぼくのせいえきが、うるわしいお姫さまのおはだに! そうかんがえるとさむ気がするほど気もちよくなって、男の子たちはびゅるびゅるとふんすいのようにせいえきをほとばしらせるのです。
 それがすむと、男の子たちは、こよいのお姫さまのまっしろなすがたを思い浮かべながら、まんぞくしておうちにかえるのです。
 さいしょは、銀のバスタブのそこに、まばらにしろいしずくがはねるだけです。男の子はみんなパルミの実を食べていますけど、ひとり分はたかだか大さじ三杯ぶんほどですから、たいしたことはありません。
 でも、日がのぼり、お昼になり、日がかたむき、夕方になると――
 バスタブのそこが見えなくなり、ちょっとずつ厚みがまし、内がわのめもりがひとつずつかくれていきます。お姫さま――ああ、ぼくのおちんちんで――おれのいやらしいしるが――あの美しいお姫さまの、お顔に、おちちに、おしりに、あそこに! 男の子たちがなん百にんとやってきては、はげしくおちんちんをしごいてしゃせいするたびに、ぴしゃっ、ぴしゃっ、とせいえきがふえていきます。
 ひとりにゆるされるじかんはたったの一ぷん。さいしょはそれいじょうかかってしまう子もいます。でも、だんだんせいえきのかさがふえてくると、そのじかんもみじかくなっていきます。おくの間に入ってバスタブの中の白いものを見ただけで、みんないきそうになってしまいます。酒びん何十ぱいぶんものせいえきなんて、だれも見たことがありません。そのいやらしさにおかしくなってしまうのです。じぶんのまえの男の子たちがはっさんしていったよくぼうの大きさに、のみこまれてしまうのです。
 せいえきがバスタブの半分をこえるころには、みんなそばにちかづくが早いかしゃせいしてしまい、ほっと息をつくひまもなく次の男の子におしのけられる、というありさまになります。みんなお姫さまをおかしたいのです。
 大さじ六十ぱいで、酒びん一ぽんぶん。酒びん二百ぽんで、バスタブいっぱいです。大さじ一まん二千ばいぶんのせいえきで、バスタブがみたされることになりますね。さあ、けいさんしてください、これは男の子なんにんぶんですか?
 その通り、四千にんです。いちどに四にんずつですから、一千ふんでバスタブがいっぱいになります。十六じかんと四十ぷんです。日の出のころに始まって、お姫さまのお夕食のまえに終わるのです。
 今日はすこしおくれてしまいました。日ぐれからだいぶたったころ、さいごの四にんの男の子が、おくの間にとおされました。いずれおとらぬ美しい男の子ですが、長いあいだ待たされたので、いたいほどおちんちんがはりつめています。
 おくの間に入ったとたん、むっとするようなねっきと、頭がくらくらしそうなにおいがはなをつきます。三千九百九十六にんぶんのたいおんが立ちこめているのです。バスタブにちかづくと、どっぷりたまった白いねんえきが目に入ります。三千九百九十六にんぶんのせいえきです。男の子たちはもう、しゃせいするまえにきぜつしてしまいそうです。
 そのとき、いがいなことがおこりました。お姫さまがおくの間に入ってきたのです!
 お姫さまはお夕食がすんで、楽しみにしていたせいえきよくにやってきたのでした。いつもは男の子たちがかえってから来るのですが、こよいは男の子たちをかえすのがまにあわなかったのです。
 じじょたちがあわてて男の子たちをおいはらおうとしましたが、お姫さまはやさしく言いました。
「おまちなさいな、かわいそうよ。みんな、しゃせいしなければ死んでしまいそうなほど、おちんちんが立っているじゃない」
 その通りでした。さんざん待たされたすえにせいえきのバスタブを目にした男の子たちは、もうがまんできなくなっていました。さきばしりのおつゆをぽたぽたと落として、泣きそうなかおでお姫さまを見つめています。
 おろおろするじじょに、おひめさまはきっぱりと言いました。
「こよいは、ちょくせつわらわにかけさせて上げましょう。みんな、よろしくて?」
 男の子たちは目をみはって、こくこくとうなずきます。お姫さまはにっこりとわらうと、まだおろおろしているじじょをおいはらって、ドレスをぬぎはじめました。
 しんじゅのようなつやのある、うでやおっぱいやおしりやふとももが、男の子たちのまえにあらわれます。ティアラをはずしたので、光りかがやく金いろのかみがばさりとせなかに落ちました。男の子たちは、むちゅうでおちんちんをしごいています。
 服をぬいだお姫さまが、バスタブにつまさきを入れます。とぷん、と音がして、お姫さまのつややかな足が、ねっとりとしたえきにうまっていきます。お姫さまはうれしそうにつぶやきます。
「あたたかいわ。みんなのたいおんね」
 お姫さまはバスタブのなかに立ち、するりとすわりこみました。はだをはいあがったせいえきが、かれんなおっぱいのふくらみにぶつかって、たぱっとしぶきをあげました。
 りょう手をあげると、指のあいだから、とろとろとせいえきが落ちていきます。じゅずのようなせいえきの糸を、お姫さまはうっとりと見つめます。
「このいってきいってきに、三千九百九十六にんぶんのせいしが入っているのね」
 そう言って、男の子たちによびかけるのです。
「さあ、そなたたちのもまぜて。みんなでわらわをつつんでちょうだい」
 どぴゅ、どぴゅ、どぴゅ、どぴゅっ! と四にんがいっせいにしゃせいしました。ひとりは右手に、ひとりは左のほおに、ひとりはくちびるに、ひとりはかみの毛に。あこがれのお姫さまの、あこがれのところにちょくせつかけられるのですから、みんなさいこうにこうふんしています。ここぞとばかりにありったけのせいえきをはなちます。
 たっぷりとせいえきをあびながら、お姫さまはいったんえきのなかにもぐり、もういちど顔を出して、四にんのせいえきを三千九百九十六にんぶんのせいえきとまぜてしまいました。
 そして、顔じゅうをまくのようにおおったせいえきを手のひらでかきあつめ、たいせつそうにこくり、こくり、とのんで、てんしのようにほほえみました。
「これで、わらわは体のなかまで、そなたたちのものですよ」
 そんなお姫さまを見ているとますますこうふんしてしまい、男の子たちはさいげんなくびゅくびゅくとしゃせいし、金のかみの毛や長いまつげをさらによごすのです。
 お姫さまもすっかりこうふんし、おっぱいとあそこをしきりにもみこんで、かわいい男の子たちのせいしをたっぷりとはだにすりこみ、あられもなくおなにーをするのでした。

 さて、お姫さまはいんらんなお姫さまなのですが、それだけではありません。
 じんきょになってたおれてしまった男の子たちを、町におくりかえして、つめたいいど水で体をきよめると、お姫さまはネグリジェをみにつけて、おへやにもどります。
 そして、絹のまきものをとりだします。そうです、あの、国じゅうの男女のなまえがかかれた、まきものです。
 十さいから十六さいの男の子のなまえに、ひとつずつしるしをつけていきます。まると、三かくと、ばつです。今日やって来た四千にんの男の子たちを、せいしのあじで、お姫さまはすべておもい出すことができるのです。
 ばつじるしは、あまりおいしくなかった子。三かくは、見こみがあるのでらい月また来させる子です。そしてまるじるしは――
 はい、もうわかりますね。おむこさんこうほなのです。まるじるしの子はお城によびだされ、朝のめざまし当番になるのです。
 えっ、なぜ十六さいまでなのかって? 決まっています、お姫さまが十六さいだからです。年うえはしゅみじゃないんですって。
 このまきものは、お姫さまがお母さまからゆずってもらったものです。お母さまは、おばあさまからゆずってもらいました。そうやって、だいだいのお姫さまがずっとしるしをつけたので、お姫さまには、国じゅうのすべての男のことがわかるのです。
 それはそうですよね、そうでなければ、村のむすめにおむこさんをえらんでやることなんかできません。
 ランプの明かりの下で、百にんほどしるしをつけると、お姫さまはつかれてしまって、まきものをまきとりました。四千にんぶんのしるしをつけるには、一かげつほどかかります。それがおわると、また次のせいえきよくをとりおこなうのです。
 このように、せっくすで王国をしはいするのが、お姫さまのしごとなのでした。

 お姫さまはベッドに横たわって、少しのあいだごろごろします。こよいは、男の子たちのしゃせいをなまで見てしまったので、気がたかぶってねむれません。
 テーブルには、よくひやしたパルミの実が、かごに入れてあります。お姫さまはそれを食べようとしましたが、なぜか、やめてしまいました。
 おやおや、なぜでしょう。まいばん食べるきまりなのに。
 かわりに、ちりんちりんと鈴をならしました。ばしゃでもてあそんだ、めしつかいの男の子が入ってきます。
 お姫さまは、めいれいしました。
「さあ、わらわをだきなさい。わらわがねむってしまうまで、おかすのです」
「は、はい。かしこまりました」
 男の子は気をつけをして、けいれいしました。それから、おずおずとお姫さまを押したおしました。むていこうのお姫さまをおかすことができるなんて、とてもこううんなのですが、男の子はきんちょうのあまり気づいていません。がんばらなきゃ、と顔をまっかにしています。
 やがて、いっしょうけんめいにお姫さまをなめた男の子が、おちんちんを入れて、いっしょうけんめい動きはじめました。
 お姫さまが、すき、すき、と言って、男の子のこしを足ではさみこみます。それでも男の子は気づきません。
 じぶんが、おむこさんのだい一こうほであることに。
 男の子は、いぜんめざまし当番をやっていて、めしつかいに変えられたのでした。めしつかいのしごとは、村のむすめをおかしたり、お姫さまにもてあそばれたりと、たいへんです。だから、てっきりざつようがかりにさせられたのだと、男の子はおもっているのです。
 でもそれは、おむこさんとしてのしゅぎょうなのです。どんなむすめでもまんぞくさせられて、けっしてお姫さまにさからわないように、というしゅぎょうです。
 そうとは知らずに、男の子はせつない気もちで、あこがれのお姫さまによくぼうをぶつけます。
 やがて男の子はぴんと足をのばします。お姫さまもぎゅっと男の子にだきつきます。男の子の、ありったけのおもいをこめたせいえきが、どくどくとお姫さまのおなかにそそがれていきます。
 それをうけとめながら、お姫さまがつぶやきます。
「あしたから、めざまし当番はいりません」
「えっ、いいんですか?」
「ええ。そなたが朝のごうかんもやるのです」
「は、はい」
 男の子は、わけがわからないまま、うなずきます。
 お姫さまがパルミを食べていないことには、やっぱり気づいていません。
 もうじきお父さんになるのにね。

 男の子におくちでおそうじをさせると、お姫さまはようやく羽根ぶとんをかぶりました。
 ひとつだけざんねんなことがありました。もうせいえきよくができないことです。
 でも、男の子にはまんぞくしているので、あきらめることにしました。
 明日からは、男の子のせいしが、おなかのなかで死なずに、お姫さまのらんしへと向かうことになります。
 それって、どんなかんじなのでしょう?
 はじめてせっくすした八さいのときのように、明日のことを楽しみにしながら、しらゆきひめ――じゃありません、しろえきひめは、すやすやとねむりにつきました。


―― おしまい ――



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