白血球 |
白血球は免疫に関連した細胞で、体の内部に入り込んだ異物(ウィルス、細菌、カビなど)を破壊する役目を持っています。普段は血流に乗って体内を循環していますが、感染が発生した箇所では血管の外へも出て、異物と闘います。 関連する検査データは、
マルク(骨髄検査)の時には幹細胞からの分化途中の細胞の割合なども細かく調べるようですが、ブラスト(芽球)や異型細胞の割合以外の細かいデータはお医者さん専用と割り切っておいても良いと思います。 病院により基準は異なっているようですが、琴ちゃんの病院では好中球が500を切ると、ベッド上にきれいな空気が流れる装置(アイソレータ)を設置して感染しないような処置を行います。 さて、一般に「白血球」と一言で言ってしまいますが、白血球にはいくつかの種類があります。顆粒球、リンパ球、マクロファージ、NK細胞などがそうです。 顆粒球これは、さらに好中球、好塩基球、好酸球に分けられます。共通している特徴として細胞を染色して観察した時に細胞の中に顆粒がみられるため顆粒球と呼ばれます。 顆粒球の大部分を占めるのが好中球です。あとの2種類は寄生虫を攻撃したり、アレルギーに関連している様ですが、白血病の治療中に重視されるのは好中球なので好中球について説明します。(というか、好塩基球と好酸球はよく知らないの(^^ゞ) 好中球は感染の初期に活躍する細胞で、感染に素早く反応するけれども、攻撃力はそれほど強くはありません。とはいっても、この細胞が少なくなってしまうと感染がすぐに広がってしまうので、ベッド上にきれいな空気を流す装置(アイソレータっていうのかな)を置いたり、手洗いを厳重にしたりして感染を予防しなくてはなりません。 施設によっては、さらにガウン、帽子、マスクも必要なんだそうです。 また、治療によって骨髄抑制(当然好中球も少なくなっている)の後の回復期には、GーCSFと言う薬を注射して(好中球を含めた)顆粒球の回復を早めます。
通常、好中球は赤血球のように輸血することはできないので、ひたすら感染に注意しながら、G−CSFをうって回復を待つしかありません。 リンパ球リンパ球にはB細胞(Bリンパ球)とT細胞(Tリンパ球)があります。B細胞は抗体を作る細胞です。T細胞はさらに、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサT細胞に分けられます。感染に対して反応するまでに時間はかかりますが、強力な攻撃力を持っています。また、一度感染した物質に関しては素早い反応を示せる仕組みを持っています。(予防接種はこの仕組みを利用しています。) リンパ球の体内での流れは少し特殊で、心臓から体の各部に向かう時は血液の中に交じっていますが、体の各部から心臓に戻るときにはリンパ系(リンパ節はその一部です)と呼ばれるリンパ球専用の通路を通っています。 リンパと聞いて「聞き捨てならん」と思っていらっしゃるかもしれません。そうです、ALL、急性リンパ性白血病はこのリンパ球になる途中の細胞がガン化したものなんです。リンパ球にB細胞とT細胞がある様に、ALLにもB細胞系とT細胞系があります。ALLの分類については、また回を改めて書きたいと思います。 単球/マクロファージ血液中を流れているときは単球と呼ばれ、それが血管から外に出て異物を食べるようになるとマクロファージと呼ばれます。また、臓器に常駐しているマクロファージもあります。 マクロファージは別名貪食(どんしょく)細胞と呼ばれ、異物を自分の内部に取り込んで粉々にして殺してしまいます。同時に、粉々にした破片(ペプチド)を自分の表面に出す(提示する)ことにより、リンパ球に異物の種類(抗原)を認識させるという大切な役目も持っている。こうして抗原を細胞表面にだしている細胞を抗原提示細胞と言います。 リンパ球は異物そのものを認識するのではなく、抗原提示細胞上のHLAと抗原を同時に認識することにより、その機能を開始します。(何だかややこしい話ですが、リンパ球にはリンパ球の事情があるということで、勘弁してあげましょう。) また、マクロファージのもう一つの役割は体の中で不要となった細胞を処分することです。やはり、自分の体の中に不要となった細胞を取り込んで壊しているようです。 「不要となった細胞」には、細胞の寿命がきてアポトーシス(細胞の自殺)を起こした細胞が含まれているようです。(”含まれている”と表現すべきか、”そのもの”と表現すべきかは不明です。) アポトーシスについては、また回を改めて書きたいと思います。(って、そればっか(^^ゞ) NK(ナチュラルキラー)細胞どのような仕組みで機能しているかは勉強不足なんですが、自ら進んで異物を処理している細胞のようです。そういう意味で言えば、マクロファージだって自ら進んで異物を処理してるんですけどねえ・・・。 この細胞を活性化してガン細胞をやっつける研究も行われているようです。 LAK細胞 詳しくは分からないので、取り合えずキーワードとして書いときます。 |