2  次頁へゆくまへがきへ戻る             *             精霊を招き寄せつつ遊宴に耽ることに決まつてゐる      春の内でも楽しみの極みと言つたら 梅の枝を手折り 花の                              手折りをきつつ遊ぶにあるべし 十九|四一七四  春のうちの楽しき終へは梅の花                                     追ひて筑紫の大宰の時の春苑梅歌に和へて作る             *             次の一首も同様  大宰帥大伴旅人が主催した梅花宴の歌三十二首に追和した歌 たとへ雪は消えてしまはうと  溶け残つた雪にまじつて咲いてゐる梅の花よ 散り急ぐな                               はやくな散りそ雪は消ぬとも 五|八四九&家持集  残りたる雪にまじれる梅の花                               後に追ひて和ふる梅の歌             *              題詞の十一日は天平勝宝五年一月十一日  れは この雪でもう散つてしまつてゐるだらうか    鴬が鳴くのを聞いた垣根の内では 梅が咲き誇つてゐた あ                                梅この雪にうつろふらむか 十九|四二八七  鴬の鳴きし垣つににほへりし                                  因りて拙き懐ひを述ぶる歌              十一日 大雪落りて積むこと尺有二寸なり