3 次頁へゆくまへがきへ戻る        *                                            ま袖の中に入れておくこと   袖にこきれるとは 花を袖に擦り付けて匂ひを移し そのま しごいて入れよう  池の水面に色を映すほど咲き照らす馬酔木の花 これを袖に                                馬酔木の花を袖に扱入れな 二十|四五一二                            池水に影さへ見えて咲きにほふ                           山斎を属目して作る歌             *                                            ることはないのに 香りさへ慕はしいことだ 山吹の花  春雨に濡れていつそう映える色の美しさ それだけでも飽き                                 香さへなつかし山吹の花 家持集&古今集                            春の雨に匂へる色もあかなくに                                  *                                            た後で 都へ帰ることになるのでせうか  まだ桜が蕾だつた頃にやつて来た我らですが 散つてしまつ                               散りなむのちに都へゆかむ 二十|四四三五                          含めりし花の初めに来し我や                           等と 同に集ふ飲宴に作る歌            三月三日 防人を検校する勅使と兵部の使人