2  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                             もとなは やけに|とめどなく などの意   このは畿内と山陰地方とを隔てる丹波高地を指す せずにはゐられません      雪の降り積もる山を越えて行くあなたを 命と頼んでお慕ひ                                君をぞもとな息の緒に思ふ 巻十九                            白雪の降りしく山を越えゆかむ                             但馬案察使橘奈良麻呂朝臣に餞する宴の歌       *                         惜しくてならぬ今宵です  遠い越の国に五年といふ年月の間住み続けて 別れ去るのが                               立ち別れまく惜しき宵かも 巻十九           しなざかる越に五年住み住みて            介内蔵忌寸縄麿の館に餞する時に作る歌       *                             を用ゐる狩を大鷹狩といふ          小鷹狩は小型の鷹を用ゐてする秋の狩 これに対し冬に大鷹 ることさへせずに 別れるのでせうか    石瀬野で秋萩を踏みしだきながら 馬を並べて小鷹狩をする                              右は八月四日に贈れり                                          小鷹狩だにせずや別れむ 巻十九           石瀬野に秋萩しのぎ馬なめて       いはせの