1  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                             に残していつた歌           天平勝宝三年 越中守より少納言に転任する際 部下の広縄 はないでせう        長の年月共に暮らした あなたのご厚情 決して忘れること                                 その心引き忘らえめやも 巻十九                            荒玉の年の緒長く相見てし                          掾久米朝臣広縄の館に贈り貽す歌二首     仍りて別れを悲しぶる歌を作りて 朝集使   七月十七日を以ちて 少納言に遷任せらる        *                                             石竹を送別する歌           同月は天平勝宝二年十月 朝集使として越中から都へ向かふ らう そんな山道を 貴方は越えてゆくのだらうことよ   時雨のしづくが山の黄葉に置いて 葉と一緒になつて散るだ                              石竹を餞せし時に 守大伴宿禰家持作る        いはたけ     右一首は 同月十六日 朝集使少目秦忌寸               散らむ山道を君が超えまく 巻十九           あしひきの山の黄葉に雫合ひて            無題                           *                                         家持秀歌選 離別