3 次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                             恋しがることもあるまい  あなたが撫子の花であつたらいいのに 毎朝手に取つて見て                                手に取り持ちて恋ひぬ日なけむ 三|四〇八                            撫子のその花にもが朝なさな       *                                          ば手から離さず いつも持つてゐられるでせうか  朝にも昼にも見てゐたく思ふ貴女といふ貴い珠を どうすれ                                如何にせばかも手ゆ離れずあらむ 三|四〇三                            朝にけに見まく欲りするその玉を       *                                             のらしい として認められない限り 本家での夫との同居はできなかつたも 後も 原則として同居はしませんでした 正妻でも刀自即ち主婦  当時の貴族は通ひ婚が一般的で たとへ正式に婚儀を結んだ                           で 私の胸はもう切り裂かれ焼かれるやうです  夜の明け際に貴女のもとから帰つて来ることが度重なつたの                               なれば吾が胸斬り焼く如し 四|七五五                            夜のほどろ出でつつ来らく度まねく