2 次頁へゆく|まへがきへ戻る | * | を名詞化してゐます 続くしは強調の助詞 | 注 思へりしくしのしくは過去の助動詞きのク語法で 思へりし | ひに沈んでゐた表情が目に浮かんで来てならない | 訳 夜の明け際にあなたの家を出て来たので 愛しいあなたの思 | 我妹子が思へりしくし面影にみゆ 四|七五四 | 夜のほどろ我が出でて来れば | * | しい思ひをしてゐるのだらう | てゐたものを どうして私はなまじ逢ひ始めてしまつて また苦 | 訳 あなたへの思ひが一度は絶たれて 気が抜けたやうに暮らし | 中中に何か苦しく相見初めけむ 四|七五〇 | 思ひ絶えわびにしものを | * | 逢ひに来ようといふ人を | 訳 夕方になつたら 予め家の戸を開けて待つていませう 夢で | 夢に相見に来むと云ふ人を 四|七四四 | 夕さらば屋戸開けまけて我待たむ |