2  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                             くにつけ いつさうに は ますます心惹かれるのだ 己の名を告げて鳴くその声を聞  卯の花が咲くとやつて来て鳴くものだから 霍公鳥の声に                                いやめづらしも名告り鳴くなへ 十八|四〇九一                          卯の花のともにし鳴けば霍公鳥             *                                              題詞の四月一日は天平二十年 かせよ 花はまだ蕾ではあるけれども  卯の花の咲く月になつたのだ 霍公鳥よ 来て鳴き声を響                                 来鳴き響めよ含みたりとも 十八|四〇六六                          卯の花の咲く月立ちぬほととぎす                              四月一日 掾久米朝臣広縄の館にして宴する歌       *                                           雨の降る間も休まず あたりを鳴いて飛び回る    卯の花の散り過ぎてしまふのを惜しんでか ほととぎすは                                 雨間も置かずこゆ鳴きわたる 八|一四九一                          卯の花の過ぎば惜しみか霍公鳥                               雨の日に霍公鳥の喧くを聞く歌