2  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                                                    青柳の糸のくはしさ春風に乱れぬい間に見せむ子もがも つたものになつてゐる 出典はつぎの万葉巻十の歌であらうが 一首の意味はやや異な  春風のみだれをみちびく枕詞としての働きをしてゐる  が乱れてしまはないうちに 見てくれる人があればよいが  青あをと芽吹いた柳の糸を縒り合はせ 懸けておかう 糸                                                           みだれぬ先に見む人もがな 家持集&続後撰集                        青柳の糸よりかけて春風の        *                                                                朝なさな吾が見る柳鴬の来居て鳴くべき森に早なれ  出典は万葉巻十の次の歌か     鳴くやうに はやく盛んな茂みになつてくれ  毎朝毎朝 庭に出ては眺める梅の木よ 鴬が止まりに来て                                                           来ゐて鳴くべく茂くはやなれ 家持集                            朝な朝な我がみる梅に鴬の