2 次頁へゆく|まへがきへ戻る | * | り寄せて来る 東風が激しいせゐであらうか | 訳 英遠の浦に寄せる荒波は いつそう勢ひを増して立ち重な | 立ち重き寄せ来あゆを甚みかも 十八|四〇九三 | 英遠の浦によする白波いやましに | 英遠浦に行きし日に作る歌 | * | 時には月が照つてゐるのであつた | 訳 珠洲の海に朝船出をして漕いで来ると 長浜の浦に着いた | 長浜の浦に月照りにけり 十七|四〇二九 | 珠洲の海に朝びらきして漕ぎ来れば | 長浜の湾に泊てて 月光を仰ぎ見て作る歌 | 珠洲郡より船を発して治郡に還りし時に | * | 注 地名は地図参照 | 朝凪してゐる 船と楫があれば良いが | 訳 志雄路を通つて山を真つ直ぐに越えて来ると 羽咋の海は | 朝凪したり船梶もがも 十七|四〇二五 | 志雄路からただ越え来れば羽咋の海 | 気太神宮に赴き参り 海辺を行きし時作る歌 |