2  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                             れる貴方です す撫子の初花のやうに ますます新鮮な気持ちで慕はしく思は  雨は降りしきつてゐますが その雨に濡れて鮮やかさを増                                いや初花に恋しき我が背 二十|四四四三                            ひさかたの雨は降りしく撫子が                                   家持の宅に集ひ飲める歌                   *                                              ミヅハナは水端 大雨による出水の先端かといふ  てくれる娘がゐてくれたらよいのに て岸辺に寄せる木屑 それではないが 私につよく思ひを寄せ  卯の花を朽ちさせるほどの長雨が続き 出水に押し流され                                縁る木積みなすよらむ児もがも 十九|四二十七                            卯の花をくたす霖雨の水はなに                              霖雨の晴るる日に作る歌           ながあめ        *                                             雨の降る間も休まず あたりを鳴いて飛び回る    卯の花の散り過ぎてしまふのを惜しんでか ほととぎすは                                 雨間も置かずこゆ鳴きわたる 八|一四九一                            卯の花の過ぎば惜しみか霍公鳥                               雨の日に霍公鳥の喧くを聞く歌          *                    二 長雨