歌の棚


桜の歌三首


此よにはわすれぬ春の面影よ朧月夜の花のひかりに(式子内親王)


夕、散り残れる桜を

緑もゆる梢の空に雲たちてやがて散るべき花をかぞへり


夜、葉桜を 二首

さし交はす枝の透き間のおぼろ月ひかりは花のよみがへりかも

月読よ花なき枝に白き紗を掛けつつわたれ春の訣れに


今年は遅桜なりけり。四月十八日は小望月、朧に霞めり。



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