つくばファーマシューティカルケア研究会活動報告(第2報)


第12回いばらき医療福祉研究集会にて発表

日付:平成11年11月23日
会場:つくば国際大学
演者:(有)服薬ケア研究所 岡村祐聡


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目 次


初めに

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図1

つくばファーマシューティカルケア研究会は、つくば市において毎月開催する定例会と、インターネット上のメーリングリストでの議論を、2つの主な活動の場とする研究会です。

その名が示す通り主要なテーマはファーマシューティカルケアであり、薬剤師が地域医療の中で果たせる役割を研究し、そして更なるレベルアップのために研鑚して行くことを目的としています。

第一回の定例会を平成9年7月に開催して以来回数を重ね、平成11年10月には、第21回定例会として「医薬分業を本音で語る。」をテーマにフリーディスカッションを行いました。

ホームページ

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図2

 

定例会の内容はインターネットのホームページに公開されており、会員に限らず誰でも見ることが出来ます。

現在の会員は約50名で、その半数以上が茨城県以外からの参加です。北は北海道から南は九州まで、文字通り日本全国に会員がおります。このインターネット会員の存在により、地域での勉強会といった枠を越えた活動が行われております。

定例会の内容はまずメーリングリストに流され、それから全国の会員との追加討議が、インターネット上で行われます。またそれ以外にも、日常的な意見交換から症例報告、そして最近は介護保険や保険制度改革にちなんだ話題も多く、本当にさまざまな議論が交わされています。

業界誌での紹介記事

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図3

 

昨年スミスクライン・ビーチャム社発行の「Pharmacist Journal」誌の10月号に取り上げられたのに続き、本年は「日経ドラッグインフォメーション」誌9月10日号に取り上げられました。

特に今回は全国誌であることと、インターネット環境の普及にもよると思われますが、同誌が発行されると同時に入会希望者から多くの問い合わせを受け、ファーマシューティカルケアについての関心の高まりをひしひしと感じております。

定例会テーマ

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図4

 

昨年11月の本研究集会に報告して以降の定例会のテーマはスライドのとおりです。

平成10年12月は、クオリティオブライフ、平成11年2月は、明薬臨床大学院が目指す臨床薬剤師の活動、これは大学院の社会人コースで学んでいる薬剤師の方にお話をうかがったものです。

平成11年4月は、模擬患者との窓口対応のトレーニングを実施致しました。平成11年5月は薬識について、6月は薬歴について,それぞれ取り上げました。

そして7月と8月には、2ヶ月にわたって、ヘルスカウンセリング学会認定のヘルスカウンセラーであり、薬剤師でもある堤俊也氏を招き、薬剤師にとって必要なヘルスカウンセリングのテクニックと理論を学びました。

そして先月、平成11年10月には、「医薬分業を本音で語る」と題して、病院薬剤師、薬局薬剤師双方の立場からフリーディスカッションを行いました。これは次の日曜日(11/28)に水戸で行われる茨城県薬剤師学術大会に、ホームページ「医薬分業のすすめ」で有名な石川県の小児科医、吉田均先生がおいで下さるのを記念して開催したものです。

当研究会ではファーマシューティカルケアを考える上で、医薬分業はもっとも根源的な前程条件であると考えております。そして医薬分業とは単に制度上の問題ではなく、一つの文化であると捉えています。そして病院薬剤師と薬局薬剤師が手を取り合って、薬剤師の担うべき役割を明確に示していくことによって、他ならぬ患者さんに薬剤師が行うべきケアというものを認知してもらい、一連の医療の過程の中で、薬剤師が関与することを患者さんの側から望まれるようになる必要があると考えています。そこまで行って初めて本当の意味の医薬分業であり、そしてそれがファーマシューティカルケアであると考えています。

ディスカッションのまとめは当研究会のホームページにて公開されておりますので、ぜひアクセスしてご覧になってください。そしてご意見あるいは議論に対する追加討議をぜひお寄せください。

分科会・対外活動

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図5

他に分科会としてTDMの分科会を定例会とは別に定期的に開催しております。これは、薬物動態学の基礎から実際までを一貫して学んで行こうという主旨で、約2ヶ月に一回開催しており、現在は基礎理論を終えて症例を元にした検討を行っております。

また対外的な活動としては、平成11年9月に行われました第2回日本ファーマシューティカル・ケア研究会総会において、カリフォルニア大学のカイザー博士と並んで当研究会の仁礼久貴氏が特別講演という形で活動報告を行いました。

以上がここ1年余りの活動状況です。この1年は会員数も倍増し、会員の所在地も全国各地に広がり、当研究会がつくば近辺の小さな集まりから大きく発展した年となりました。

これからも、単に仲間内の自習のためのお勉強会としてではなく、研究会として明確な理念を持ち、大きな意志を形成しながら、積極的に学会発表や各種提言を行っていきたいと考えています。そしてしっかりした理論構築と、現場での応用を踏まえた実践的展開を両輪として、薬剤師が医療の中でどんな役割を果たしていけば良いのか、どんなケアを患者さんに提供していけば良いのか、研究を続けていきたいと思います。

第22回定例会の案内

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図6

最後に2000年の新春に予定しております次回定例会を簡単にご案内いたします。

次回第22回定例会は、「服薬ケアについて」を私がお話する予定です。

服薬ケアとは、当研究会の行動原理となっている基礎理論であり、実践の方法論と共に我々が提唱している概念です。強いて言えば日本式ファーマシューティカルケアの実践法と言えると思います。

日時は、1月16日、日曜日の午後1時〜4時を予定しております。場所はまだ未定ですが、新しく出来ました国際会議場か、いつも利用しておりますつくばカピオのどちらかを考えております。詳しいお問い合わせはホームページかこちらの連絡先までお願いいたします。

以上報告を終わります。

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