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宇都宮市内の新4号国道を南下して行くと進行方向左側のガラクタの
中にオレンジ色をした小型DLを見かけた方はいらっしゃいませんか?
この機関車は、S59ごろまで国鉄岡本駅−高崎製紙日光工場間約4km
を結んでいた「高崎製紙専用鉄道」で使用された「TD3」というDLです。
同鉄道廃止後、一時廃線上に保管されていましたが、解体業者に引き取られて
現在位置に鎮座するようになったようです。放置状態ですが、思ったほど痛みは
激しくなくキャブ内、プレート類もそこそこ残っています。
ちなみにプレート・表記には以下の記載がありました。
| 日立のメーカーズプレート | No12365 1956 |
| 車体表記 | けん引車数および最高速度 形式 HR型 自重25屯 けん引車数 25車 最高速度 25KM/H 所有者 日光製紙K.K |
車体表記の「所有者 日光製紙」は、旧社名と思われます。円形の社プレートにも
同名の記載がありました。
本機は、3動軸ロッド式で鶴見線扇町に同型機が生存している可能性があると
「産業用軌道をたずねて」というページに紹介されています。
また、本機については「メジロのめ次郎」さんのうつのみやトワイライトゾーンでも
取り上げられています。
「それではTD1とTD2は?」。
実際、TD1はTD3にほど近い場所に現存しています。

TD3と同じ運命(すなわち解体屋さんの所有物)をたどったものと思われますが、
こちらも保存状況(?)は、良好です。
場所が完全に私有地内なのでプレート・表記などの確認はできていませんが、
先頭のラジエータグリルには、「汽車会社」のメーカーズプレートが燦然と輝い
ています。
「高崎製紙専用鉄道」沿線には、戦後「汽車会社」(正式には汽車製造株式会社)
が事業所を開設しており、同鉄道の利用者でもありました。そのことと、本機が同
社製であることは無縁ではないと推測されます。
本機は、国鉄DD11型と同型と思われます。DD11型は、気動車用の機関と変速機を
搭載し、1954年(昭和29年)に1次形3輌、1957年に2次形6輌が汽車会社にて生産され
ました。本機は1次型と2次型をミックスしたような外観です。

現存機は、本機をのぞくと全国に2両。黎明期の液体式DLとして貴重なのではないで
しょうか?
なお、後方のワム8もダルマ状態ではなくレールも敷かれているようです。もしかしてこ
の解体屋さんはただ者でないかも・・・・
TD2に関しては、残念ながら何の手がかりも得られていません。
本当に存在したかさえも・・・。
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彼らの先代は、もちろん蒸気機関車でした。
鉄道省形式1690の1691号機(アメリカ ピッツバーグ1896製)であり、
五戸電気鉄道2号機をへて入線したものと思われます。
なお、活躍はS30年代初頭までと思われます。
その先代も存在したはずですが残念ながら調査ができておりません。
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彼らが、今後どうなるか予断を許しません。
私としてはできるだけ長く現状を維持してほしいと願うのみです。
また、彼らが活躍した、高崎製紙専用線にはいくつかの謎があります。
■汽車会社はその後どうなったか?
■国鉄大宮工場岡本分工場はどこにあったのか?
これらの謎に旅される方は「こちら」をクリックしてください。

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修正 2002.9.1 リンク先削除/修正 表現修正
作成 2002.8.1
写真撮影 2001.5.20
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