お散歩 LED ライト(秋月1.5V投光キット改)の製作・さらなる改良編 (2009/9/24)

(Last update:09/09/26)


今回は真面目に基礎検討から開始。
1.2V時の発振波形、LED の明るさ、
消費電流を見ながらコイルの選定を行う
今回も部品の高さに注意
LED 基板裏面。
基板表側にスペースを空けるため、
抵抗は全てチップ部品を使用
LED 基板はホットボンドで接着
最終配線状態 フラット LED の採用で出っ張り無しの
仕上がり。これで地面と擦れてレンズが
変形してしまうこともあるまい。
ソーラーパネルは DC プラグで接続。
ケースにもともと空いていた穴を広げて
プラグが挿し込めるようにする。
DC ジャックはホットボンドで固定。
太陽電池接続の図
ソーラー充電で地球にも優しい(嘘) 回路図

製作の経緯:

 前回の製作では、事前検討をせずに製作したため定電流機能が十分に活かされず、エネルギー効率の低下を招いてしまった(爆)。そこで今回は入念に事前検討し、効率重視で製作してみることに。

 また手元に死蔵太陽電池(爆)があるので、ついでに活用する方向で。


前作からの変更点:

・電流制限抵抗をなくす
・定電流回路をなくす
・コイルを手持ちの中で一番効率の良いものに変更
・LED を、平坦でレンズ無しタイプの FLUX に変更
・ソーラー充電可能に

 が変更点。


回路検討事項

(1) インダクタについて

 まず考えなければならないのは DC-DC コンバータの効率を大きく左右するコイル。一般的には直流抵抗分が少ないものがいい、等々いろいろ定石はあるのだが、個人レベルの製作では、手持ちのインダクタをとっかえひっかえしてみるのが一番手っ取り早く、確実だったり(爆)。そこでいろいろと試してみたところ、15年以上前に買って死蔵されていた(爆) 17μH の小型のインダクタが一番効率が良いようで、1.2V ではキット標準の 100μH の時より 6倍程度の電流(約60mA)が流れ、そのぶん LED が明るくなった。

 ただ、標準の 100μH だと1.2V 程度の低電圧でも出力側の波形が安定しているのだが、17μH のインダクタではかなり波形が乱れてしまった(写真のオシロの波形参照)。ただ、とにかく低電圧でも LED が一番明るく光ったので採用することにした次第。ちなみに秋月で売っている DC-DC コンバーター用の 47μH SMD インダクタもそこそこ効率が良く、波形の乱れも少なかったので、こいつを使った方が良かったかもしれない。ただ、1.3V 以上では 17μH のインダクタでも波形は綺麗になったので、あくまでニッケル水素電池で運用するような低電圧時限定の問題。

 なお、この 17μH インダクタを使うと 1.2V入力時でもパルスとはいえ 60mA 程度流れるので、LED 1個では LED の寿命が縮まるかもしれない。今回のように LED x 5 ならば 10mA強/LED なので問題無し。

(2) LED の選別

 今回は LED に電流制限抵抗を入れないため、明るさがバラつかないよう LED の Vf (順方向電圧)は揃えておくほうが望ましい。そこでLED チェッカーで 15mA時 2.97V のものを 5個選別して使用した。

(3) ソーラー充電関係

 太陽電池は、以前秋月で売っていた MAX 2V, 250mA のパネルを使うことにした。ニッケル水素電池が 2000mA/H 前後なので、理想的には8時間充電となるが、後述のように満充電に近づくに従って充電電流が絞られるので、おそらく一日では満充電にできないと思われる。またあまり頻繁に充放電を繰り返してはメモリ効果も出るだろうから、ソーラー充電はあくまで補助的な運用となりそうな予感(爆)。

 過充電対策は逆流防止ダイオードの Vf で調整した。通常、逆流防止ダイオードはエネルギーロスを減らすために Vf の小さいショットバリアキーダイオードを使うわけだが、今回は 2V の太陽電池で満充電およそ 1.4V のニッケル水素電池を充電するため、Vf = 0.6V の通常のシリコンダイオードを使った。これなら充電電圧は最大でも 1.4V となり、満充電に近づくほど太陽電池から電流が流れなくなり、結果的に過充電が防止できる。


使用感:

 フラット型 FLUX LED は、スペック的にはレンズ型 FLUX LED よりも暗いのだが、流し込む電流が多くなったことで体感的にはむしろ明るくなった。ただ明るくなった分、電池の減りが早くなってしまい(当たり前)、意外と充電サイクルが短くなってしまった。前回製作したライトと交互に使うのが現実的か・・・。



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