PIC16F687 (16F690) 3色表示電圧計の製作 (2010/07/07/〜2010/07/12)

(Last update:10/11/15)


まずはブレッドボードで動作確認
7セグ LED は 2.54mm ピッチの
NARG105 で代用
一番面倒なダイナミック表示用
配線にはUEW を投入。
UEW のハンダ付けは苦手 ^^;
メイン基板表 メイン基板裏
実装部品は47KΩチップ抵抗のみ
サブ基板表 サブ基板裏
メイン+サブ基板合体させ、最後に
7セグ LED への配線を行う
赤表示
橙表示 緑表示
ありあわせのケースにひとまず実装 サイズはピッタリだが見栄えが・・ orz
もっといいケースを探さねば
設置状況1 設置状況2
回路図 車載モードの
配線参考レイアウト
(レイアウトには PaaS を使用)

製作の経緯:

 ここ数週間の間に2つの車載電圧計(LCD版LEDバー表示版)を作ったら、やっぱり7セグ版も欲しくなってしまった(爆)。

 既に似たようなものを作っているので、プログラムの使い回しがきくはずだ、とお気楽に設計を開始することに。


仕様:

 ワンチップ・マイコンを使った電圧計の製作例は世の中に山ほどある。ヒネリが必要だ。そこで 3色表示だっ!(こればっか)。

 仕様は、

 ・色の表示順(車載モード:、通常モード:)をジャンパーピンで選択可能とし、汎用用途にも使えるようにする
 ・測定可能電圧は 0〜20V
 ・電圧は TMR0 割り込みで 32ms毎に15回測定して平均値を表示する
 ・橙色表示の境界電圧は VR で変更可能
 ・車載モードの場合は、15V以上も表示とする(オルタネーター故障を想定)
 ・VR 設定次第で単色表示も可能
 ・できるだけ小型に
 ・できるだけ省電力に


回路説明、設計時の考慮点等:

 部品点数を削減するため、今回も「完全ダイナミック点灯」(桁単位ではなくセグメント単位のダイナミック点灯)とする。これにより点灯する LED を常に1つとし、電流制限抵抗と桁制御トランジスタを大幅に省略する。(ここらへんの詳細についてはこちらを御参照)


車載モードと通常モード:

 ジャンパーピンの設定により、色の表示順が以下のように逆になる。

0V 〜VR1設定値 VR1設定値〜VR2設定値 VR2設定値〜15.0V 15.0V(固定値)以上
車載モード
通常モード


 鉛電池の電圧モニター用途には車載モード、通常の電圧測定用途には通常モードが便利だろう。


単色表示にする方法:

 橙色表示の上限値と下限値は 2つの VR で設定するが、どちらも理論上 0V〜20V まで設定できるため、以下のように設定すると単色表示になる・・・ハズ。

VR1, VR2 とも 0V VR1=0V, VR2=20V VR1, VR2 とも 20V
車載モード 全域赤の単色表示 全域橙の単色表示 15V 以下は緑、
15V 以上は赤表示
通常モード 全域緑の単色表示 全域橙の単色表示 全域赤の単色表示


 なお、車載モードでは VR の設定に関わらず、15.0V 以上は赤表示となる。

 ちなみに上限値と下限値は 2つの VR の値を大小関係を考慮して取得するので、どちらの VR が上限値用でどちらの VR が下限値用、というキマリは無い。


実装:

 一番大変なのは 2mm ピッチの NARG161 の配線。まず最初に 3つの LED をエポキシ系接着剤で貼り付け、次に UEW (ポリウレタンワイヤー)でチマチマと配線。UEW のハンダ付けは苦手なので、念のためテスターで 1セグメントづつ導通を確認しながら配線した。LED は最終的には基板に接着するのだが、写真からも判る通り一度貼り付けてしまうと配線のし直しは不可能なので、動作確認をした後に接着する。

 今回は実装スペースを抑えるため、基板を2つに分けて二段式にした(写真参照)。おかげでかなり小型に仕上がったのだが、見栄えのいいケースが手元に無く、止む無く間に合わせのケースに入れている ^^;(ちなみにこのケースは 100円ショップで売っていたもので、7セグ LED の高さと横幅が驚くほど見事にマッチするのだが、いかんせん見栄えが悪い。実に惜しい・・・。)


問題点:

 ・桁制御トランジスタを省略する関係上、LED に流せる電流は PIC のポート毎の許容最大電流から赤・緑とも 25mA MAX となる。 ところが NARG161 の絶対最大定格は、パルス駆動の場合 70mA MAX。したがって 25mA ではダイナミック点灯時の輝度がやや不足気味となる。室内使用では問題ないが、昼間の車内ではスモークのアクリル板などを通さないと視認できない場合がある(特に緑表示)。

 ・橙色表示時には LED に合計 50mA ほど流れる。したがって 12V 電源時、78L05 の熱損失は (12-5)V x 0.05A = 0.35W となり、かなり熱くなる。78L05 の最大許容損失は 25℃ 雰囲気中で 0.7W だが、高温になりがちな車載環境ではかなりリスキーな発熱状態と言えよう ^^;。実装面積が十分に確保できるなら 78M05 か 7805 を使ってしっかりと放熱した方が良い。


注意点、改良案など:

 桁制御トランジスタを外付けで用意し、電源ラインから LED に電流を流し込んでやれば、輝度不足と三端子レギュレーターの発熱は解決できる。ただ車載の場合は電圧が変動するので、LED の輝度が変わらないよう電流制限抵抗の代わりに CRD を使か、別途三端子レギュレーターで安定化する必要があるだろう。


管理人用メモ:

 NARG-105 に 9V から DTC123 〜 RN2205 で流し込む場合、電流制限抵抗は赤 150Ω、緑 100Ω で輝度十分。合計約90mA


PIC16F690:

 管理人は手持ちの都合で 16F687 を使用したが、16F690 にも HEX ファイルがそのまま使える。


おまけ:NARG161 の入手先

 秋葉原・鈴商で 2個 500円ナリ。


プログラム:

 改変自由だが商用利用厳禁


プログラム ( asm & HEX ) Ver 1.4 (2010/07/14)
3color-Voltage-Meter_v1.4.zip

謝辞:

 数値演算にはこちらのライブラリを使用させていただいております。開発者に御礼申し上げます。


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