宮崎駿監督次回作「千と千尋の神隠し」

miwa@naucon.org じょばんに/みわやすたか

 1999年12月13日、宮崎駿監督の劇場用アニメーション「千と千尋の神隠し」(仮題)の制作発表が行われた。スタジオジブリのWeb Pageによれば「両親を人間に戻すため、霊々(かみがみ)の世界へ迷い込む10歳の少女『千尋』。現代日本を舞台に、その修行と成長と友愛の物語を描く冒険ファンタジー」とあり、豚になった両親の前に立つ赤い装束をまとった女の子のラフスケッチが掲載されている。前作「もののけ姫」同様、日本を舞台とした冒険活劇のようであるが、主人公は10歳の少女ということで、純粋に子どもを対象とした作品となりそうである。
 宮崎駿と言えば、「もののけ姫」公開の時点で「もう監督としては作品はやらない」と引退とも取れる発言をしていたが、ここに来てあっさりと監督を引き受け、あまつさえ「もののけ姫 その2」的作品を作るとは...それほど「山田くん」の残した巨額の赤字が重荷となっているのだろうか。スタジオジブリとしては、早い時点で宮崎駿監督の次回作の発表をすることで体制を固め、背水の陣で臨むことにより「もののけ姫」バブルの再来を期待する向きもあるのだろう。
 果して時代は宮崎駿を待ってくれるのだろうか。願わくは、宮崎駿本来が持つ煩悩の限りを10歳の少女に爆発させることにより、初期の作品に見られた徹底した宮崎らしさを僕達の前に見せて欲しいものである。2001年夏公開予定。


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