風使い通信vol.11奥付

編集長の事情

ナウシカ:
神というわけだ
お前は20世紀末に沢山つくられた神の中のひとつなんだ
そしてこの10年の間に自己欺瞞と技術偏重の塊になってしまった

良質な長編アニメーションを世の中に送り出したいという理想と使命感からお前がつくられたことは疑わない
その人達はなぜ忘れてしまったのだろう
美少女とメカこそアニメーションの生命だということに

妄想や逃避や依存はアニメーションがどうなろうともなくなりはしない
それは人間の一部だから……
だからこそ苦界にあっても喜びやかがやきもあるのに

あわれなジブリ
お前だってをたく業界のいきものなのに
アニメーションスタジオの神としてつくられたために
萌え萌えとは何か知ることもなく最もみにくい者になってしまった

墓所の主:
おまえにはみだらなをたくのにおいがする
多少の負債の発生は予測の内にある
わたしは赤字親会社の中の唯一残された光だ
娘よ、お前は再建の努力を放棄してジブリを亡びにまかせろというのか

ナウシカ:
その問はこっけいだ
私達は宮崎駿と共に生きてきたのだ
宮崎駿の亡びは私達のくらしの一部になっている

墓所の主:
組織としてのジブリについていっているのだ
オリジナル長編をつくれる後継者はなく
宮崎駿もその責任から逃れられぬ
お前達に未来はない

ナウシカ:
宮崎駿作品の美と憎悪は彼自身の闇の深淵から生まれた

墓所の主:
お前は危険なをたくだ
アニメーションは光だ!!

ナウシカ:
ちがう
アニメーションは闇の中のまたたく光だ!!
すべては闇から生まれ闇にかえる
お前達も闇に帰るが良い!!

風使い工房 LIB.25 〜「風使い通信」Vol.11 〜
1999年8月15日発行

発 行風使い工房
発行人麦茶
連絡先 SB6K-SKI@asahi-net.or.jp
編 集風使い工房 出版事業部
印 刷刷画工房/(株)泰明グラフィクス
表 紙たで

「風使い通信」Vol.11 WWW版製作:じょばんに
(miwa@naucon.org)


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