入院


  


 6月19(火)
 入院。
 子どもは送り出した。荷物OK。
 人生の半ば過ぎに与えられた休息の時間と思い、ゆっくり休んでこよう。(たらいいな)。まな板の鯉になれるのって経験の一つと・・・・。
   ↑
 と、ここまでは昨晩のうちに書いた。しかし・・・。
 今朝は3時に目が覚めてしまって、のこりはうとうとできたかできないか。子どもを送り出した瞬間にすーっと力が抜けた感じで心が重く感じる。娘を駅まで送ってきたオットから車が家を離れた瞬間彼女が涙ぐんでいたと聞き、やはり辛い。もうしばらくはお馬鹿な親子の会話もできないし、話し相手にもなってあげられなくて、そんな日常のために入院するはずなのに、やはり・・・。覚悟はできていたはずだけれど、なかなかうまくいかないのが現実。

入院 (1日目)


6月19日


******** ここからは病院にて ********************


 朝、パソを起動してこの日の更新&メールチェック、ありがとう>励ましの言葉。昨日書いたままでアップできなくなるとは昨晩は思いも寄らなかったのだが。
 9時30分。とりあえず一回会社に顔を出しに出勤したオットが戻ってくる。まもなく出かける時間。愛用のノートパソコンをいつもおきっぱなしの座卓から、デスクトップの棚に移動。出発にはまだ早い。その間のオットと共に待つ時間の長いこと。妹にtel。車に乗ったときには、娘ではないが、ちょっぴり。

 
 入院手続きの前に病院内売店にて、T字帯やパットの購入。10時10分受付を済ませ病棟ナースステーションへ。
(予約の時は産婦人科病棟だったが別棟の泌尿器科・外科・産婦人科が一緒の階の病棟に変更になっていた。退院間際に聞いたところによると、産婦人科は出産の人とかもいるので婦人科(手術)の場合は原則としてこちらだということである。まず入った6人部屋は私が婦人科で外科の人が一人、あとは泌尿器科の人だった。ナースステーションの真向かいで見える聞こえる明るいという、最初に気づかなかったことにあとで否応もなく向かうことになるのだが、それはあとのこと。そういえば売店にも退院するまでよく通ったのだった )
 ナースステーションにて改めて入院の案内(規則なんか書いてある)をもらい、すぐに病室と思ったら、その前に身長と体重計測。昨日届いた春の検診時の計測の身長よりも3mm高く、体重は落ちていた(もっとも、前が前だから落ちたと入っても・・・)。検査以来食欲落ちていたから、やはり、かも。
 担当看護婦さんは夜勤ということで昼担当の看護婦さんから病室の説明など。オットが荷物の追加を駐車場に取りに行っている間に荷物整理。荷物の中身、タオル・バスタオル(忠告をいただき指定枚数にさらに追加)などの他に、パジャマ、ネグリジェ(手術後用こど)、Tシャツ・スパッツ・カッターシャツ(昼用)、モバイルギア、本の束に筆記具など。
 看護婦さんから入院時提出の予診票の補足質問、既往症はなど話しているうち、盲腸の手術は覚えていたがそういえば扁桃腺とるために入院したこともあったっけ、など古いことも思い出した。自分の病歴ってちゃんと管理しておいた方がいい、というか、子どもが成人したときに、既往歴一覧、予防接種などの記録も含めて作って渡すことを頭の片隅にメモ。
 先生からの説明が(手術が入っているので)2時過ぎということだったのでオット、再び会社へ。この病院選んだ一番の理由が家&オットの勤務先から近いということだったしその利点がさっそく発揮か、というか、忙しい中行ったり来たりで大変だろうけれど。その間、病院内探検、昼食。ご飯の量200gは多すぎ。『麺類禁止』の札が立っていて、この昼食普通の人はラーメンだったみたい。やはりラーメンは消化に悪いからかなあ、先週の土曜日の食べといてよかった。
 1時50分、オット、再び来院。看護婦さんに連絡するもまだ時間がかかりそう。ベッド際のパイプ椅子に座っているオットと向き合ってももう大事なことは繰り返しの話になるし何より椅子が座り心地悪そうで談話コーナーで休んでいてもらうことにした(疲れた顔していてトイレに行ったときにのぞいたらソファにもたれて寝ていたm(_・_)m)。検温2時半過ぎ、まだ先生は見えない 。結局3時過ぎ・・・。


 連絡があり、オットと二人で手術についての説明を聞く。
 大体前回はなしてありますように、と切り出されるも、オットにもよくわかるように、と、最初の組織診のクラス説明から円錐切除術について私にとっては再説明。途中でオットがいろいろ先生に質問、彼が自発的に聞いてくれる、そのことがありがたい。
 手術時間のこと、立ち会いのシステム、同意書のこと、合併症、予後のことなど。2日間はベッドでおとなしくしてること。寝てるために起こるエコノミー症候群などがあるかもなどなど。手術のあと立ち会いの保護者(オット)に切り取った部分を見て確認してもらうという話があり、先週の土曜日に「見せてもらったらデジカメで写真とれたらとっておいて」と、冗談交じりで頼んでおいたのだが、彼が先生に聞いて写真O.K.もらう。実際はカルテの写真見せてもらえるそうなのでそれでよいけど、はじめのころと比べるとここにきての彼の気持ちはうれし。
 例によって、この切除術で終わるかどうかは病理検査次第という話しかない。手術後の回復次第では、結果がでる前に退院の可能性もあり、その場合は外来で結果の説明とのこと、病理報告はでたときにオットと二人で聞くことになるのだ。もしかしたら今回だけで終わる? なんて考えてみてもいいかな。いや、ドラエモンではないけれど「できたらいいな、だったらいいな」程度に思っておこう。
 今回の手術のみで治療完了の場合の日常復帰のめどについての質問。退院後1週間で外来診察、たぶんそれでO.K.。再発の可能性? 無いとは言えないので継続検査の必要性有り。
 麻酔前後含めて1時間くらいといとも簡単に(まあ、医者にとってはそうだろうなあ)いうので、病室の戻ったオットの顔(もしかして入院期間短いかもね)と、ちょっと明るい。
 説明もほぼ終わったときに組織診の時に他の先生に説明するので聞こえてきた時の(「白い部分←これはわかる」)わからなかった「モザイク」について尋ねる。モザイク:細胞が白く一つ一つみえて、その間に赤い血管が見えるような状態・・・と、赤のボールペンも加えて簡単な図と共に説明してもらう。5月28日以来の疑問が解けてすっきりした。保険書類のことなども少し聞くが手元に保険会社の書類内のではっきりせずそれは後日。しかし、「癌細胞の疑いがあります」といいながら「奥さんの場合は細胞癌と言っていいでしょう」って、うっかりしてたら聞き逃すくらい真綿にくるんだ言い方、ソフィティケイトされた話し方というのはさすが職業というか・・・・。
 みっちり話を聞いて30分強のインフォームドコンセント。


 病室に戻り抗生物質のアレルギー検査、異常なし。引き続き看護婦さんから手術の流れについての説明、必要品・前日の処理・当日の流れなど。前日夜の睡眠剤は助かる感じ。
 ひと流れ終了、5時近くに外来にだけあるグレ電にてモバギ挑戦。といってもパソ通ソフトでメール他をオールで落とすだけなのだけれど。長時間バッテリーともどもこのために購入したとはいえ、充電は自宅でするしかないからなるべく消費電力を減らすソフトしか使えない。病室内は原則禁止なのでロビーで読み書き。幸せな気分。モバギは特に子どもとのメールやりとりにその後ずいぶん役立った。実際は片側通行であり毎日アクセスしていたわけではないけれど遮断されていないという気持が病床での支えとなったのだった。
 夜勤の看護婦さんに代わりMさんより挨拶。担当責任者ということでその後ずいぶんお世話になった。
 夕食6時、8時を過ぎると静かな病院内。10時の消灯直前に家にtel。3人とおしゃべり。 さあ消灯。しかしベッドの対角線上にナースステション。病室内の明かりが消えていてもベッドで本が読めるくらい明るい。何とか11時過ぎに寝付く。


 6月20(水)
2日目
前日準備
 午前中に婦長さんが「入院診療計画書」をもって見える。ということは昨日はお休みだったのだろうな。推定入院期間約1週間とあり、これは手術の日からですかと聞くと、入院日より・・と。ということは、少なくとも結果はどうあれ退院は思ったより早いかも。 5時に目が覚めたが6時になってからうとうと。同室の方と少し話す。受診科がそれぞれ違うので話題になるのは住まいのこととか天気のことなど。本を手に取るもなかなか集中できず眠くなるがここで寝たら昼夜逆転が怖いとロビーへ移動。不思議とここなら頭もさえる。
 子どもからのメール読んで返事など。


 午後、外来にて内診検査。「明日の手術の前に」ということだがいつになっても慣れないものだ。病棟にて剃毛&入浴。メスを入れるときにじゃまにならないようにという剃毛、出産以来。冷たいですよといいながら塗られたクリーム、予想以上に冷たい。ヒヤリヒヤリ。ていねいにていねいにとカミソリを感じながら眠くなって終わるころにはぼーっとしていた。いつの間にか30分もかかっていたのだ。ともかく入院以来とろとろうとうとが多い。いくら寝ても寝たりないくらい睡眠が少なかったのは確かだけれど・・・。太ももは入浴時に自分で剃る。
 夕食時に帰宅帰りの子どもとオット思いがけず現れる。手術前にあえると思わなかったので思いがけないプレゼント。学校のことなど話しているところへ麻酔の先生が見えて病室へ移動、3人は家へ。
 麻酔医との話。
 全身麻酔と部分麻酔どちらでも選べるからお好きな方をよく考えてください、との言葉。昨日の主治医の説明からは全身麻酔と思っていて、それを聞いたときは(経験を意識できないなんて嫌だな)なんてちらっと思っていたのに、いざ自分で決めるとなると・・・・。
 両方のリスクの説明があって、まな板の鯉は終わったら済んでいることを選択。軟弱な私(^^;)。何をどうされるかの状況よりも、それに対して自分がどう感じているかの方が大事だから手術の状況はわからなくていいや、なんて逃げたのだ。
 21時以降の飲食禁止。下剤も睡眠薬も飲んだし本の感想もまとめたしちょっと早いけれどそろそろ寝ようかな、なんて思っていた21時30分。「ちょっといいですか」と、主治医の先生。「明日の手術によっては再手術という話はしてあると思いますが、どうなさいますか。そのまま入院続けられますか、それとも? 夏休みを待ってという人が多いのでこの時期はわりとすいていて手術を待たせることはないと思いますが・・・・」
 おいおい、こんな話はオットと昨日説明受けたときにいって欲しかったぞ、と思ったけれど〜。
「外泊という形でいったん家に帰るのは?」「大丈夫です」
「夏休みまで待つと悪くなるものでしょうか」の問いには、そこまで急激に悪化するものではない、あくまで病理検査次第、外泊でも1週間あけてからという形でもいいからよく相談して決めて下さい、と。
 とりあえず明日オットに話して考えておいてもらうしかない。待っている間辛いだろうなあ。
主治医「よくお休み下さい」 私「よろしくお願いします」
 睡眠薬飲んでいるし、うーん、薬は日ごろ飲まないからきっと効くだろう・・・・。



もどる

すすむ