評価感想
最近未成年の加害者の人権を言い過ぎるあまり、被害者がないがしろにされ、知る権利さえも奪われているという世論が沸きあがっている。
わたしも、それには同感である。
人を殺してなんの処罰もなければ、反省や、罪の大きさを知ることなどありえない。(少年院は犯した罪に対する処罰ではなく、更正のための教育を行うだけ)
今回の少年法の改正についても一部の弁護士や人権屋は「厳罰化は少年犯罪の防止にはならず、少年法の精神に反する」といっているが、とんでもない間違いである。
まず、厳罰化ではない。今まではまったく無バツであったのを殺人などの重罪については必要な罰を与えようというのである。
それでは、無パツのままでよいのか。とんでもない。わたしなら(ほとんどの人がそうだと思うが)我が子が罪を犯したならば、必ず必要な償いをさせて反省させ、二度と罪を犯さないようにする。
次に、少年犯罪の抑止につながらないという意見であるが、これこそ、論理をすりかえたいんちきである。
少年犯罪を抑止するために罰するのではない。
その少年が殺人などの重罪を犯したから罰するのだ。
少年犯罪の防止策は別に考えるべきものなのだ。
この作品はこれらの問題を鋭く問いかけている。
作品としての構成はやや難があるが(推理小説としても)この時期ならばこその意欲作、問題作で大いに読まれてよいと思う。
しかし、中学生に読ませるとなると、うーん、ちょっと迷うところ。

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