漂着マメってなに?
●漂着マメのふるさと
美大島の海岸で見つかる漂着マメの多くは黒潮という海の流れに乗って旅をしてきます。
黒潮はフィリピン沖の赤道付近から台湾、沖縄、奄美近海を通って、日本南側を流れ千葉県沖を東に流れます。その後、一部は小笠原近海を通って再び南下するようです。
日本には自生していない漂着マメ、そのふるさとは黒潮の通り道である東南アジア諸国が多いのではないかと思います。
でも、もしかしたらハワイやアメリカ大陸の方から長い旅をしてきたものも含まれているかもしれません。
何しろ、世界中の海はつながっていますから。。
 
美大島の海岸でみつかる漂着マメ。
そもそも漂着マメってなんなんだ??
海を越えて長い旅をしてきた不思議なマメを紹介します。
●海岸の漂着物
台風の後や冬の北西風が吹いた後に奄美大島の海岸を歩くと、たくさんの漂着物が打ち寄せられています。
流木や浮子(うき)などの漁具、外国語表記のゴミ、貝やクラゲなどの動物、、、
そして日本には自生しない、ヤシの実のような、熱帯の国々からはるばる流れ着いた種子も見つかります。
 
●海を旅する 海流散布種子
植物の種子には水に浮くものがあります。
そのような種子の中には川を流れ、海流に乗り、長い距離を旅して、遠く離れた海岸にたどり着くものもあります。運が良ければそこで芽を出し、葉を広げ、花を咲かせて新たな種子を作ります。。
このような、植物の分布を広げるために海をただよう種子は「海流散布種子」と呼ばれます。
外国では”sea bean”と呼ばれ、日本では「海豆」とも呼ばれています。
海岸でみつかる海流散布種子の中でも種類が多いのが、マメ科の種子「漂着マメ」なのです。
 
●軽くて丈夫 漂着マメ
岸で見つかる漂着マメは海流散布種子に含まれます。
もちろん、すべての種類のマメの仲間が水に浮いて、海を漂流できるわけではありません。
長い旅をするにはまず水に浮かぶこと、そして水を通さない丈夫な皮を持つことが必要です。
マメの仲間(マメ科の植物)は世界中に約18,000種もあると言われていますが、奄美大島の海岸で見つかる漂着マメは30種類くらいです。