Last Update '10.10.11
携行MSLランチャー型 BORG100ED
BORG100ED(AF仕様) + STグリップ(+MC−22) + スポットファインダー
 超望遠レンズであるBORG100ED(AF仕様)は、そのサイズや重量から三脚(又は一脚)使用が前提ですが、動きが制限される為に飛翔体を撮るのには若干の難がありました。 そこで本構成では三脚を使用せずに肩に担いで撮影できるようにしてみました。これにより、三脚の設置場所に縛られず機動力がUPするとともに、三脚撮影の苦手な高仰角(特に真上近く)での撮影に対応できるようになります。
(撮影上、画像では三脚に載せていますが実際には肩に担ぎます)

 形・使用スタイルは遠目にスティンガー携行ミサイルランチャーやRPG-7ロケット砲みたいなので、怪しさ・注目度ともに満点です。さらに白い鏡筒を迷彩柄などのミリタリー系にしたら完璧です。人には警戒されるでしょうが鳥さん達にはむしろ逆なので現実的、実際のところ何れはそうするでしょう。

 追加したパーツは2つ、シャッターを切るための遠隔レリーズ付きグリップと照準器。鏡筒を這っているケーブルはレリーズ信号をグリップ部からカメラ本体に延長する為で、ちょっと見苦しいのが難点。又、無駄に長いので中程でコイル状に巻いてバンドで縛っています。
 ちなみに、カメラのファインダーはアイピースシャッター等で遮光しないと、逆入射光によりAEが乱されて露出異常になる場合が有り、忘れがちですが要注意です。

 この構成を組み上げる一番のポイントになったのはグリップ部。元々、携行型にするアイデアは持っていたのですが、ニコン純正の遠隔レリーズ(=MC-30)では同じ握るにしてもシャッターは親指で押す仕組みで、銃器のように人差し指で操作するにはグリップを含めた大きな改造(ほぼフル・スクラッチ)が必要で躊躇してました。
 ところが、ふと少し前に見たネットの製品記事を思い出して調べたところ、銃器のトリガーのようなレリーズが付いたグリップで、まんま使えるので小躍りして作り始めた次第です。
 このグリップでは半押しによるAF作動ONと全押しによるシャッターONが可能で、ほぼ制限無く使えます。ただ、半押しと全押しの区別が付き辛いので、耳でAF作動音を確認する必要がありますが、TC-16AS(=AF化装置)は作動音が比較的大きいのと撮影時の頭部の位置がカメラ側に近いので、野外でもほぼ問題なく聞こえるでしょう。

 問題は照準、つまりファインダーを覗けないのにどうやって被写体を捉えるかですが、グリップ部の上方に付けた照準器で合わせることになります。本来これはフィールドスコープなどの単眼鏡のオプション品で、倍率の比較的高い(視野の狭い)フィールドスコープで目標を迅速に捕らえるための補助をします。
 本構成でもBORGの光軸と照準器のセンターマーカー(サイト)を合わせておき、撮影では照準器のセンターマーカーに目標を捕らえながらレリーズを操作します。
 ただ、この光軸とセンターマーカーを合わせる調整は非常にデリケートさが要求され、ちょっと触れたりしてもズレるので、撮影現場での調整を想定する必要があり、それ以外には不要な三脚を携行しなければならないのは何ともし難いです。
 ちなみにセンターマーカーはLEDによる赤い光点で、照準器前面のガラスに浮き出て見えます。

 もう一つ難点として、この構成に限らないTC-16ASにまつわる制限ですが、こいつはフルレンジのAF(=オートフォーカス)ではないということです。ある程度のレンジ幅を持ったパーシャルAFとも言えるしろもので、そのレンジ幅に入らないとAFは制限されピントが合いません。目標までの距離、それもシャッターを切る瞬間の目標の距離(位置)付近でAFが作動するようにBORGの焦点距離の調整をしなければならないので、事前に構図を考え距離を把握しておかなければならないのです。調整自体は回転ヘリコイドを操作するだけですが、距離目盛を彫ってあるわけでも無いのと、目測で距離を測るのは十メートルを超えると難しくなってくるので、何らかの方法を考えないと撮影場所が一定でない場合、その都度焦点距離の検討・調整が必要になり、煩わしいです。

 全体的に、ケーブルの処理や照準器の調整,鏡筒のカムフラージュ,パーシャルAFなど、課題は多く未完成ですが、アイデアはあるので少しずつ対応して行こうと検討中です。


 なお、自分でも作ってみたい方は、お問い合わせ頂ければもう少し詳細なことも公開できるかもです。とはいえ、特に自作のパーツがあるわけでもないので、聞くまでも無いでしょうが。


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