大段智亮の本


     はじめに

大段よし子

<前略>
 大阪市の外郭団体である財団法人大阪都市協会から『大阪人』という月刊誌が出版されております。小さな雑誌ですが、中身の濃いものであったと思います。主人も昭和57年から3年半の間、『生活のなかの人間学』と題して書かせていただいておりました。
<中略>
 その頃の主人は身体がずいぶん悪く、経済的にも大変でした。なにしろこの連載を始める前年には十年ぶりの喀血。この先どうなることかと思った六ヶ月におよぶ入院生活から、ようやく我家にもどってきたところだったのです。退院してからも、毎日が病気との闘いでした。そんななかで、毎月の原稿を書くのはとてもしんどそうでした。しかし書くことによって新たな力を得るようにと、苦しさを逆手にとった論法でがんばっておりました。
 私はこの雑誌が届くのが楽しみでした。主人の書いているものはまさに“生活のなかの人間学”でした。しゃちこばった“学”ではなく、当時誰もが知っている話題や自分の体験を通して、“生”の人間学をおもしろく読ませてくれたと思います。
 この度サンルート社より、その『生活のなかの人間学』を、このまま埋もれさせてしまうのは惜しいから、一冊の本にして発刊したいというお話をいただきました。月刊の時からの愛読者の一人として、とても嬉しく思いました。
 出版に際しましては、いつものことながら海山徹社長にずいぶんとご尽力いただきました。感謝の気持ちで一杯でございます。  この本が多くの方々に読まれ、何らかのお役に立つことがあればと、心から願っております。



  もくじ    V 教育のなかの人間学
       16 真の役割を忘れた親
       17 「育てる」ことなき教育の罪
T 「人間関係病」の時代     18 構内暴力の生れる土壌
  1 三世代同居の老人の自殺     19 少年非行の嵐のなかで
  2 なぜ起こる「立派な」家庭の悲劇     20 教育危機を乗り越えるために
  3 職場での下意上達の重要性     21 教育における「厳しさ」とは
  4 「人間関係病」の時代     22 教育における「管理」と「厳しさ」
  5 「健全な」人間関係     23 四十五年前の「登校拒否」
U 医療・福祉のなかの人間学     24 教育の基礎に必要なもの
  6 医療と病気の難しさ     25 浅間山遭難°L−私の教師体験−
  7 病気を背負って生きるとき    W 「学校革命」を考える
  8 病気のなかの人間     26 「学校革命」を考える
  9 運命と死への不安     27 シュタイナー学校について
  10 家族が重病になったとき     28 オープンスクール£r田小学校
  11 看護の心     29 アメリカのオープンクラス
  12 看護婦さんの人間学学習会     30 フリースクールについて
  13 ある保健婦さんの体験     31 「脱学校」の胎動
  14 重度障害児K子ちゃんの就学    X 結び
  15 療養所で身につけた絵画療法     32 「しあわせ」について

大段智亮の本に関するお問い合わせは 木下救子 BYQ10124@niftyserve.or.jp まで

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