2 当事者の参加と発言権を保障する制度がない
(1) 教育行政における、民意反映制度の不在
  現在、日本の公立学校の教育行政および学校内の役職は、すべて上位者からの任命制になっている。選挙による役職はどこにもない。文科省を頂点とする上意下達の巨大な組織がある。方針を決定する人間と現場との距離が大きく、実状を把握、問題に対する対応能力に問題がある。教育を受ける側の不満、問題提起、提言などに対する教育行政側の対応は、恣意的である。 
 現在の教育委員会の職務規程には、被教育者の意見を反映させることは入っていない。(地方教育行政法第23条)
 自治体は、教育と一般行政の分離の原則に従い、教育を指揮する権限がない。
 地方議会は、教育が細部まで国法で規定されているため、条例を作れない。教育を規定している主な国法は、「学校教育法」と「地方教育行政法」である。
 国会による国法変更は、国単位での多数派形成が必要であり、一般の人たちには利用不可能な道である。
 私学にも、教育内容に公立校と同じ基準が課せられていて、公立校を補完する機能が十分ではない。


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