5 障害児教育 
  ろう教育で、教育方法の硬直が、困っている人たちを生み出している。 
 ろう教育で、教育方法の硬直が、困っている人たちを生み出している。
 ろう教育において、長らく、聾児が話者の口の動きを読みとる口話法教育がろう学校によって指導されていた。ろう児は、音声を聞いて日本語を習得することは困難であるのにもかかわらず、補聴器を装用し、音声を聞いて理解する訓練をされるので、教科学習についていくことに多くの困難が生じていた。
 欧米では、ろう児にまずろう児の母語である手話で教え、後に第2言語として母国語の読み書きをを教える教育法がスウェーデンで開発された。これは、大きな成果を上げ、世界的に広まっている。
 日本でも手話で教育を受けたいとする人たちがいるが、ろう学校が口話法を指導しているため、実現できない。また文部科学省はその指導について何らの評価をしていない。
 教育は、教師と子どもの関係から生まれるものである。しかしながら、ろう教育では児童生徒の話を理解できず、満足に会話できない教師、専門家がほとんどである。
 教育とは、児童生徒の自発的意思によって成り立つものである。
 現在、多くのろう児とその保護者がろう教育の改革を訴えている。
 今後、どの教育分野においても、新たな教育法が開発されるであろう。それを、柔軟に試し、取り入れることができる制度が必要である。
 なお、ろう教育に別の教育法が取り入れられなかったことは、法令による規制ではない。
 ・ろう学校現場の指導を文科省が、把握、評価していないこと。
 ・諸外国の前例についてなど、手話での教育の成果に対する研究がなされていない
こと。
 ・学校と教育行政が、親の声・現場の声を反映する機構を欠いていること。が原因である。親の側からの要求、提言がはっきりした形になれなかったものである。
 文科省の指導が不可侵のものとされて、誰も評価せず、教育を硬直させる傾向は随所にある。被教育者側の意見表明権、参加権を制度化すべきである。
 
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