3 社会的階層分化を防ぐ見通しを
 補助金あるいはバウチャーにより、教育の機会均等を維持せよ。 
 教育の新規参入を容易にした場合、経済格差によって教育の機会均等が崩れることが懸念される。公立義務教育学校を無償とし、それ以外の義務教育機関を被教育者側の自己負担とした場合、金持ちだけが望む教育を受けられることになる。これは、数十年後に、日本を貧富の差の大きい階層社会にする危険がある。
 補助金、あるいはバウチャーにより、義務教育の無償を保障する必要がある。
 義務教育観を、「国が運営する学校で学ぶ義務」から、「親が、望む教育を選択して教育義務を果たすこと」へと転換すべきである。
 高校以降の教育においても、経済格差が教育の機会均等を妨げないようにすることは重要である。補助金、バウチャー、奨学金の充実、寄付金の税控除などが考えられる。
 これには、多額の費用を必要とするが、社会における教育の重要性から、国民的合意を形成して、教育無償へと向かうことは可能である。少なくとも、教育制度を分権化すれば、保護者あるいは本人の経済負担を最小限にする地方が現れることは、実現可能性が高い。
 教育の自由を保持しつつ、教育において経済格差が問題にならないように努力する国は多く存在する。幼稚園から大学まですべて無償とするデンマークのような国も存在する。


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