(3)行政審査の適用除外
行政不服審査法第4条8項は、「学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対して行われる処分」に対する審査請求、異議申し立てを適用除外している。行政手続法第3条にも、同様の適用除外が規定してある。
学校において教育の目的を達成するために生徒に対して行われる処分は、事実誤認や非常識なやりすぎが起こって大問題が生じやすいところである。不服審査の道を閉ざすことは危険である。また、この「教育の目的を達成するために行われる処分」が、広く解釈されるなら、学校生活における指導のほとんどを含むことがあり得る。
学校教育法第85条の2は、学校教育法施行令第22条の2と組み合わせて、小中学校の入学期日と学校の指定、盲学校・聾学校・養護学校の学校指定を、行政手続法から除外している。学校指定は、教育委員会側と保護者側の意見対立がひんぱんに生じるところである。このような領域こそ、意見対立した場合のルール化や、第3者調停機関などが必要なところである。
行政手続法の適用除外は、学校と教育行政側に一方的に有利である。
もくじに戻る