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1.主攻勢軸の検討 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
まず最初に決めておかねばならないのは、主攻勢軸をどこにするか、という問題です。北方、中央、南方の各軍集団が、バルバロッサ作戦のすべての攻略目標を取れることは、独軍の補給能力から見ても、よほどソ連軍プレイヤーがヘボでない限りあり得ないでしょう。 私は過去のプレイテストから以下の2案のどちらかが有力と思います。 (A) レニングラード・モスクワ方面を主攻勢軸とする (B) ハリコフからスターリングラード方面を主攻勢軸とする それぞれについての、長所と短所を調べてみましょう。 (A) レニングラード・モスクワ方面を主攻勢軸とする案
(B) ハリコフからスターリングラード方面を主攻勢軸とする
A案、B案のどちらにも長所と短所があり、決定版はありません。また、どちらにしても決して独軍が楽勝できるわけではなく、非常に厳しい戦いを強いられることは確実です。 しかし、やはり独ソ戦をプレイするからには、『モスクワ』、というのは心情的に魅力ある目標でしょう。そこで、A案を徹底的に掘り下げていきたいと思います。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
2.主たる補給線路の選定 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
独ソ戦を決する最大の要因は、戦車でも航空機でもなく、天候と補給です。補給線路をいきあたりばったりに設定するのは命取りであり、戦略目標として、モスクワへの補給ルートを決めておくことが重要です。 補給路を設定するには鉄道工兵による標準軌へのゲージ変換が必要です。バルト3国は標準軌でゲージ変換の必要がありません。したがって、標準軌へゲージ変換を行う必要がある1939年のソ連邦内の広軌部分を、いかに少なく見積もれるかが重要となります。以下の3つは、ルートと広軌部分のHex数を示しています。 a) Miksk北西の3512Hex〜Minsk〜Orsha〜Smolensk~Vyazma〜Moskva(計30Hex) b) 2309Hex〜Velikie Luki〜Rzhev〜Moskva(計29Hex) c) 3008Hex〜Polotsk〜Vitevsk〜Smolensk~Vyazma〜Moskva(計29Hex) a)案は一番オーソドックスなルートでしょう。ほぼ史実通りのルートです。 b)案はもし、Riga〜Velikie Lukiが標準軌のままであったなら、非常に魅力的なルートです。しかし、いかんせんRigaから1939ソ連邦国境まではすでに広軌となっているので、その分のロスがあり、結局a)案と大差なくなっています。さらにやや北に寄りすぎなきらいもあります。 私のお薦めはc)案です。a)案はMinskが陥落しないと、鉄道工兵は時間待ちとなる可能性が高くなります。ソ連軍が採る有効な戦術として、主要都市に大兵力をスタックさせて、死守戦術をとり、独軍の進撃速度を遅らせる、というものがあります。 したがって、Minskが完全に手薄な状態なら良いのですが、有能なソ連軍プレイヤーが相手ならば、確実に2ターン程度は陥落させるのに時間がかかると思われます。また、プリピャチ湿地帯からのゲリラ的攻撃に補給線路が狙われていては、安心して攻勢をとることができません。 c)案は、通常のルートよりもHex数が1ヘクス減っており、さらに、主要都市を経由せずにモスクワへの補給路を確保できること、プリピャチからのゲリラ的攻撃からは遠いことなどの利点があります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
3.鉄道工兵の配分の検討 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
鉄道工兵は初期状態では、
しかし、このように南方軍集団に3個連隊を配備していたのでは、確実にモスクワへの道は遠くなります。しかも、南方よりも確実に1ターン、泥濘が早くやってくるのですから。 モスクワを目標とする際の鉄道工兵の配分は
中央軍集団4個連隊がまったく重複なくゲージ変換を行ったとすると、天候が晴天の場合、突貫工事のMP消費が1、平地や道路の移動消費MPが1なので1組の工兵ペアの突貫工事で1ターン当たり3Hex変換可能、これを4組効率よく作業した場合、理論上の最速では、 29Hex÷12Hex(3×4グループ突貫工事)=約3ターン となります。天候が泥濘時の場合、突貫工事のMP消費が2、平地や道路の移動消費MPが2なので1組の工兵ペアの突貫工事で1ターンに1.5Hex、これを4組効率よく作業した場合、理論上の最速では、 29Hex÷6Hex(1.5×4グループ突貫工事)=約5ターン となります。しかし、4グループが同時に重複なくゲージ変換できるように進撃できることはあり得ないでしょう。 7月Iターン〜9月IIターンの6ターンで、1組の工兵ペアで、理論上18Hexを変換できますから、Vyazmaまでもう少しというところです。9月IIターンでVyazmaまで変換、これを目標にしましょう。 正直に言って、もし9月IIターンにダイスで6の目が出て泥濘になったら、即投了してゲーム終了させた方がいいです。それ以上やっても無駄です。できるなら、10月Iターンで2分の1の確率(厳密にはもう少し悪いですが)で好天を期待しましょう。S.E.ではF.i.t.E.の3分の1の確率から変更されているのも心強いです。 それでは、各戦域における戦術を掘り下げてみましょう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
4.北極圏&フィンランド戦域 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
レニングラード攻略(とそれに伴うフィンランド軍の自由度の向上)のためと、北から来るレンドリース阻止のため(ルール35)に、この戦域での戦闘は非常に重要となります。
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5.北方軍集団&中央軍集団北部 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
北方軍集団には、1個装甲集団と2個軍が配置されています。問題は主力の第4装甲集団の目標設定でしょう。モスクワへの補給路の確保のために、第3装甲集団と共同で、KaunasとWilno奪取を最初の目標とすることが1つ。もう1つは、Rigaを電撃的に攻撃して奪取することでしょう。特別ルールで6月IIターン中ならRigaも中都市扱いなので、速攻できれば申し分ありません。一般にドイツ軍プレイヤーは装甲部隊の損害を恐れて高オッズの攻撃をしがちですが、RigaはEXだろうがHXだろうが何が何でも速攻で取る!という気概を持って攻撃しましょう。 補給路については、KaunasやWilno方面は鉄道線路で補給路が確保できるので良いのですが、Rigaへの攻勢の場合、直線的な補給路が無く、Kaunas〜Siauliai〜Rigaルートと、Memel〜Siauliai〜Rigaルートというどちらも遠回りなルートを採らざるを得ません。 どのみちKaunasは奪取しなければ話にならないので、Kaunas〜Siauliai〜RigaルートでRiga攻略を行うことになるでしょう。その場合、Rigaにたどり着いた時には、Kaunas〜Siauliai〜Rigaルートのすべてを確保できていない可能性が高く、そのため補給切れになっているので、トラックによる緊急補給で攻撃することになるでしょう。 中央軍集団のうち、第3装甲集団と第9軍は最も東に突出した地区に配置されています。これを最大限に有効利用しない手はありません。基本的には、第4装甲集団と共同でKaunasとWilnoを包囲し奪取するのが最初の目標でしょう。もう1つ、南へ南下して第4軍の正面にいるソ連軍を包囲殲滅したい欲求に駆られます。たしかに包囲殲滅は効果的ですが、装甲集団の指命はとにかく前進し支配地域を確保していくことです。目先の敵よりも、広大なソ連の大地をとにかく早く奪取する方が重要となります。ソ連軍の殲滅役は第9軍と第4軍にまかせて、一路東へ、Polotsk〜Vitebsk〜Smolenskを目指しましょう。泥濘地獄が来る前に出来る限り東へ!! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
6.中央軍集団南部&南方軍集団 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
中央軍集団に属するもう1つの装甲集団である第2装甲集団は、通常であれば、目の前にあるBrzesc nad Bugiem要塞(ブレスト要塞)を落とす役割を持っています。 が、私はここで、史実とは異なる戦略をお薦めします。それは、装甲部隊は配置範囲内でできるかぎり北(4025Hexおよび、以西)に配置して、Bialystokへ向かわせ、その後Bararowicze〜Minskもしくは、Wilno〜Minsk方面攻略に使用し、史実にあるようなブレスト要塞〜Bararowicze〜Minskのルートは使用しないこととします。 さらに、ブレスト要塞は奇襲ターンや6月IIターンでは攻撃せずに包囲し、7月IIターンに防御力が半減してから、おもむろに攻略するのです。 これは、ソ連軍プレイヤーの常套手段である要塞や主要都市に強力なユニットをスタックさせて死守命令を出し、独軍の進撃を遅らせる、または多大な出血を伴わせる作戦を避けるための方法です。もっと言えば、プリピャチ湿地帯に好んで進撃するのではなく、ここは包囲してゆっくり歩兵でシラミつぶしを行うのです。私の過去のプレイテストでは、ブレスト要塞を6月IIターン中(奇襲ターンも含めて)に落とすことは容易ではないことがわかっています。これは攻城砲や砲兵が少なすぎるためです。戦闘力をわざわざ半減させてまでブレスト要塞を攻撃するよりも、通常の攻撃力でその周辺を攻撃して、包囲してから料理する方が、戦力を有効利用できると思います。 さらに、第1装甲集団のうちの、10-10装甲師団×2と9-10WikingSS自動車化師団くらいを北上させて中央軍集団に編入させて、がむしゃらにモスクワを目指します。ただでさえ戦力の少ない南方軍集団から装甲兵力を抜いてしまっては、キエフ占領もおぼつかないかもしれませんが、とにかくモスクワを最重要目標とする以上、徹底した中央軍集団重視の戦略を採ります。必要ならトラックも1個、中央軍集団に回します。 幸いLwowは特別ルールで6月IIターンは中都市扱いなので、速攻で攻略できるでしょう。過去のソロプレイや対戦でも、何度もLwowでは、NEのダイスの恐怖を味わっています。ソ連軍のLwow立て籠もり戦略はもはや使えないので何とか進撃できるものと思います。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
7.ルーマニア国境方面 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
ルーマニア国境は最初の奇襲ターンも無く、また戦力もルーマニア軍主体なので、きちんと目標を絞り戦力の集中を図る必要があります。 奇襲ターンが無いので、6月IIターンは国境沿いの河川越えの攻撃となります。 主攻勢軸はIasi〜Chisinau〜Odessaです。攻撃の主力は独第11軍ですが、ルールにより、第11軍のエリアに配置できるルーマニア軍兵力は第3軍、第4軍それぞれで5REまでとなっています。第11軍には装甲兵力が無いので、ルーマニア第3軍にある唯一の装甲兵力である7-8装甲師団を第11軍の配置領域に配置します。 7-8装甲師団×1、2-1-10突撃砲×1、1-10自動車化対戦車砲×1、1-2-8自動車化砲兵×1、2-10自動車化重対空砲×1、1-10自動車化重対空砲×1で、攻撃力14、AECA+3の装甲部隊を編成します。 ▼ルーマニア第3軍から
▼ルーマニア第4軍から
河川越えの攻撃を考慮して砲兵の協力が必要です。 ルーマニア第3軍は、北からのソ連軍の圧力の防壁となります。第4軍は、黒海方面からのソ連軍の圧力の防壁となりつつ、Chisinau攻撃を側面から支援します。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
8.その他細かい戦術について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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