第78話 浦島花子と読書の秋

ながわWebコンテストで子連れで楽しめる公園紹介ページが佳作になりました。佳作なのでとくに賞の授与などはないのですが、奮闘記のネタ探しに大賞・特別賞の授賞式と基調講演にでかけてきました。会場は横浜駅近くの岩崎学園という情報処理専門学校の会議室です。ここは新しいビルの中に新しいパソコンがかっこいいオフィス家具の中で平然と並んでします。こんなところには久しぶりに来たのできょろきょろしてしまいました。

このコンテストの主催者は「かながわマルチメディア産業推進協議会」という、神奈川県内の企業のマルチメディア産業を推進するための団体です。授賞式の参加者は中小企業の経営者や岩崎学園の生徒さんが多かったようです。ママのような中年のおばさんも一人いましたが、彼女はオンラインショッピングのサイトの立ち上げを計画していると言ってました(おばさん同士はすぐ仲良くなる)。

大賞、各部門賞の受賞者の話は日々ホームページに関わってる人の苦労や喜びが感じられてママも共感する事が多かったです。今回のコンテストには300以上のサイトから応募があり、その中の佳作14点に残れただけでも大満足です。

OHP 基調講演でママは初めて「PowerPoint」によるプレゼンテーションを見て浦島花子状態でした。もうOHPは過去の物なのね。ママが学生の頃はOHPフィルムに直接サインペンで手書きでした。会社に入ってからはワープロ原稿からコピーでOHPフィルムを作り感動したものです。色はカラーセロハンを貼ったり、カラーサインペンで色づけしてました。ママの経験はここで途切れてます。同居人に聞くと、最近はPowerPoint原稿をカラープリンタでOHPフィルムに印刷したり、直接プロジェクタで表示するのが普通だそうです。

「企業サイトの構築のポイント」の題で行われたインターネット作成会社の話は魅力あるホームページ作りのポイントがインターネットの普及と共に変化しているという話題でした。ハートのあるサイトはやはり人を引きつけるとの結論が印象に残りました。ママもインターネットを使って息子達が、このページを読んで「母親は子育てをしながらこんな事を考えていたのか」と思う日のことを心がけて書いてます。

次のNTTメディアスコープの方の話はインターネットを巡る通信環境の進化についてのでした。前回の奮闘記で話題にした常時接続に近いサービス(ISDNかけ放題)をNTTが月額8,000円で提供すると知りました。インターネット環境が急激に変化していることが感じられた一日でした。

書の秋にちなみ、最近読んで面白かった本を何冊か紹介します。大体、雑誌の書評や新聞広告等で見て興味を持ち図書館にリクエストした本か、図書館の新刊コーナーから面白そうな題名の本を探しています。パソコンや科学技術関係の本は発行からなるべく一年未満の本を選んでます。その手の本はあっという間に情報が古くなっていますね。

こうやって改めて並べてみると、脈絡無く、読みやすい本ばかり読んでいるようで恥ずかしい。一度は「カラマーゾフの兄弟」でもじっくり読んでみたいです。

最初の堀内三香さんの夫すごろく(豊文社)は流行の育児マンガですが、旦那様の職業がコンピュータグラフィックデザイナーでマックからウィンに乗り換える話など身につまされて笑えます。旦那様の凝り性ぶりが家の同居人にもダブります。堀内三香さんのご主人:高木俊光さんのホームページも面白いです 高木俊光さんのページ

アーミッシュの食卓(丸善ブックス)は文明社会から距離を置いた生活を続けるアーミッシュの生活に共感した著者:菅原千代志さんの案内で紹介される。アーミッシュの食生活やキルトはママが昔から大好きな「赤毛のアン」の世界を彷彿されて興味深い。現在に活きるアーミッシュの生活を守るアメリカ社会の懐の深さや日本人とは違った宗教観が感じられた。

宇宙で暮らす時代ための69の基礎知識(大和書房)はトンデモ本の一種か思ったのですが、作者の的川泰宣さんはれっきとした文部省宇宙科学研究所教授です。解りやすく宇宙の謎を解説しています。中高生になったら息子達に読ませて、宇宙飛行士への道を目指すきっかけとなって欲しい本です。

夫すごろく アーミッシュの食卓 宇宙で暮らすための69の常識 理科系の脳みそ 恋する寄生虫
夫すごろく アーミッシュの食卓 宇宙で暮らす時代のための69の基礎知識 理科系の脳みそ 恋する寄生虫
堀内三佳 著 菅原千代志 著 的川泰宣 著 布施英利 著 藤田紘一郎 著

理科系の脳みそ(東京書籍)は養老猛先生の最後の弟子(本人談)の布施英利さんの生命・自然・脳をめぐるキーワード集です。ママも感心のある事象(たとえば、DNA鑑定、遺伝子組み換え、脳死、絶対音感、バリ島など)に付いての考察の後に基礎知識や図解、写真があり知性を刺激されました。ちょっと食い足りないキーワード(インターネット等)もありますが、通勤のおともにいかか?

恋する寄生虫(講談社SOPHIA BOOKS)は寄生虫の代権威の藤田紘一郎さんの自然界の恋の作法に関する本です。密林の恐ろしい寄生虫からエイズ、性転換にまで及んでいます。ちょっと汚い話もありますが、全体にユーモアがあり寄生虫にも人間にも暖かい視線があり好感が持てました。

がパソコンをはじめたいと言い出した。私が友人や兄弟とメールをやり取りしたり、インターネットで時刻表を調べたり、買い物をしたりしているのを見て便利そうだと思ったらしい。しかし数年前に、使わなくなったワープロを譲ったことがあったが結局使いこなせなかった。ビデオの予約もやっと出来るぐらいの電脳力の持ち主です。

アイプリメーラ 最近、シャープからでた「アイプリメーラ」と云う、メールとインターネットができてカラープリンタの付いたホームメールツール(カタログにそう書いてあった)はどうかと聞かれた。このマシンは横から見ると三角のパステルカラーで巨大なおむすび入れみたいな形だ。キーボード以外のボタンは全て日本語表示なのはすばらしい。

拡張性もなく、プロバイダも指定され、独自のOSで動くらしいので簡単だとは思うけど、困ったときに私が助けてあげられないのが難点だ。近くに住んでるなら解らなくなってもすぐに見てあげられるが、そうも行かない距離だ。自分が使ったことのない機械のことを電話でやり取りするのは無理だし。今更、母がWindowsを使いこなして、次々に起こるトラブルに対処出来るとは到底思えない。

ママは中高年の入門用にポケットボードの大きくなった製品があればいいと思う。別に持ち歩かないのだし、表示やボタンを大きく見やすく、打ちやすくして、機能も携帯から出来るポケットボードぐらいあれば十分だ。来るべき高齢化社会に向けて、高齢者用の使いや易いパソコンの出現が待たれます。この市場はまだ未開拓ですが、需要は多いので将来性が見込まれますね。(電脳婆ちゃん予備軍のママは、年取ったら最新の技術は要らないけど、使いやすくてトラブラない安定したメールとインターネットのツールが欲しいです)



我が家のホームページも1995年10月にオープンして4年が過ぎ、これから5年目に入ります。この記念すべきときにコンテストで佳作にも入ることができました。この間インターネットを巡る環境はドッグイヤーどころか、石器時代からピラミット時代ぐらいまで進歩したと思います。どうかこの技術があだ花とならずに新しい文化を作る推進力になって欲しいと願っています。ママも微力ながらずっとインターネットの進歩を見守っていきたい。

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M.Nakamura Oct. 24,'99