第17話 パソコン主婦が認知される道程

週は幼稚園の入園や長男の進級やらでパソコンいじっている時間がなかった。長男は二年生になり一年の時から入った少年野球の春季リーグが始まった。ママが子供をプロ野球の選手にしたいとか、長男が野球が大好きだったから少年野球チームに入ったのではない。何しろ三人の男の子が土日に家にいると騒がしくてつい怒ってしまう。まだ下の子が小さいのでそんなに出かけることもできないので、元気の有り余る長男を楽しく(ときには厳しく)スポーツさせる場として少年野球はぴったりだった。

少年野球 最近は野球よりサッカーのほうが子供には人気が有ると言われているが、やはり伝統のある野球は指導者の層が厚い。監督、コーチをしてくれる大人が熱心に子供たちを指導してくれる。子供たちも大人が真剣に相手をしてくれるので結構きつい練習にも楽しそうに付いていく。

私たちも練習試合に応援に行き、写真を撮ったりしているうちに少年野球が楽しくなって来た。我が子はまだレギュラーには成れないが、チームの子供たちが元気にプレーする姿を見るのは結構楽しい。最近は一緒に応援に行く下の子供たちも、外で元気に遊べるので喜んでいる。

子供がこんなにお世話になっている少年野球チームのホームページを作ることを思い付いた。内容は選手・監督・コーチ等のスタッフ紹介、これまでの練習試合・試合の結果、これからの試合の予定、選手募集要項,お便りコーナーなどがあればいいのかな。インターネットの検索機能で野球チームのホームページを探して参考にしてみようと思った。

取り敢えず、プロトタイプを作り、試合の応援の時にパソコンを持っていって監督や父母に見せてみて情報の提供を許可してもらおう。こういう時、ノートパソコンは便利だな、その気になれば試合の実況中継だって可能だ。

も、冷静になって考えてみると普通の主婦にインターネットってどれぐらい浸透しているのだろう?ママがいきなりノートパソコンを野球の応援団席に持っていってホームページを見せたら、よそのママは「何を急にインターネットなんて言いはじめたのよ」、「パソコンなんて小難しいことに凝っている不思議な人」なんて思うんだろう。一応は興味のあるふりしてくれるけど、ママは「変な母」というレッテルを貼られるんだろな。それに自分の子の名前が勝手に訳分かんないメディアに載せられるのが嫌な人もいるだろうしね。ちょっとこのホームページは無理かな。

主婦というのは目立たず、でしゃばらず、控えめで、それでいて一芸に秀でるというのが一番かっこいいのだ。この場合の一芸としてパソコンはまだちょっと過激すぎる。パッチワークやトールペイントなどが適している。

主婦のママにとってパソコンは本当に便利だが、便利に使えるようになるまでの過程が本当に大変で同居人の協力があるから何とかここまで来た。それに便利に楽しく使うためには日々のメンテナンスだって欠かせない。それには主婦がいつも使う能力とは異なるベクトルの努力が必要だ、別に日常生活に差し迫って関係無いなら忙しい主婦が自主的に触ろうと思わないだろうなとママも思う。

我が家のミニ四駆 とりあえず、少年野球のホームページを作るためには、個人情報の公開が絡むのでママ一人の楽しみで作る訳にはいかない。何か自分の趣味を生かした個人のホームページを運用してみたいが、この個人情報の公開とか著作権に引っかかることで挫折してしまう。

この前、長男の趣味のミニ四駆のホームページを検索してみたが、これだって田宮製作所のクレームが付かないのかな。たまごっちのホームページにバンダイからクレームが来たとかニュースになったけど、、、(でもバンダイも度量が狭いな)
(この奮闘記ページにも本の表紙のイメージとか載せているけど大丈夫かな。ちょっと心配。でも、小さなイメージだし「引用」の範囲だと思って載せている。)

企業が提供する大衆向けのホームページの他に、個人が発信するローカルでマニアックで必要のある人にとっては魅力ある情報のホームページが増えて、簡単(この問題のハードルも高いが)に見られるようになると主婦の楽しみがインターネットでもちっとも不思議じゃなくなる。そうするとママの一芸も公表できる。

からママはチームの伝言板が欲しいと思っていた。試合の場所や日時をいちいち電話の連絡網で伝達していくのは大変だ。間違いだってあるし、うちみたいに小さい子がいると寝付つく頃に電話があるとちょっと困る。こんな時、自分の都合のいい時間に確認すれば いいシステムがあればいいなぁ、と思う。

今のインターネットやパソコン通信の機能があれば技術的には可能だ。しかしまだ一般家庭が手軽に使える程は廉価で簡単・確実に使える程には洗練されていない。PTAとか町内会とかの電話連絡網に不便を感じている人は多いのだから、簡単に使える伝言板システムのようなものが普及しないかしら。

でも、電話連絡網というママが子供のころからあるようなローテクな方法もまた、人と人とのコミュニケーションにはいいのかもしれない。世の中は人と人との係わりで成り立っているんだから、ハイテク技術だけじゃないところが面白いし大事な所でもある。なんでも技術に頼っちゃだめだな。

最近の動燃の「もんじゅ」事件も、技術的な未熟さもあるだろうけど、結局はそれを管理する人の問題だ。いくら技術が発達してもそれを動かし管理するのは人だ。


今回は少年野球、インターネット、主婦の愚痴、個人情報の保護、ミニ四駆などなどかなり脱線しながらパソコンをめぐる実社会との係わりについて書いてみました。次の章ではまじめにCD-ROM辞典の可能性に付いて考察したいと考えています。

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M.Nakamura Apr,20 '97