第12話 公衆電話からインターネット

近、新聞の折り込み広告にISDN加入を勧誘するNTTの広告がよく入っている。我が家の局番は電話番号の変更なしでISDNになるようだ。ISDNサービスが始まった頃は全然使われなかったけど、ようやく日の目をみることになりましたね。そう言えば、キャプテンはどうなったんだろう? まだやっているのかな。

キャプテンが始まった頃は、これからはオンラインで自宅に居ながら様々な情報検索やサービスができると国を上げての大騒ぎだった。あれはまさに今のWWWで実現されていることと同じであるはずだっだ。国をあげて取り組んだものが失敗して、ゲリラ的にやったものが成功する典型的なひとつの例ですね。国民はお上が笛吹いたって簡単には踊らない。

こんなことを書いていたら、もうひとつ思い出した。ママが会社勤めをはじめてしばらくしたころ、コンピュータ業界ではシグマ計画なる得体のしれない計画があった。通産省の肝いりで始まり、多くのコンピュータ関連企業が参加したビッグプロジェクトだった。これは将来プログラマが不足してソフトウェア危機になるので、効率よい開発方法や技術を開拓するような計画だったように記憶している(間違っていたらゴメン)。どうなったんだろう。全然聞かなくなった。

ついでに思い出したが、ハイビジョンテレビも長いこと鳴り物入りで立ち上げているが今一つ普及しないな。消費者はいいものはちゃんと分かっているのだよ。

話は戻ってISDNだが、今までの回線を切り替えるときは工事も不要で、費用もそれほどかからないようだ。しかし、それはNTTに払う費用がかからないだけだ。同居人に聞くとTAとかDSUとかいうのを買わなきゃいけないようだし、パソコンが何台かあるとルータとかもいるそうだ。全部買うと10万円を軽く超えてしまう。我が家では当分いらないな。

て、せっかくノートパソコンを買ったのだから、はやりのモバイル・コンピューティングをしてみようと公衆電話にでかけることにした。本当のモバイルはもっと小さくて軽いパソコンを使うようだが、真似事だけでもと公衆電話からWWWにアクセスしてみることにした。駅前の公衆電話ボックスは全部ディジタルなんだけど、人通りが多くて恥ずかしいので閑静なところにある電話ボックスを探す。

駅前以外ではなかなかディジタルのあのグレーの電話が見つからない。みんな緑色のものばかりだ。ちょっと離れた電話局の前まで行ったが、そこも緑色であった。諦めかけたが、買い物の帰りにふと見た電話ボックスがグレーであった。パチンコ屋さんの駐車場脇に立つその電話ボックスは利用者もあまりいないようだし、車も止められるのでちょうどいい。

ISDN公衆電話 ところでディジタル公衆電話の普及率はどのくらいなんだろう。ここ町田近辺では駅前くらいで、あとは殆ど見かけない(ママは駅前以外では今回の電話ボックスの他は2台しか知らない)ので数%くらいかな。全国的にはどうなんだろう。きっとNIFTYのフォーラムなどではモバイルする人たちがディジタル公衆電話マップなどを作っているに違いない。WWWにも載っているかな。

公衆電話が見つかった翌日の午前中、パチンコ屋さんが開く前にでかけた。例のバックにパソコンを入れ、カメラも持っていく。運転と子守り、写真は同居人に頼む。しかし、いい年してどうしょうもないことをしているな。幸い人通りも殆ど無く公衆電話も空いている。

電話ボックスに入り、パソコンをグレーの電話機の上に置く。電話ボックスの中にはテレカの販売機が置いてあってちょっと狭い。パソコンを起動するが、天気がいいので明るすぎて液晶画面がとても見にくい。これは盲点であった。

教訓:日当たりのいい電話ボックスはモバイルには向かない。

モジュラージャック モデムの線を電話機のモジュラージャックに繋ぐ。ここには小さなシャッターが付いているので、これを上に押し上げてジャックを差し込む。ジャックはディジタルとアナログの2つがある。どちらも同じ形で迷いそうだが、モデムを繋ぐときは右側のアナログだ。そしてテレカを差込み、電話機の「データ通信」ボタンを押すと、テレカが吸い込まれ準備完了。

ンターネット・エクスプローラーを起動する。今日はマウスがないのと、置き場所の高さが高くてちょっと操作しにくい。画面も見にくいし。

ダイヤルをトーンで発信する設定にし(電話機の液晶画面にトーンで発信してくださいとのメッセージがでていて結構親切だ)、接続する。ちなみに我が家は未だにプッシュホン回線じゃなくて、パルス回線なので普段の設定はパルスになっている。ダイヤルする音が聞こえてきて、町田のアクセスポイントに無事繋がった。

まず我が家のホームページにアクセスする。おぉ、ちゃんと見えるではないか。当たり前といえばそれまでだが、雑誌などで読むだけじゃなくて実際自分でやってみると結構感動し夢中になってしまう。

公衆電話のママ 次に最近オープンしたばかりのバッキンガム宮殿にアクセスするが混んでいて繋がらない。それではと、yahooにアクセスし、ちょっとネットサーフィンする。明るくて液晶が見にくいのを除けば自宅にいるのと同じだ。テレカの度数が落ちていくのが気になってしまうが。

メールも読めることを確認し、めでたく公衆電話から世界に繋がることを検証した。すごい世の中になったものだ。だけどママのパソコンが公衆電話に繋がったり、屋外で使ったりする事はもう殆どないだろうな。97%位の確率でないと思う。だって必要ないんだもの。ママが携帯電話やPHSを持つこともしばらくはないだろう。でも本当にこうやってモバイルして使っている人はいるのだろうか? ママの知っている人では「山根一眞」さんだけだ。

山根一眞さんも昔はMacintosh一本だったが、最近Windowsのノートも使っているようだ。他にママが知っているMac使いのもの書きは「林 望」さんと、「村上春樹」さんだ。と、話が横道にそれる。

さて、肩が凝ってきたのでそろそろ寝ることにします。今日は中々充実していた。今度はファクスの設定に再挑戦だ。

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M.Nakamura Mar 11,'97