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以前、百均のガラス瓶で作ったキッチンタイマは使い続けていますが、短い時間を計るのためにいちいち時間設定が面倒という声が聞こえてきました。そこで、時間設定が不要なカウントアップのみのキッチンタイマを作ってみました。
一応、1分毎に「ピッ」というアラーム音がでます。また、電池の消耗を抑えるために最大10分で自動パワーオフします。毎日10分使用するとして2年弱は使えるはずです。
動画
回路
カウントアップだけなのでスイッチはタッチセンサひとつのみ。出力は見やすい7セグLED4桁とアラーム用圧電ブザー。電源スイッチはなく、待機時はPICはSLEEPモードになっています(拡大図)。
PICは16F1508(20ピン)。電源はリチウム電池CR123Aの3V、消費電力を押さえるためにLEDの駆動電流を最小限とし、ドライブ用のトランジスタを省略した。PICのピンで直接駆動できる電流しか使わない。1桁あたり最大20mA。
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ブレッドボード
回路をブレッドボードに仮り組みして、プログラムのデバッグ。
プログラム
ソースプログラムとHEXです。バグがあるかも知れません。無保証です。著作権は留保しますが、改変などご自由にどうぞ。
以下、主な機能の実現方法。
- 1秒の作り方
- timer0オーバーフロー割り込み回数をカウントすることで1秒を作る
- 4MHzクロック→マシンサイクル1MHz = 1us
- timer0のプリスケーラを1:16
256Cycleでオーバーフロー * 16倍プリスケーラ * 1us = 4.096ms
約4ms毎の割り込み数をカウントすると、約244回で約1秒(正確には244.140625回)- 244回だと0.140625回が誤差になるので、64秒毎に9回余分にカウントして補正する
244×64 = 15616回 = 63.963136秒
244×63+253 = 15625回 = 64.000000秒
- 蛇足
10分で約0.3秒なので補正しなくてもよかったかも。
7セグLEDのダイナミック表示 約4ms毎のtimer0割り込みで表示桁を順次シフトするダイナミック表示。
4ms×4桁=16ms = 62.5Hz なので目視でLEDがチラチラしない。
アラーム音 PWMモジュールを使い、2KHz デューティ25%のパルスを作る。 村田製作所のサイト(圧電発音部品のFAQ)で、規定の半分の周波数でデューティ25%にすると音圧が高くなる、とあったので。
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100均のガラス瓶(シリンダーボトル)
以前、キヤンドゥで購入したコルク栓つきのガラスボトルに収めることにした。
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基板加工
ガラス瓶に合わせてユニバーサル基板をカット。電池ホルダを収めるために基板をくり貫いた。
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テスト
基板がほぼできあがりテスト中。
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基板裏側
PIC他は基板の裏側に実装した。
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基板完成
コルク栓には穴を開け、圧電ブザーが収まるよう、また基板に刺さるようにスリットを入れた。
コルク栓に圧電ブザーを埋め込んだら、圧電ブザーのピッ音が小さくなってしまった。音がでるように穴は開けてあるが、ブザーのケースがコルクで包まれ、音を反響しなくなったためか。要工夫。
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スモークフィルタ
多少明るいところでもはっきり見えるように、スモークの塩ビ板を貼る。 両面テープを細く切って、LED数字の上下に貼って固定。
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タッチセンサ取り付け位置
当初、瓶に入れてからセンサ位置を調整すればよいかと思っていたが、瓶の内壁と干渉してうまく動かせなかった。
このため、基板にくぼみを付けてセンサ基板が収まるようにした。とくに接着剤などで固定せず、配線3本のみで支え、多少は動くようになっている。
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上から見た感じ
タッチセンサの位置はこんな感じ。電池ホルダはホットボンドで四隅を固定してある。
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ガラス瓶に収める
コルク栓のスリットに基板が刺さっている。
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スタンド製作
ガラス瓶を挿すスタンドは木製にすることにし、挿すための穴を開けようとしているところ。
手持ちにφ30mmのフォスナービットしかなかったので、これで開けたがガラス瓶が刺さらず、フォスナービットのセットを新たに購入し、φ32mmで開け直した。
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鉛の重り
木だけだと軽くて倒れそうな気がしたので、スタンドの底に鉛の重りを仕込むことにした。
ツーバイフォーの切れ端にφ22mm、深さ12mm位の穴を開けて、ツナの空き缶で溶かした釣りの重りを流し込んだところ。
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スタンド加工
底に重りを仕込む中を開けた。適当に開けたらセンターがずれた。手前の銀色が埋め込む重り。ツーバーフォーを割って取り出し、ヤスリで仕上げた。
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ニスで塗装
百均の水性ニスを3回塗って仕上げ。都度、800番の紙ヤスリで表面をなめらかに。
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スタンド仕上げ
ガラス瓶が入るところには、1mm厚の白いフェルトを取り付け。重りは接着剤で固定。その後、茶色の薄いフェルト(粘着材付き)を貼る。
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完成
【使い方】
- (1) タッチセンサに触れて電源オン(ピッ音)、カウントアップ開始
- (2) 1分毎にピッ音
- (3) 必要な時間が経過したら、タッチセンサに触れて停止(電源オフ)
- (4) 最大10分で自動パワーオフ(ピッピッピッピッピッ音)
- (5) 10分以上必要なら再度タッチセンサに触れる
- 電池は2年弱程度は使えるのではないかと推測。以下、試算。
- 稼働時間 10分/日と仮定(パスタをゆでる時間程度)、365日で60.8h
- 稼働時の平均消費電流10mA * 60.8h = 608mAh/年(もっと少ないかも)
- スリープ時間 (24時間 - 10分) * 365日 = 8,699h
約16uA * 8,699h = 約139mAh/年- 電池容量、リチウム電池CR123A 3.0V 1300mAh(自己放電は無視)
- 1,300mA / (608mAh/年 + 139mAh/年) = 約1.7年
動画
以上