椅子の修理と張り替え (2009.4)
(2009.4.12掲載)古い椅子の座面が壊れたので修理することにした。この椅子の修理は2度目だが、できるだけ古さを残して修理。
この椅子はかみさんのお祖母さんの嫁入り道具だったというもの。すでに他界しているが生誕100年以上は経っているので80年くらい前のものか。我が家にあるのは2脚だけ。かたちもよくて軽いので重宝している。
丸い輪っかは木を曲げて作ってあり、昔の職人の技といった感じ。
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座面を取り外す
壊れたのは座面のベニア板。前回の修理で手元にあった3ミリ厚のものを使ったのと、最近は脱衣場で使っていたので湿気で弱ったと思われる。
オリジナルは当然ベニア板ではなく薄い無垢の板だったが、今では簡単には入手できないのでベニア板で妥協。
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前回の修理記録
座面のレザーを剥がしたら、前回の張り替え修理を行ったときの記録が現れた。すっかり忘れていたが、子供の手形や名前が残してあった。もう17年前のことだ。
右上にボルトが写っているがこれも前回修理したときに取り替えたもの。
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パンヤ
パンヤと藁くず。前回の修理のときも元々詰まっていたものを再利用したが、今回も再利用。潰れてしまっていてクッション性はない。
野球のミットやクッションの詰め物の総称をパンヤというのだと思っていたら、パンヤはパンヤノキの実からとった繊維とのこと(Wikipedia参照)。
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わさび漬けの蓋
わさび漬けの蓋のようだが、そうではなく、手元にあった5ミリ厚のベニア板を丸く切り出した。左が古い割れたもの。
普通のノコギリで正方形から少しずつ角を落として多角形にし、最後はカンナと紙ヤスリで仕上げた。
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合わせてみる
椅子に合わせ、大きさを確認。
座面の周りのニスが剥げているのがわかる。
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塗装
長年の過酷な使用でニスも剥げて木の地肌が出ていたので、手元にあったジェル状のニスを擦り込んだ。
全体を紙ヤスリで仕上げてから再塗装すれば綺麗になるかも知れないが、今までのキズや汚れも味だと思いそのままに。
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座面張り直し
新しいレザーを買いに出かけたが丁度良いものがなくて、大きめのものが5,000円近くしたので、今までのものを再利用することにした。17年前はそんなに高くなかった気がする(当たり前か?)
裏側をホチキスで留めたところ。本来はタッカーを使うべきだが、タッカーの針が長くて板を突き抜けそうだったのでやめた。
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太鼓鋲
太鼓鋲という頭が丸くなった飾り釘を使って座面を椅子に取り付ける。
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座面取り付け完了
修理前の穴の位置に太鼓鋲を打っていけばよかったので簡単に完了。前回の修理のときは等間隔に並ぶように結構苦労した記憶がある。
取り付け前に、子供から野球のグローブに塗るグリスを借りてレザーを磨いておいた。少しツヤが戻ってきた。
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修理完了
右が今回修理したもの。結構綺麗になった。左側はニスが剥げて痛々しい。そのうち塗り直そうと思う。
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