A03.気候観測応援会情報、津山2011年2月

編者:近藤純正
ボランティア組織「気候観測を応援する会」の情報第3号、岡山県津山市内で行った 観測所見学会と市民講座などについての報告である。 (完成:2011年2月22日)

本ホームページに掲載の内容は著作物であるので、 引用・利用に際しては”近藤純正ホームページ”からの引用であることを 明記のこと。

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更新記録
2011年2月16日:概要の作成
2011年2月17日:3.1節へ追加(観光協会へのお願い、城東町内会への書状)
2011年2月22日:公園の写真と美化活動の写真を追加し、完成


	目次
	3.1 津山観測所の見学会、2月11日
	3.2 市民講座、2月12日
	3.3 丹後山の美化活動、2月20日
	3.4 観測所周辺環境に関する情報の流れ
	3.5 参加者の感想


3.1 津山観測所の見学会、2月11日

参加者(7名)
(岡山県)廣幡泰治、岡本成二、妹尾亮、古園勝敬
(広島県)下井研造
(鳥取県)木村玲二
(神奈川県)近藤純正

11日13:30 ホテルアルファ・ワン・津山に集合し、14:00から現地・津山観測所(津山特別地域 気象観測所)を見学した。

環境維持についての注意
観測所フェンスの外側1~2m程度までは気象台の敷地であり、その敷地内に雑木の小木などが生えて いれば、10~20年後には大きく成長し観測の障害となるので、「気付いた者の判断で刈り取ってよい」 と伝えた。この許しは近藤純正が2月10日に岡山地方気象台長・中山繁樹氏(同席者:次長・武田寅彦氏 と総務課長・才原一浩氏)から得たものである。

津山市による隣地の公園整備が始まる
観測所の北側~東側にある面積1,670平方mの敷地(旧測候所庁舎、旧宿舎跡地)は近藤純正に よる「ふるさと納税」により津山市が財務局岡山財務事務所から払い下げを受け、津山市の公園と して管理・整備することになった。公園整備の工事が前日から開始されていた。

津山見学会参加者
写真3.1 津山観測所見学会の参加者、観測所敷地の南西側から2011年2月11日撮影(岡本成二氏提供)。

新聞社の取材
津山朝日新聞社と山陽新聞津山支社の取材を受けた。後日2月14日付け津山朝日新聞の1面に 「旧津山測候所を見学」「近藤さん説明 気象予報士ら7人」の見出し写真つきで報道された。 並列して12日の市民講座も写真付きで報道された。また2月16日付け山陽新聞でも同様に報道された。

観光協会へお願い
2月11日夜、津山市観光協会の会長・竹内佑宣氏にお会いする機会があり、津山の観光案内書に 「津山の丹後山には、内陸で日本一の環境に恵まれた気候観測所があり、地球温暖化など気候変化を 観測している」ことを掲載し、津山の観光にも活かしてください、とお願いした。

3.2 市民講座、2月12日

津山市主催により作州城東屋敷(津山市中之町19)において市民講座「気候と歴史―過去500年に学び 未来に生かそう」(講師:近藤純正)が13:30~15:00に開催された。市民講座の広告などは 津山市経済文化部で作成され、城東地区住民への配布は連合町内会長・本多正志氏ほかに よって行われた。

市民講座は、津山市経済文化部企画参事・織田敬子氏の司会、経済文化部部長・高原清隆氏の挨拶で はじまった。

今回の観測所周辺の環境整備に大きな役割を果していただいた前津山市長・桑山博之氏、津山市城東 連合町内会長・本多正志氏ほか参加者は約40名であった。

講演の目的は、津山市民のご理解・ご支援により津山観測所の周辺環境が整備されたことに 対し、感謝の気持ちと、今後とも観測所を見守っていただきたいことをお願いすることであった。 地域の防災目的のほかに、津山観測所は地球温暖化などの気候変化を正しく観測していく重要な「気候 観測所」であることを理解していただいた。

津山朝日新聞社と山陽新聞津山支社に取材していただいた。2月14日付け津山朝日新聞には、 「観測所の周辺環境守ろう」「近藤さん(気象学者)語りかける」「気候と歴史―地元住民ら聴講」 の見出し写真付きで報道された。また、2月16日付け山陽新聞作州ワイド版では「“気候と歴史 “学ぶ」(作州城東屋敷で市民講座)の見出し写真付きで講演会が報道された。

講演会
写真3.2 作州城東屋敷における市民講座、2011年2月12日撮影(岡本成二氏提供)。

3.3 丹後山の美化活動、2月20日

気象観測所(旧津山測候所)は津山市林田の丹後山に1943年(昭和18年)に設置された。丹後山は 宮川を挟んで津山城址の東側にあり、標高はほとんど同じ高さである。丹後山からは津山の 市街部を見下ろすことができる。昨年、向かいの城山の斜面が整備されて、丹後山から城山の石垣 の景観がよく見えるようになった。

(参考) 丹後山の名前の由来について見学会に参加された妹尾亮氏の調べによれば、
津山藩森家の大塚丹後守という人の下屋敷があったことから名づけられたとのこと。丹後守は美濃の 国の住人で、東美濃を領していた森長可の外交官として功を成し、後に主君に従って津山に入り 家老になった人物である。

観測所の旧庁舎と宿舎跡地(面積=1,670平方m)は、津山市の公園として住民の憩いの場となる。 周囲のフェンスはそのまま残し、今後は平坦な地面に小木が何本か植栽される。 その際に注意すべきは、植栽は密でなく、かつ樹高が高くならない種類となろう。

公園
写真3.3 観測所北側の公園(旧庁舎と宿舎跡地)、2011年2月20日撮影(岡本成二氏提供)。 右方に観測所入り口があり、観測露場は撮影地点の後方にある。

丹後山に測候所が創設されてから後の、今から40年余前、津山市城東連合町内会の住民が約200本の 桜を植樹した。桜の開花前の毎年2月の第3日曜日9時から城東連合町内会の青壮年部会が桜の手入れ 作業を行い、枝の剪定や肥料を施すなど美化活動を続けてきた。

昨年(2010年)2月15~16日には、桜200本のうち、観測所の周辺(北西~南西~南側)の桜20本と 雑木1本を伐採し、観測所の周辺環境の改善に協力していただいた。その結果、 国内では数少ない気候観測所の中で津山観測所はもっとも環境に恵まれた「内陸一の環境に恵ま れた観測所」となった。

今年も2月の第3日曜日の20日、観測所周辺の丹後山の美化活動が行われた。

美化活動の住民
写真3.4 丹後山の美化活動に集まった城東連合町内会の有志、2011年2月20日撮影(岡本成二氏提供)。

美化作業
写真3.5 丹後山の美化活動の作業、2011年2月20日撮影(岡本成二氏提供)。

今後も毎年行われる住民による丹後山の美化活動は、気候観測所の良好な環境を守ることになり、 重要な意味をもつことになる。この活動が全国のモデルとなって広がっていくことを願いたい。

このことに関して、城東連合町内会長と城東連合町内会青壮年部会の皆様宛てに書状を送った。

クリックして次の 「丹後山の美化活動」を参照し、プラウザの「戻る」を 押してもどってください。
丹後山の美化活動

3.4 観測所周辺環境に関する情報の流れ

本会のメンバー以外の一般住民による観測所周辺の環境等に関する情報は、次の経路で伝えられる よう、津山市に依頼し了承された。この件は岡山地方気象台にも2月10日に伝えてある。

(1)一般住民 → 津山市危機管理課(次長・久保農夫雄氏、電話:0868-32-2042)→  岡山県在住のメンバー(廣幡泰治、岡本成二、妹尾亮、古園勝敬)

(2)岡山県在住のメンバー → 代表・連絡人(正)近藤純正、(副)桑形恒男・松島大

(3)代表・連絡人 → 気象庁及び岡山地方気象台、及び本会の全メンバー

観測所周辺環境の管理は岡山地方気象台の責任において行うことになる。

ただし、前記の通り、
「観測所フェンスの外側1~2m程度までは気象台の敷地であるが、その敷地内に雑木の小木などが 生えていれば、気付いた者の判断で刈り取ってよい」ことは2月10日に岡山地方気象台長・中山繁樹 氏(同席者:次長と総務課長)から許可を受けてある。

また、津山市城東連合町内会青壮年部会のメンバーは、毎年2月の第3日曜日に観測所周辺の美化活動 を行っている。美化活動が行われた際には、津山市危機管理課へ連絡していただくよう、城東連合 町内会長・本多正志氏と同青壮年部会の方々にお願いした。

3.5 参加者の感想

(1) 各地のアメダス、観測所を見ているが、津山観測所は理想的な環境にあると思います。新聞記事の 規模に驚きました、地元の関心の高さが伺えます(木村)。

(2) 講演会は盛況でした。2009年2月開催の講演会に参加してから2年が経ち、再び城東屋敷で講演会 を聞くことになりましたが、津山市民の観測によせる関心度には隔世の感があり、感慨深いものが ありました(廣幡)。

(3) 2月14日の津山朝日新聞には、講演会と見学会の模様が、トップ記事で大きく載っていましたので、 多くの方が目にされていると思います。また16日の山陽新聞にも大きく取り上げられていたので、 嬉しく思っています(織田)。

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