K43.日本の温暖化量の解析、Q&A


著者:近藤 純正
日本のバックグラウンド温暖化量の解析と全国91都市の都市昇温量の解析結果 に対する質問とコメントとそれに対する回答である。これは本ホームページの 「研究の指針」の 「K40.基準34地点による日本の温暖化量」「K41.都市の温暖化量、全国91都市」「K42.都市気温と環境の短期的変化」の読者から、 また各機関で開いたセミナーで出された質問とその回答である。 (完成:2008年6月28日)



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2008年5月15日:Q1.1~Q1.2、Q2.1を掲載
2008年5月28日:Q1.3~Q1.4、Q2.2、Q3.1を追加
2008年6月28日:Q1.5~、Q2.3~、Q3.2~多数を追加

  目次
	43.1 バックグラウンド温暖化量に関するQ&A(11問)
	    気温ジャンプ、太陽黒点、気温の精度、海水温との関係、緯度による違い
	43.2 都市温暖化量に関するQ&A(9問)
	    熊谷など最近の昇温、周辺環境、都市化の格差、ビルの高層化
	43.3 気温データに関するQ&A(6問)
	    移転による不連続、日だまり効果、高層気温の利用、日界
	43.4 アルベドの効果や放射冷却に関するQ&A(2問)
	43.5 観測の重要性、研究の視点についての感想(2件)
	参考文献


43.1 バックグラウンド温暖化量に関するQ&A


Q1.1 「K40.基準34地点による日本の温暖化量」に関して、 バックグラウンド温暖化量の地理的分布図が見たいです。同じ期間で、 日本の南北の気温上昇量に差がありますか?(J)


A1.1 100年程度の長い期間について、「南北の気温上昇量には差は 認められない」 といえます。図40.4(a)と(b)―”地域グループごとの気温の 経年変化”―をもう一度みてみると、次のように要約されます。

北日本、特に北海道など高緯度ほど太陽黒点周期変動との関係も強く、気温が下降する 時代が1890-1915年と1940年代、1950年代、2000年前後などに現れているが、 長期的には南北でバックグラウンド温暖化量の差は明確でない、というのが 適切です。

これは、1915-1940年を「気温の南北差、時間的変動の少ない安定した時代」 として選び出し、「その時代の各地点における平均気温をゼロの基準」 として解析した結果から得た結論です。

注意 温暖化のように、50年以上100年以上の長い時間スケールで見なければなら ない問題で注意すべきことがあります。現実のデータには、太陽黒点周期の ように10~11年周期や大規模火山噴火による気温変動が混ざっているので、 50年程度以下、たとえば30年間のデータから「南日本に比べて北日本の 温暖化量が大きい」という結論を出してはいけません。

具体的に図40.4(a)(b)を参考にして説明しましょう。
1900年代から1930年代までの30年間について、北海道と西日本の気温上昇 を比較してみると、北海道は約3倍の上昇率があります。このことから、 「北日本ほど温暖化量が大きい」というのは適切ではありません。

その理由は、(1)北日本ほど10~11年周期の黒点数と同期する変動が大きい こと、(2)1913年のジャンプが北日本ほど大きいこと、(3)1900年の初頭、 大規模噴火による気温低下が10年余り続いており(Kondo,1988)、その気温 低下は高緯度ほど大きかったことによるからです。

つまり、30年程度の短期間のデータから温暖化などの結論は出せないのです。 もちろんのこと、30年間のトレンドとして事実を語るのはよいことです。


Q1.2 「K40.基準34地点による日本の温暖化量」に関して、 本研究と気象庁が公開している日本の気温上昇量との差も示したほうが よいのではないでしょうか?(J)


A1.2 気象庁が公開している17地点平均の解析結果は、 「K42.都市気温と環境の短期的変化」の「はしめに」 に書いたように、都市化(日だまり効果も含む)の影響を含んだものなので、 0.5℃/100y ほどの過大評価となっています。

この比較についても少し難しい面があります。都市化は別にして、
(1)気象庁ホームページに掲載の17地点による気温上昇のグラフは生データの使用である。
(2)観測法の変更(時代による測器と観測時間に変更)による誤差を補正した比較。
どちらで比較するかによって違いは異なります。(1)は(2)よりも約 0.1℃/100y 小さくなります。

100年間あたりの気温上昇率にして、まとめると、
(1)約1.1℃/100y ・・・・気象庁の公開値
(2)約1.2℃/100y ・・・・観測法の変更を補正した値
(3)約0.7℃/100y ・・・・都市化(日だまり効果含む)を補正した値

詳しくは、
(4)0.67℃/100y(1881-2007)・・・・今回の「K.40」の章でもとめた値


Q1.3 「K41.都市の温暖化量、全国91都市」において、都市温暖化量は、
 温暖化量=(バックグラウンド温暖化量)+(都市温暖化量)・・・・・・・・(1)
によって算定され、事前にバックグラウンド温暖化量を求めておく必要が ある。
一方、バックグラウンド温暖化量を求めるために使用される基準34地点の 中には、都市(山形、長野など)も含まれている。バックグラウンド温暖化 量を求めるとき、これら都市地点の気温から、どのような方法で都市の影響 (日だまり効果も含む)を除去しているのでしょうか?
「K35.基準5地点の温暖化量と都市昇温(2)」で解析されている、基準5 地点との比較に基づく結果(都市化+日だまり効果)が使用されたので しょうか?(T.K.)


A1.3 今回は、以前に評価した基準5地点との比較から、(都市化+ 日だまり効果)を求めたのではありません。それらは予備解析であると 見なしてください。いろいろ解析を進めた結果、5地点では地点数が少なく精度の 高い結果がでないことがわかり、今回は改めて求めた「K38」と「K39」による 方法で(都市化+日だまり効果)を算定しました。表39.1~39.2に最終的な 結果を掲載してあります。

山形や長野など都市地点は、地点数を増やし最終的な精度(多地点平均気温の 精度)を上げるために追加したものであり、(都市化+日だまり効果)を 補正してバックグラウンド温暖化量の各地点の値としました。この各地点に おける補正の誤差は±0.1℃程度あり、精度がやや劣ります。

このこともあって、地域グループごとに多地点(6点または12点)の平均を とることによって、各グループのバックグラウンド温暖化量平均値は0.1℃ 以内の高精度の結果を得ることができました。

そのようにして求めた地域グループごとのバックグラウンド温暖化量をもとに して、こんどは、たとえば長野の都市化(日だまり効果を含む)を知ることが できます。この場合、長野について都市化未補正のデータを式(1)左辺の 「温暖化量」として用い、また関東越後12地点平均のバックグラウンド温暖化量 を「バックグラウンド温暖化量」として用い、長野の「都市温暖化量」 を求めたわけです。


Q1.4 上記の式(1)で用いられるバックグラウンド温暖化量は、 地域ごとにグループ化された結果、「K40の表40.1:北海道、北日本、東北、 関東・越後、中部・近畿、西日本の6グループ」が使用されていると理解 してよろしいでしょうか?(T.K.)


A1.4 はい、その通りです。
各地域グループはオーバーラップしていることに注意してください。 各地域の境界に近い地点の都市化を式(1)によって評価する場合、2つの地域グループ をそれぞれ用いてもほとんど同じ結果がでますが、都市温暖化量の結果に 数年の短期的変動が大きい場合もあります。そのような場合は、 短期的変動のばらつきが小さくでた地域グループによる結果を最終的に 採用しました。これは、当該都市の生の気温変動が除外した他方の地域 グループと少し違った短期的変動をしていることを意味します。


Q1.5 気温ジャンプを起こす原因は何か?
急激な気温上昇つまり気温ジャンプは見られるが、急激な下降は見られない。 これは、バックグラウンドにCO2増加などによる温暖化トレンドがあるため、 火山噴火の影響など気温下降が起こってもその影響は小さくなり、逆に火山 噴火の影響が無くなるだけで気温は上昇することになるし、黒点の影響の ような上昇傾向が強く出るためでしょうか?(Y.W.)


A1.5 はい、その通りではないかと考えています。つまり、気温ジャンプ は大規模火山噴火後に特に東北地方で冷夏頻発時代のあと、しかも太陽黒点数 が上昇する頃に生じているからです。


Q1.6 1988年の気温ジャンプは何度の上昇ですか?
この100年余に起きた4回のジャンプ時を除けば、むしろ気温は下降して いるのでしょうか?(T.S.)


A1.6 1988年ジャンプは、北海道など高緯度では1~1.2℃、南西諸島 など低緯度では0~0.2℃です。
ジャンプ時以外では、平均気温は長期的には下降の傾向、または変化なく 平坦な傾向といえそうです。


Q1.7 黒点数と気温の相関関係が示されましたが、黒点の占める面積 と比較するのがよいのではないか?(H.O.)


A1.7 おっしゃる通り、それに近い比較の図を示したのです。 「K40.基準34地点による日本の温暖化量」の図40.6に は太陽のウォルフ黒点数(最近の呼び名では黒点相対数)との関係を示しま した。
黒点相対数とは、黒点の総数と黒点群の数を組み合わせて計算される数値 ですので、黒点の占める面積も考慮された値です。これを簡単に「黒点数」 と呼ぶこともあります。


Q1.8 黒点数と気温の関係において、気温の5年移動平均値で相関係数 が示されましたが、毎年の予報には使えませんが、どう単年度に反映させ ますか?(Watan)


A1.8 相関関係は5年移動平均値についても3年移動平均値、あるいは 年々値についても(ただし年々値については計算していない)、相関係数は ほとんど変わりません。図では見やすくするために、気温の5年移動平均値 をお見せしました(「K40.基準34地点による日本の 温暖化量」の図40.7b40.7cを参照)。

太陽黒点数との相関が大きい時代には相関係数は0.7程度あるので、毎年の 予報には使えると考えます。利用価値は、予報担当者の力量しだいでしょう。 長期予報は、どの場合でも確率で出すものなので、相関係数が高い時代に 入ったと見なされれば、例えば「この数年間(あるいか今年)は黒点数が多い ので、北日本では高温となる確率が高い・・・・・」ということができる でしょう。

大規模火山噴火の直後の3年間についても同様であり、3年間のうち少なく とも1年は東北地方で大冷夏となる確率が90%程度あるので、その3年間は 注意を促すべきでしょう。確率であるので、大冷夏とならない年もあります。


Q1.9 バックグラウンド温暖化量の信頼性は?
また、日本国内のデータでのバックグラウンド温暖化量は世界的に適用 できる値としてよいか?(H.M.)


A1.9 今回評価した34地点平均値での誤差は0.1℃よりよい精度、 つまり0.03℃程度の精度はあると見なしてよいでしょう。各地点についての さまざまな誤差は0.1℃まで補正したので精度は±0.1℃程度としてよいで しょう。最終的に利用する地点数は、地域ごとでは12地点(北海道のみを対象 とする場合は6地点)平均を用いるので、精度は±0.05℃程度でしょう。

世界平均値としてそのままは代用できないが、日本は中緯度にあるので、 50年以上、100年の時間スケールでは、世界平均の傾向とかなりよく似ている のではないかと考えます。しかし、50年以下の短期間では、日本と世界の 変化傾向は多少ずれるものと考えるべきでしょう。日本国内でも、 20~30年以内の短期間の変化傾向は、北日本と西日本で異なるのですから。

世界平均の温暖化量が発表されていますが、データには「都市化の影響は ほとんどない!」としていることに私は疑いをもっています。私が日本について バックグラウンド温暖化を評価したのと同様に、都市化や日だまり効果、 観測法の変更による誤差を補正して再評価すべきだと思います。


Q1.10 (1)日本のような周囲が海に囲まれたところでは、最終的に算出 されるバックグラウンド温暖化量は、周辺海域の海面水温の昇温量とほぼ 同じになるのではないかと想像しますが、いかがでしょうか?
(2)今回の膨大な調査結果は、後世に遺産として残すべきだと思いました。重要な 知見が多く含まれています。(H.E.)


A1.10 (1)温暖化にともなって気温以外にも風速などさまざまな要 素が変化するので、海面水温と気温の関係がどうなるのか、難しい課題ですが、 仮に風速と大気の相対湿度、日射量が変化せず、海流変化もないとした場合、 思考実験してみます。

地表面(陸面、海面)付近の大気温度と海面水温は熱収支式の関係を満たさ ねばならず、気温が上がれば大気放射量も増えるので、水温も上がること になるが水面からの長波放射量も増える。諸条件に依存するのだが、通常は 海面温度は気温より上昇量が少なくて平衡になると考えてよい (「水環境の気象学」の表5.12参照、ただし、この表は蒸発効率=0.4の 陸面の場合)。

気温上昇の大きさと気候条件にも依存するが、ボーエン比(=顕熱輸送 量/潜熱輸送量)の温度依存性により、昇温した場合、熱収支各項において 潜熱輸送量の寄与が大きくなるので、海面水温は気温ほど上昇しない。 一般には温暖化によって、海上の平均風速も変わる。仮に風速が減少すること になれば、水温が気温よりも逆に大きく昇温することになる。

こうした気温・水温の振る舞いは諸条件によるので、熱収支式を解く簡単な 方法で知ることができる。演習問題としてやってみるのも面白いでしょう。 結果がわかれば知らせてください。

参考: こうした問題が生じた時、すぐ「詳しい数値実験、大循環 モデルを走らせてみないとわからない・・・・」という現代の流行・風潮が ある。流行に惑わされることなく、基本的な式を用い、頭を使って現象の 本質を調べるのが本来の研究の姿である。
大気中の二酸化炭素濃度が増加した100年先の地球の平均気温がどうなるか について、最近の複雑な計算モデルによって数℃上昇するとされている のだが、すでに50年以上も前に、ほぼ同じ結果が簡単な計算から知られており、 本質的なことは進歩していない。

(2)今回の調査結果は、資料として適当な印刷物に残したいし、一般市民の 教育用としても適当な本にしたいと考えています。観測の重要性を世間に訴え、 その結果として気象庁の観測体制が守れるようになればよい、と私は 考えています。測候所の余剰敷地を財務省に返還し、売りに出すとは愚かな ことです。その前に、余剰地とみなした一部気象庁職員の基礎知識の欠如は 嘆かわしい限りです。


Q1.11 日本について求められたバックグラウンド温暖化量が、地球 規模の温暖化を反映しているものと考えると、高緯度ほど昇温が大きいのでは ないかと期待されます。近藤先生が求められたバックグラウンド温度データ では、そのような緯度依存性を見出すことは可能でしょうか?(J.Y.)


A1.11 100年余のデータでは期間が短く、緯度依存性は明確には見出せ ません(最初のQ&AのA1.1も参照)。 「K40.基準34地点による日本の温暖化量」の図40.4(a)(b)を見てみると、 1900~1910年代の北海道(東北地方を含む北日本)が低温時代、これは 世界的な大規模火山噴火が頻発した時代を基準にすれば、北日本の温暖化量は 低緯度の西日本より温暖化量が大きいのですが、それ以前の1880年ころから 見ると、昇温量の緯度による違いははっきりしません。つまり、温暖化など 長期の気候変動を明らかにするには、少なくとも100年以上にわたる品質の 高い観測データが必要です。

得られた100年余のデータから言えることは、温暖化量の緯度依存性はあると しても、0.1~0.2℃程度以下でしょう。

43.2 都市温暖化量に関するQ&A


Q2.1 「K42.都市気温と環境の短期的変化」に関して、 千葉測候所の風向の解析が年平均の頻度として示されていますが、季節別 あるいは月別の風の長期変化をみるのも面白いのではないでしょうか?(J)


A2.1 はい、その通り面白いと思います。
風のみならず、温暖化量の季節別の違いを調べるのも価値が高く、面白い はずです。月別はデータ数が30日で少なく変動に隠れるおそれがあり、明解な 結果を出すには工夫が必要となります。

季節別の温暖化量の解析は、今後進める必要はありますが、まず、年平均に ついての解析を行ってきたわけです。それには5年弱の年月を費やし、各地を 見て回る仕事が必要でした。季節別解析も似た方法で行えばよいのですが、 日だまり効果のほか、観測法の変更による補正も季節により違ってくるので、 解析結果を出すまでには数年の時間を要するでしょう。私より若い皆さんの 課題としておきましょう。

今後の重要なこと:
現時点で、年平均値の解析はひとまず終了しましたが、私はまだ見ていない 気象観測所もあります。また、観測所の観測環境は年々悪化の方向に進んで おり、今後の解析に使える新しい基準観測所を探し出す仕事も残っています。

今後は気象官署以外のアメダスの利用も考えていますが、 アメダスは数は多いが環境のよいものはめったに存在しません。 どこかに書いたように、襟裳岬アメダス、稚内空港(声問アメダス) などの候補はあるものの、必要な地点20ヶ所ほどを揃えるにはとても 難しいのが現状です。

元の測候所の敷地を切り売りするようなことは中止させねばなりませんが、 それには国民世論に訴えるしか方法がありません。そのためには、今回の 解析結果と今後の気候監視が危ういことをわかり易く伝える仕事が残って います。


Q2.2 熊谷や宇都宮に見られるごく最近、1990年以後の気温上昇 傾向については、関東地方全域に見られる都市気象の広域的な影響と見なす こともできるでしょうか?
平均的な気圧配置の変化が局地風系を変化させ、それが関東地方の気温に 影響しているという話も、どこかで聞いたことがあります。(T.K.)


A2.2 はい、そのようなこともあるでしょうが、それによる年平均 気温の上昇量はここで解析した気温上昇よりも小さいのではないでしょうか。 つまり、観測所のごく近傍(100mの桁の水平スケール)の環境変化が観測値 に大きく現れていると考えます。

今回の解析から得た感触では、むしろ熊谷や宇都宮は都市化の進行が 弱らずに、引き続いて生じていると考えます。宇都宮の観察結果では、 露場周辺を取り巻く樹木の成長が衰えずに進行中でして、都市化のほかに 露場の日だまり効果の増加も止まっていないと思います。

熊谷は、昔は周辺には畑がありました。現在、都市化がゆっくり進行中でして、 周辺では住宅の建替えも行われており、市街中心域が気象台に向かって拡大 中です。

四国の高松地方気象台も当初は周辺に田んぼがありましたが、宅地化が進み、 新しく拡幅された舗装道路もできました。そのため、熊谷や 宇都宮と同様に、都市化による気温上昇が引き続き生じています。

最近の4~5年の短期間に都市再開発により都市化が進み、急速に気温が 上昇している例として高知を取りあげ、「K42.都市 気温と環境の短期的変化」の最初に掲載しました。高知では周辺100m 程度の範囲における環境変化が約0.3℃の気温上昇をもたらしました。


Q2.3 熊谷の都市温暖化が他の都市と違って、引き続きほぼ同じ大きさ で続いていることについて、近傍の土地利用変化との関係を論じていましたが、 もう少し広い都市拡大の影響は考えられるのか?
例えば、熊谷のみの都市化が最近も急激に進行しているとはあまり考えられ ないが、東京大都市圏は拡大している。この影響はあるか?(Y.W.)


A2.3 はい、概略そのように考えてよいでしょう。しかし前問でも 回答したように、熊谷では急激でなくゆっくりと都市化が続いており、 広域都市圏の影響よりも、観測所近傍(数km以内)の影響が大きいのでは ないかと考えています。これは他都市の解析から判断されることです。

熊谷は地方都市であり、都市化の変化量の絶対値は東京などに比べてはるかに 小さいのです。都市化の変化量の絶対値が大きい都市では戦後まもなく建てら れたような建築物はほとんど見られないのに対し、熊谷気象台の近くでは古い 住宅などが存在し、ゆっくりながら建て直しなどが行われていることに気づき ます。

熊谷地方気象台でこの話題について講演した日の夜、気象台の近くで育ち、 現在も熊谷市内にお住みの知人に話を聞くと、”他都市と比べて、 熊谷では都市化が急激ではなく、ゆっくり進んでいる・・・・”とのことです。私が 気象台から駅まで歩いて目で見た感じでも、このことを確かめました。また、 JR熊谷駅舎の壁に大きく張り出されている昔の鳥瞰図によれば、 気象台の北~東側は畑(桑畑?)が広がっていました。この鳥瞰図は1936年 (昭和11年)当時の原画を元にして、上越新幹線開業による熊谷駅改装を 記念して制作されたものです。

鳥瞰図には、測候所(現気象台)の北隣に蚕業試験場が描かれていますが、 現在(2008年6月16日訪問時)は試験場の建物は解体されて、広い敷地には 大木が数本残っています。

熊谷を例としましたが、前橋などでも、絶対値は小さいが観測所周辺の変化は 引き続いてゆっくりと起きています。北海道内陸の旭川や帯広などでも似た 傾向にあります。


Q2.4 都市化による昇温量に効く要素として、「天空率の減少による 日射の吸収量の増加」とありましたが、どうして日射の吸収量が増えますか? (A.U.)


A2.4 簡単化のために、表面をつくる素材の反射率が同じとして 考えてみましょう。建物など何も無ければ、太陽光は地表面で1回反射します。 しかし、建物が増え、背丈ものびると都市に入射した太陽光は、地面・地物で 何度も反射を繰り返して天空へかえっていきます。反射するごとに、(1- 反射率)の割合で日射は吸収されます。反射を繰り返すごとに吸収される 日射量は増え、都市域全体として温度が高くなることになります。


Q2.5 都市ビルの高層化によって、どれだけ気温が上昇するのですか?
将来、土地利用面積が変わらないとして、ビルだけが高層化した場合でも 気温は上昇しますか?(Y.I.)


A2.5 ビルの高層化だけでも気温は上昇すると考えます。
思考実験をしてみましょう。ビルの高さがのび、相対的にビル群の全容積が 増え、空間部分が少なくなり、本来の地面付近では風がほとんど無くなった とします。

すると、大気に対する実質的な都市地表面はビル上端面付近になってしまい ます。本来の地表面は密林の林床に相当し、気温変動は小さくなります。 あるいは、平坦地の地中温度の状態に近づきます。

地中温度の日平均値は、地表面(ビル上端面付近) で蒸発散がないとすると、熱収支式から計算できて、通常、ビル上の日平均 気温より数℃高くなります。この温度は風速(正しくは交換速度)の関数 となります。この地中温度は、本来の地表面付近の平均気温の目安として よいでしょう。

現実には、高層化すると、人工排熱も増え、水平面上の単位面積当たりの排熱 が増えるので、上で見積もった温度よりもさらに上昇します。

次のQ&Aにもあるように、東京(気象庁周辺)の都市化による気温上昇が 飽和状態でなく、年々大きくなっているのは、ビルの高層化による寄与が 大きい効いているのではないかと考えています。


Q2.6 東京の都市化による都市昇温量は飽和状態ではないですか?(Watan)


A2.6 いいえ、東京(気象庁周辺)は飽和状態ではなく、都市化による 昇温量は最近でも10年間当たり0.13℃の上昇率であり、絶対値では熊谷の 0.16℃や前橋の0.11℃に匹敵する大きさです。飽和状態でないのは、一つ前の Q&Aで説明したように、ビルの高層化による効果とエネルギー排出 量増加の寄与が大きいと考えます。


Q2.7 都市昇温量の東京に対する横浜の比がほぼ一定の0.6、 京都は0.7、札幌(ごく最近)は0.5ということは 「K41.都市の温暖化量、全国91都市」の図41.5~41.6 参照)、横浜、京都、札幌などの都市化の格差が東京とますます 開いているということですね?(Watan)


A2.7 はい、その通りです。その結果、東京は都市化による昇温量が 日本一となってしまいました。都市昇温量の絶対値は、今後ますます格差と して拡大していくでしょう。


Q2.8 都市昇温量の比が、近年ではばらつきが少ないが、以前は ばらつきが大きいのはなぜか? (D.M.)


A2.8 「K41.都市の温暖化量、全国91都市」 の図41.5や41.6は東京の都市温暖化量に対する横浜、その他の比である。東京 でも都市化があまり進んでいない時代には都市温暖化量は0.5℃以下で小さく、 割り算の分母も小さいので、年々値の比はバラツキガ大きい。近年では東京 の都市温暖化量(分母)は2℃ほどまで大きくなり、比のばらつきが小さく なった。ばらつきの大きさは本質的なものではなく、見かけ上のばらつきで ある。


Q2.9 都市昇温量=都市化、ということだったのですが、気象観測所 (気象台、測候所)のまわりの環境によって、都市昇温量が変わることから、 観測所のまわりが著しく発展している都市では、都市全体の発展を表す のは難しいのではないか? (K.O.)


A2.9 はい、その通りです。ここで説明している都市昇温量は気象 観測所で得られたものです。したがって、これは、観測所の近傍200m程度 までの環境変化がもっともよく反映され、その次に周辺の数km範囲の 環境変化を表しています。そのように理解して、今回得られた資料をもとに、 多くの方々に、都市昇温量と周辺の土地利用や空間配置との関係について 調べていただきたいと考えています。

43.3 気温データに関するQ&A


Q3.1 気象官署移転にともなう気温の不連続は、大きな問題ですね。 これら気温データは、統計切断とは見なされていないのでしょうか?(T.K.)


A3.1 はい、その通り大きな問題です。
気象庁では統計切断と書いてあったり、なかったりします。基準が曖昧な ように思います。そこで今回は、独自に吟味しなおし、明らかな不連続は 補正して接続させました(ただし、戦後は原則として接続させていない)。

国土交通省気象庁の行動は、悪い表現ですが、行き当たりばったりのように 思います。経費節減の名目で合同庁舎に移転したかと思うと、すぐ無人化 しており、結果において国費を浪費したのではないでしょうか。これは、 気象庁は技術官庁でありながら理論・哲学をもたず、政治家に振り回せれて いるのではないかと想像しています。

さらに、移転によりデータも不連続になっています。気象庁は、短期的な 予報には力を入れている感じがしますが、気候変動の監視もそれと同様に 重要です。

いまや、地球環境・気候変動は重要な社会問題となっています。たしかな 気象データをとることが重要です。気候変動の監視は長期観測によってのみ 明らかになるのです。

気象庁の仕事は(1)防災目的と、(2)気候観測の両方を行わねばならないこと になっています。ところが、私が気象庁職員にアンケートしてみると、(1)は 全員が認識していますが、(2)については、少数の人しか認識していません。 公務員としての再教育が必要だと思いました。


Q3.2 日だまり効果の図で、気温が逆に下がっている地点がありますが、 どこでしょうか? どんな環境変化の結果なのしょうか?(Watan)


A3.2 日だまり効果の図(「K39.気温の日だまり 効果の補正(2)」の図39.1の左図)において、気温が下降しているのは、 横浜(1923年関東大震災後、気温下降量=0.4℃)と旧日光測候所(気温下降 量=0.11℃)の2点です。

日光では無人化にともない、庁舎・宿舎が解体され、露場の位置が少し変わり 露場の風当たりがよくなり年平均気温が下降しました。

また、函館海洋気象台でも年平均気温の下降がありました。
改築に伴う風速変化量の見積りが不可能だったので、図39.1には示して ありませんが、1992年に庁舎の改築が行われ、年平均気温が0.25~0.3℃ほど 下降しました。この改築にともない、露場も少し移設され、敷地の道路沿いに あった桜並木が伐採・一部移植され、露場の風通りがよくなったことに よるものです。詳細は、「K22.函館海洋気象台改築に 伴う気温の不連続」の図22.2以下~写真6を参照してください。


Q3.3 ローカルな気温上昇を起こす、都市化と日だまり効果を正確に 区別することは可能でしょうか?
都市域では、樹木以外の物、たとえばビルによっても日だまり効果がある のではないかと思います。したがって都市域に限れば、日だまり効果は、都市 化の効果に含まれるような気がします。(Y.T.)


A3.3 まず、「K40.基準34地点による日本の温暖化 量」の図40.2をみてください。緑四角印は完全に日だまり効果のみによる 気温上昇とみなされるもの、青丸印は中小都市の値で都市化を含むものが 多いが、都市化の影響を含まない可能性のものも含む(岡山県内陸の津山: 丘の上に観測所があり周辺には住宅などはない)。赤丸印は完全に都市化を 含む山形、水戸、長野、彦根、および関東大震災後の横浜(マイナス0.4℃) の値である。

質問に対する回答として、日だまり効果と都市化が区別できる場合もあるが、 できない場合もあります。都市域でも、露場が広く日だまり効果が ないと見なされる観測所もあります。岡山県の倉敷アメダス(「66.岡山県の倉敷アメダス」の露場は市街地・住宅地域内の 広い農場の中にあり、建物や樹木による露場の風速の弱化は無いと見なされ るので、ここでの昇温量は都市化のみによると考えてよいでしょう。 ほかの農場での観測データもこのような判定に役立ちます。

こうしたデータと露場面1~2m高度の風速データ(推定値でもよい)が蓄積 されれば、都市域での日だまり効果と露場風速の関係がわかることになります。

しかし現状では、おっしゃる通り、都市域については多くの場合、都市化に よる効果と日だまり効果による昇温が重なっており、日だまり効果は都市化 の効果に含まれています。


Q3.4 風速の弱まりを日だまり効果の目安とされているが、風速計と 露場の温度センサーの高さが違う。それゆえ、日だまり効果を適用するならば、 気温センサーの高さを元に回りの障害物の影響を考えるべきではないか。 また、樹木による影響を、風速計の高さを元に言われているのは間違いでは ないか。(I.U.)


A3.4 はい、おっしゃる通りのことを私は説明しました。
日だまり効果の評価には風速計高度の風速は使用しておりません。利用した のは、風速計高度の風速が減少していることに注目しただけです。そうして、 日だまり効果の値は、周辺の複数観測所の気温差から見積りました (例として、「K38.気温の日だまり効果の補正(1)」 の図38.2(a)を示しました)。

そのようにして見積もった結果、風速計高度の風速と日だまり効果の関係を 「K40.基準34地点による日本の温暖化量」の 図40.2にまとめたのです。プロットがばらついているのは、風速計高度の 風速と露場の気温センサー高度の風速(正しくは、気温センサーの周辺環境) との相関係数が1でないからです。

日だまり効果が生じない条件は、露場面レベルから見上げた樹高の高度角度が 6度以下(樹高/距離<1/10)と説明しました(「K40. 基準34地点による日本の温暖化量」の本文最後にも説明してある)。

なお、日だまり効果の重要因子は気温センサーの高度ではなく、正しくは 地表面から気温センサーの少し上の高度範囲における鉛直混合の強さである ので、観測的には気温センサー高度付近の1~2m高度の風速を代用因子として 用いるがよいでしょう。しかし、現実には露場の風速は観測されていないので、 それと相関関係にあるルーチン用風速計高度の風速が目安になるわけです。

備考: 私はこれまで、気候観測所では「風速計高度でも気温を 観測し、露場の気温センサー付近の高度でも風速を観測すること」を提案 してきました。そうすることによって、観測所周辺環境の変化、つまり 日だまり効果が発生・変化したかどうかを知ることができます。 責任感・義務感をもつ気象庁職員は、これが 実現できるように働いてください。お願いします。


Q3.5 気温にあれほどまでに風速が影響するとは初耳でありました。 地上の気温は計測しやすく長い歴史もありますが、都市化やごく近傍の環境 変化が影響するのであれば、視点を変えて「高層」の気温(たとえば925、 900、850hPa面の夜間の気温)を用いてバックグラウンド温暖化量を求めては 如何でしょうか?(K.T.)


A3.5 高層の気温データの利用は精度的に難しいと考えます。 観測回数が1日に夜間なら1回だし、飛揚中の瞬間値を測ること、測器 が時代によって一定でないこと、観測の歴史が短く日本では50年間ほどしかないことに よります。ただし100年以上のデータが蓄積されれば高層データでも利用価値 はでてきます。

風速の気候変動を調べてみましたが、「K33.境界層 上端の風速経年変化」に示すように、バラツキガ大きく気候学的に ±3~4%の長期的変動は判別できませんでした(気候変動の有無が確認でき ない)。


Q3.6 日界(1日の区切り)が9時と24時の場合で、なぜ最低気温の 値に差が出るのでしょうか?(K.T.)


A3.6 現在の観測法では、最低気温・最高気温を測る日界は24時と なっていますが、以前には9時、22時などいろいろ変更されてきました。日界 の変更によって最高気温はほとんど変わらないのですが、最低気温は変わって きます。図43.1によって、最低気温が日界によって変わることを説明しま しょう。

第1日目と第3日目は穏やかな晴天日で最低気温は日の出前後に、最高気温は 正午頃に現れています。第2日目は、寒気がきて天気が悪く、日中の最高気温も あまり上昇せず、昼ころから気温が大きく下がりました。そのため、第2日目の 最低気温は午後遅く24時に現れました。

日界と最低気温
図43.1 日界(1日の区切り)と最低気温の説明図、3日間の気温の日変化。
緑丸印:日界が9時の場合の最低気温
赤丸印:日界が24時の場合の2日目の最低気温(1日目と3日目の最低気温は 9時日界の場合と同じ)

したがって第2日目の最低気温は、9時日界だと緑丸印ですが、24時日界だと それより低温の赤丸印となります。

毎日の最低気温を1年間平均した年平均最低気温は、9時日界の時代には 現在の24時日界に比べて0.35℃も高温です(日本各地の平均)。この差は 地点ごとに異なり、気温の日較差が大きい内陸ほど大きくなる傾向が あります。

詳細は本ホームページ「研究の指針」の「K23.観測法 変更による気温の不連続」の図23.1ほかを参照してください。

43.4 アルベドや放射冷却に関するQ&A


Q4.1 地表面のアルベド(反射率)が都市昇温などにとって重要との ことですが、たとえば、家屋・ビルなどの屋上や壁面を反射の大きな色(材料) にしたとき、都市温暖化の抑制効果はありますか?(S.S.)


A4.1 はい、蒸発散の有無と同様に、都市昇温を抑制する大きな 効果があります。ただし、都市全域のアルベドを変えた場合に効果が現れる はずです。諸条件にもよりますが、 アルベドの10%の増加は都市表面(ビルなど含む)温度の日平均値を1℃下げ る効果があり(「水環境の気象学」、表6.12)、また日中の都市表面平均の 最高温度を4℃程度下げる効果があります(「地表面に近い大気の科学」、 図5.8ではアルベドの40%の変化に対する地表面温度の変化が示されて いる)。

そのほか、都市温暖化の緩和策については「身近な気象」の 「M21.温暖化と都市緑化(Q&A)」の5章「都市昇温の緩和策や熱収支 に関するQ&A」、6章「気温や体感温度に関するQ&A」が参考になる。また、 「研究の指針」の「基礎3:地表面の熱収支と気象」 の図3.18も参考になる。


Q4.2 夜間の放射冷却は、積雪面と裸地面などではどちらが 大きいでしょうか?
今回のお話は、気象庁の観測の今後を考える上でたいへん役立ちます。 ぜひ出版物として刊行していただきたい。(M.I.)


A4.2 積雪面のほうが大きいです。放射冷却がもっとも大きくなるのは 新雪が厚く(50cm以上)積った晴天微風の夜間です。地表面(積雪面、 裸地面、芝生地など)の放射冷却の大きさは、地表面が失う正味放射量 (=地表面が天空に向けて失う長波放射量ー大気から下向きに入る大気放射量) と地中伝導熱(地中深部から、積雪がある場合は積雪下面から上向きに伝わる 熱)のバランスによって決まります。放射冷却量は地中(積雪があれば積雪) の熱容量と熱伝導率の積が小さいほど大きくなります。

詳細は「身近な気象の科学」の5章「本州一寒い村」や本ホームページの 「身近な気象」の「2.放射冷却と 盆地冷却」、および「M15.入門3: 熱の流れと現象」を参照してください。

43.5 観測の重要性、研究の視点についての意見


感想、その1 このセミナーによって感じたことがあります。 私は学部学生のころから、数値実験がメインだと考えてきましたが、やはり そういった数値実験は、適切なフィールドで正確な観測結果が得られた上で、 初めて応用できる研究であると思いました。フィールドワーク は気象学にとって依然今後も非常に重要なものであると強く感じました。 本日は、ありがとうございました。 (M.I.)



感想、その2 たいへん面白いお話をありがとうございました。
温度というのは簡単に測れるけれども、いろいろな条件で微妙に変わり、いろ いろなバイアスが上乗せされます。温度というのは重要であり、 確立された方法で測られるものでありながら、難しいと常々実感しております。 近藤先生が言われたように、電子化されただけで温度測定の方法論そのものは まったく進歩がありません。精度がよくなったわけでもありません。

最近は、研究や客観的科学的視点というよりは、行政・政治的な見方、すな わち、これは国民のため市民のためというよりも官僚・政治家のためという 感覚から押し付けられていて、わかっていても科学的な眼を使わないことが 多いと感じます。産業界の干渉もきわめて性質が悪いものです。結局、”産業 界の儲けのために言うことを聞け”ということです。

気象庁でもモデル計算を走らせてばかりの姿勢で、観測を軽視する最近の 状況は残念に思います。
世界中の他の農業試験場で、きちっとしたデータがとられている所は多く ないと思いますが、よいデータをもとに、今後科学的な温暖化量の再評価 がされるとよいです。温暖化はきわめて深刻な問題であり、やはり科学的な 眼で見ていくべきです。 (S.Y.)


参考文献

近藤純正、1987:身近な気象の科学.東京大学出版会、pp.189.

近藤純正(編著)、1994:水環境の気象学.朝倉書店、pp.350.

近藤純正、2000:地表面に近い大気の科学.東京大学出版会、pp.324.

Kondo, J., 1988: Volcanic eruptions, cool summers, and famines in the northeastern part of Japan. J. Climate, 1, 775-788.

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