K146. 高精度気温観測用の横型通風筒


著者:近藤純正
地表面近くの気温鉛直分布や、隣接地の異なる地表面上の気温差を高精度で 観測できる横型通風筒を開発した。製作上のコンセプトは構造を複雑にせず、 省電力のファンモータを利用することである。
精度・分解能0.01℃のデータロガーと4線式Ptセンサを用い、2点の気温を同時 に測る装置について説明する。横型通風筒は通常の垂直型に比べて放射影響を 小さくすることが難しく、晴天日中の誤差=0.02℃となった。この放射影響の 誤差は現在の多くの通風筒の誤差0.3~0.5℃に比べて1桁ほど小さく、晴天日中 に5秒間隔1時間平均気温を観測するときのサンプリングから生じる誤差と 同程度であり、最高精度の気温計とみなしてよい。 (完成:2017年3月14日)

本ホームページに掲載の内容は著作物である。 内容(新しい結果や方法、アイデアなど)の参考・利用 に際しては”近藤純正ホームページ”からの引用であることを明記のこと。

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更新の記録
2017年3月9日:素案の作成
2017年3月14日:短い説明文を3か所に加筆

    目次
        146.1 はじめに
        146.2 通風筒吸気口の日よけ構造の試験
        146.3 完成品の詳細
        146.4  野外における放射影響の試験  
        まとめ               


146.1 はじめに

ごく最近、高精度通風筒が市販されるようになり、従来よりも正しい気温が 観測きるようになった(「K126.高精度通風式気温計 の市販化」)。

それゆえ、これまで見えなかった新しい現象がわかり、自然の理解が進むこと になる。

この通風筒は垂直型、つまり吸気口が下向きで、吸気口の下0.1m程度の高度 (風速など諸条件に依存する)の気温を測ることになる。そのため、地上高度 1m程度以下に設置すると、どの高さの気温なのか観測高度が曖昧になる。 このような目的の場合は、水平に空気を吸引する横型通風筒が必要となる。

例えば、ボーエン比法やバルク法に準じる方法で、地表面上の顕熱フラックス を測りたいとき、2高度の気温差を30分平均で0.01℃の精度で観測する (図146.1)。また、異なる地表面上(裸地上と芝地上)の高度0.5mの気温差 を観測したい場合がある(図146.2)。

鉛直分布
図146.1 裸地上の気温鉛直分布の観測。この観測では、4線式Pt100センサと 2チャンネルのデータロガー(プレシィK320、分解能0.01℃)を用いている。 通風筒を取り付けるポールは、軽量のアルミ伸縮棒(0.85m~2m)を使って いる。

水平分布
図146.2 裸地上(遠方)と芝地上(手前)の気温差の観測。この観測では、 4線式Pt100センサと2チャンネルのデータロガー(プレシィK320、分解能0.01℃) を用い、Ptセンサには30mまたは50mの延長ケーブルを繋いでいる。

単管パイプ取付
図146.3 単管パイプ(直径48.6mm)に取り付けた場合の横型通風筒。 今回の開発・市販化された通風筒には、取り付け用のUボルト大・小2つが 付属されている。


後掲の模式図146.4に示すように横型通風筒の場合は、太陽方位と吸気方向に よっては吸気口の内壁面に直射光が入りやすくなる。それを防ぐために、 吸気口のひさし(外筒先端の上部)を長くすると、ひさしの上面は直射光で、 その下面は地表面反射光と高温地面からの熱放射(長波放射、赤外放射) を受ける。その結果、ひさしで加熱された空気が内筒内に吸引され、気温が 高く観測される。

今回、放射影響が最小となる吸気口の形状について試験し、0.01℃の高精度・ 高分解能のデータロガーとPtセンサを用いた横型通風筒を試作した。

この横型通風筒も垂直型と同じ「製作上の基本的指針」に従う。
①高精度で放射影響による誤差がほぼ無視できる。
②通風のファンモータは省電力で乾電池でも使用できる。
③適切な通風速度で降雨時に微水滴を吸引しにくい。
④分解・掃除が楽で、野外観測で付着するごみ類の除去や部品交換が容易である。
⑤軽量で、市販のパラソル三脚などに短時間に設置・撤去ができる。
⑥製作が安価にできる構造である。
「K126.高精度通風式気温計の市販化」の注意点 を参照)。

横型通風筒の開発の動機
気象観測露場のごく近傍の環境変化が気温観測値に影響し、地球温暖化量の 評価が不正確になることから、気温観測値に及ぼす周辺環境の影響を調べる ことになり、その基礎として、空間広さと気温の関係について、周辺が森林 など植生地の場合とビルなど都市構造物によって異なることも分かった。 この定量的関係は筆者が開発した高精度通風式気温計を用いた観測から、 初めて明らかになった (「K121.空間広さと気温―”日だまり効果“の まとめ」)。

森林公園内の開空間に設置されている東京の北の丸露場では、周辺樹木の 管理状況によって近傍の「木漏れ日率」(日射の当たり具合い)や「見通し」 (風の通り抜けやすさ)が変化し、気温観測値に代表性の誤差を含むことに なる。これを定量的に評価するため各地の森林公園における観測から、 木漏れ日率と気温の関係を明らかにした( 「K115.新宿御苑の気温水平分布(2)」)。

気象観測所は都市ビル群落内にも設置されており、気温観測値は森林公園内 と似た影響を受ける。そこで、都市ビル街でも観測することにした。

これは筆者の当初の研究目的であるが、都市気候問題や市民公園・森林管理上 の問題とも深くかかわる研究である。

今回、横型通風筒を作るようになったのは、まず手始めに、模型の都市ビル街 における高度0.5mの日向と日陰の気温差を高精度で観測することが開発の 動機である。森林内の木漏れ日率と気温の関係に似た関係が都市ビル空間 でも成り立つかどうかを確認するための観測である。

146.2 通風筒吸気口の日よけ構造の試験

最近、市販化されるようになった垂直型の高精度通風塔の主要部分が横型にも 使えるように、二重構造の外筒と内塔は同じ寸法の塩ビ管を用いる。

横型通風筒では、日中の風向が南寄りのとき、太陽直射光が吸気口内壁に入る。 それを防ぐために、外筒上側(ひさし)を長くすればよいが、その上面は 直射光で、下面は地面反射光と高温地表面からの熱放射(赤外放射、長波放射) が入り加熱される。加熱面からの空気が通風筒の内筒内に入ることになり、 気温は高めに観測される。それゆえ、外筒上側(ひさし)は長過ぎず適当な 長さでなければならない。

図146.4は吸気口が加熱されたときの気流を示す模式図である。乱流状態にある 野外の条件で放射影響の誤差を調べ、最適なひさしの長さを決める。

吸気流模型
図146.4 横型通風筒の吸気口が加熱されたときの吸気状態を示す模式図 (数値の単位:mm)。

吸気口は流線形のラッパ構造が必要なことは、すでに垂直型通風筒に取り入れ られている。塩ビ管を用いた吸気口のラッパ構造は加熱とやすり工作の手製で 最適品をつくることは可能である。しかし市販化の場合、難しい加工では高価 となる。それゆえ、加工が簡単にできる吸気口を手製し、ひさしの長さと放射 影響による誤差を実験から求めた。

図146.5に示すように、吸気口傾斜角=30°、内筒先端と外筒下端間の距離= 30mmの形状が最適であることが分かった。

吸気口寸法
図146.5 横型通風筒、最適品の吸気口の寸法(数値の単位:mm)。 吸気口傾斜角=30°、内筒先端と外筒下端間の距離=30mm。


図146.6~146.8は吸気口傾斜角や長さなどを変えた試験の結果である。 ひさしの長い傾斜角60°では晴天日中の放射影響が0.15℃前後である。 ひさしの傾斜角45度では、放射影響の誤差が0.05~0.1℃程度となる (吸気口下端距離=15~40mm)。

傾斜角60度
図146.6 横型通風筒の吸気口傾斜角 α を変えたときの放射影響の誤差 (α=60°、45°)。

傾斜角45度
図146.7 横型通風筒の吸気口傾斜角 α を変えたときの放射影響の誤差 (α=45°)。


試験の結果、前掲の図146.5に示す寸法のとき(吸気口下端距離=30mm、 吸気口傾斜角=30°)、誤差が最小になることがわかった。

これをもとに市販化製品をプリード社で製作してもらった。その最終試験は、 最後の節に示すように晴天日中の正午前後の放射影響による観測誤差は+0.02℃ 程度である。


傾斜角30度
図146.8 横型通風筒の吸気口傾斜角 α を変えたときの放射影響の誤差 (α=30°、内筒先端と外筒下端間の距離=30mm)。


146.3 完成品の詳細

温度測定用のセンサ自体の許容誤差は、|t|を温度の絶対値(℃)とすれば、 次のように級数によって異なる。

AA級:許容差=±(0.1℃+0.0017×|t|)
A級:許容差=±(0.15℃+0.002×|t|)
B級:許容差=±(0.3℃+0.005×|t|)
C級:許容差=±(0.6℃+0.01×|t|)

(例)|t|=30℃のとき、
AA級:許容差=±0.15℃
A級:許容差=±0.21℃
B級:許容差=±0.45℃
C級:許容差=±0.9℃

実際には、センサを計器(データロガー)につないで温度測定するので、 センサの誤差のほか計器の誤差・安定性が重要となる。

高精度通風筒を用いる場合、センサと計器(データロガー)も同程度の精度が 必要となり、センサと計器(データロガー)を組み合わせた検定済みの気温計 を使用しなければならない。検定方法については、 「K145.高精度気温観測用の計器・センサの検定」を参照のこと。

気温計の各部の標準価格(検定費用は含まない):
(1)センサ
センサは立山科学工業製の高精度温度ロガー・プレシィK320(2温度表示・記録) に接続できるように接続部に防水式プラグが取り付けられた、4線式Pt100 センサである。受感部直径=2.3mm、SUS304測温シース長=70mm、4芯の ケーブル長=5mである。

AA級:34,000円
A級:28,500円
B級:26,500円

(2)プレシィK320(2温度記録用)
K320は水温観測用につくられた温度計である(標準センサ1本込み)。 2温度を同じAD変換回路で同時に表示・記録できる。筆者が様々な試験を行い、 実際に野外で使ってみた結果、高精度で長期安定性を実現したアナログ技術の 結集の製品、防塵防水性であり、他と比べて安価であることから筆者はこの データロガーを選定し、気温計用に用いることにした。

電源は単3形乾電池3本使用、電池寿命は約6カ月。温度の表示は0.1℃と0.01℃ の切り替え、記録データ数は20,480データ/2ch(1分間隔で7日間余)、記録 間隔は0.1秒~24時間の20種類から切り替え選択できる。電池交換時には、 電気二重層コンデンサにより数分間の稼働可能(連続記録が可能)、 ハンディ型で重量は200グラムの軽量である。

プレシィK320:72,500円

(3)横型通風筒、プリード社製
通風筒:95.000円
DCケーブル長=10m、取り付けUボルト付属

(4)延長ケーブル
気温観測点の2点間距離が8m以上の場合、両端にプラグとジャックが取り 付けられた4芯の延長ケーブルを繋ぐ。

50mまでの延長ケーブル:21,500円×2本
(現在、延長ケーブルについては、改版中である)

参考までに筆者が使用中の気温計は、ファンモータ電源の電池ホルダーおよび ACアダプターは手持ち品を使い、その他の費用は(1)AA級2本のセンサ (34,000円×2=68,000円)、(2)プレシィK320(72,500円)、 (3)通風筒2台(長さ10mのDCコード付き、95,000円×2=190,000円)、 (4)延長ケーブル2本(21,500円×2=43,000円)である。したがって2温度 測定装置一式の総額 (標準価格)=373,500円(税別)である。


市販用の標準仕様(プリード社)
2温度観測用一式:334,500円

内訳
4線式A級Pt100センサ2本:28,500×2=57,000円(ケーブル長=5m)
データロガーK320:72,500円(2ch)
通風筒:95,000円×2台=190,000円(DCコード10m付き、ファンモータは12V、 0.125A)
電源装置:15,000円(出力12V×2台、停電時は乾電池に自動切換、AC100Vと AC240Vの自動切換)
支柱(φ20mm~φ62mm)へは、付属品の2種類のUボルトのいずれかを 使って取り付ける。
長さ5mのセンサケーブルを含む通風筒1台の重量は1.5kgである。

別売り品
4芯50m延長ケーブル:21,500円
(現在、延長ケーブルについては、改版中である)


146.4 野外における放射影響の試験

横型通風筒に及ぼす放射影響の試験をもとに、完成品2台をプリード社に作って もらった。この完成品について最終試験を行う。

平塚市の桜が丘公園のほぼ中央に東屋がある。その日陰と日向に通風筒を置き、 1時間ごとに場所を交換して、放射影響による誤差を調べた。東屋の周辺と その東側の通路は数mmの礫で舗装されており、アルベド=18%である。 グラウンド表面には砂がありアルベドは13%、目で感じる白っぽさの割に アルベドは小さい。

写真146.9は北寄りの風の快晴日(2017年2月28日)の実験風景である。 手前の通風筒は約3m平方の日陰(礫の舗装面)に、遠方の通風筒は日向の グラウンドに設置されている。1時間平均の気温差の測定が終わると、日陰の 通風筒は手前の日向(礫の舗装面)に移動させ、遠方の通風筒は日陰 (礫の舗装面)に移動させて次の1時間の気温差を測った。

東屋
図146.9 横型通風筒の放射影響の観測風景、2017年2月28日。北寄りの風が 右手方から吹いている。グラウンド表面は白い砂、平塚市桜が丘公園。


3月3日は弱い南寄りの風の快晴日で、同様の試験を延べ4時間行った。 両日とも太陽の南中前後の試験である。

放射条件は次の通りである。水平面日射量≒700W/m2、日向の地表面からの 反射量≒110W/m2、地表面から上向きの長波放射量の日向と日陰の差≒ 100 W/m2 (地表面温度の差=18℃)である。


表146.1 放射影響の野外実験。
 日向:日向に置いた温度計の示度(℃)
 日陰:東屋の日陰に置いた温度計の示度(℃)
 気温差=日向の気温-日陰の気温(℃)
  2月28日は20秒間隔、60分間の平均
 3月3日は5秒間隔、60分間の平均

 年月日   時:分~時:分   日向    日陰     気温差              
 
2017/02/28
          10:40~11:40   8.198   8.168  +0.030
          11:45~12:45   8.877   8.871  +0.006

2017/03/03
          9:29~10:29  11.174  11.153    +0.021
         10:32~11:32  12.005  11.989  +0.016
         11:36~12:36  13.388  13.375  +0.014
         12:40~13:40  14.290  14.288  +0.002

  平均(標準偏差)                         +0.015(±0.010)



1時間の試験を延べ6時間行った結果、日向と日陰の差(放射影響の誤差)は平均

放射影響の誤差=+0.015℃±0.010℃

となった。いずれの試験も誤差はプラス値である。日陰の面積は約3m平方で 少し狭い。したがって放射影響の誤差の地面反射による分は実際は若干大きく なり、全影響の誤差は+0.02℃程度とみておきたい。

気温が乱流的に変動する野外観測では、空間代表性とサンプリング数から 生じる1時間平均気温の誤差は同程度ないしそれ以上の大きさである。 したがって、晴天日中の放射影響の誤差0.02℃は、実用上では最高精度と 考えてよいだろう。


まとめ

精度・分解能0.01℃のデータロガーと4線式Pt100センサを用い、2点の気温を 同時に測る高精度の横型通風筒を開発し、他の研究者も使えるように製品化 した。長さ5mのセンサケーブルを含む通風筒の重量は1.5kgである。

横型通風筒は通常の垂直型に比べて放射影響を小さくすることが難しく、 晴天日中の誤差=+0.02℃となった。この放射影響の誤差は現在の多くの 通風筒の誤差+0.3~+0.5℃に比べて1桁ほど小さく、晴天日中に5秒間隔1時間 平均気温を観測するときのサンプリングから生じる誤差と同程度であり、 最高精度の気温計とみなしてよい。

注意と参考事項
(1)通風筒の排気側が風上側とならないように吸気口は向きを変えなければ ならない。その場合、太陽高度が低い冬期や高緯度の北日本では、直射光が 内筒の内壁に入らぬよう特に注意し、吸気口が少し斜め下になるよう工夫する こと。ただし、直射光が外筒内壁の先端部に少し入ることはかまわない。

(2)気温観測の高さの正確さが必要でない場合は、垂直型の通風筒を使用する ほうが取り扱いは楽である(「K126.高精度通風式気温 計の市販化」)。
この場合は上記(1)の注意が不要であり、データロガー(おんどとり)の 操作がプレシィK320に比べて簡単である。データの吸い上げに際し、 「プレシィK320」は記録開始・停止の操作が必要なのに対し、 「おんどとり」は不要である。

(3)0.01℃単位の高精度観測を行う目的では、横型または垂直型通風筒の いずれの場合でもセンサとデータロガーを組み合わせた状態で検定しておく こと。検定方法は「K126.高精度通風式気温計の市 販化」や、「K145.高精度気温観測用の計器・センサ の検定」 で説明した方法に基づき、検定槽の水温が時間的に単調に上昇または下降 する状態で行うこと。

検定をしっかりしておけば、0.1℃表示の「おんどとり」でも、乱流変動する 野外の平均気温(例えば1時間平均気温)は、サンプリング数を多くとる ことで0.01℃の桁の高精度で観測できる。

(4)今回用いる0.01℃表示のデータロガー(K320)でも、0.1℃表示の 「おんどとり」(TR-55i-Ptでのみ確認)でも、乱流変動する野外気温を同じ 精度0.01℃で観測することは可能である。大きく異なる点は、前者は検定が 格段に楽なことと、観測時のサンプリング数が少なくてよいことである。

(5)4線式Ptセンサを用いる場合、データロガーの安定性がよければ、 延長ケーブルを接続しても精度は不変である( 「K135.Ptセンサの温度計の試験(3線式と4線式)」)。

3線式Ptセンサと安価・広範囲で使われている「おんどとり」(TR-55i-Pt) を用いた実験では、電気抵抗の大きいPt1000センサと縄構造(より線)の キャプタイヤケーブルを用いることが望ましい。延長ケーブルを繋いだ状態 で検定しておけば、4線式と同等の高精度観測が可能である。

3線式のPt100センサを用い、延長ケーブルを繋いで観測するとき、3芯ケーブル の各芯の電気抵抗に数%の違いがあることや芯間の温度ムラなどによって、 0.03℃~0.1℃程度の誤差を生じる場合がある。

3線式Ptセンサの場合、縄構造(より線)の延長ケーブルを乱雑に取り扱うと、 各芯を構成する多数の細線の一部が断線ぎみになり観測される温度指示値 が不安定になることがある。これらについての詳細は 「K135.Ptセンサの温度計の試験(3線式と4線式)」 を参照のこと。

(6)高精度通風筒の詳細はこのホームページに掲載してあるが、これまで4名が 真似て手製したことがある。いずれも勝手に構造を僅かながら変えて作るため、 高精度は得られなかった。それゆえ、筆者はまったく同じ材料・構造の市販化 製品を作ることにしたしだいである。

要点:高精度観測では、測器の選定・取り扱いと周辺状態に細心の 注意をはらうこと。

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