(10/20) 峠を越えて今日もご城下のお倉役人のところへ御用紙を 積んだ馬が通ります。澄みきった大空に鈴の音(ね)が 威勢よく響きます。御用紙を積んだ馬には道行く人々も 頭を下げたのです。 やがて帰りには、紙の重さと同じほどの 金(かね)の袋を積んでくるのでした。 また、こんなこともありました。 馬の尾が当ったと言って怒った武士に何としても 許してくれないとき、ふと御用紙納帳(おさめちょう) を出すと、