==== 1998年6月のお話し ====



 「インターネット」という言葉が、世間一般に浸透して、数年が経とうとしています。
 最近、よくアンケートで尋ねられるのは、「インターネット歴は何年ですか?」っていう質問です。これって、困ってしまうのですよね。だって、なにをもってインターネット歴っていうかの定義が曖昧なんですから。

 思い返せば、はじめはパソコン通信でした。コンシューマレベルでのパソコンのネットワークは。その時分はBBSって呼ばれていましたっけ。その頃、小生が知人の勧めで入会したニフティサーブは、会員数がまだ10万人余りでした。今から、8年以上も前のことです。
 勿論、大学や研究所では、イーサネットが標準化されてきていて、LANを構築し始めてはいましたし、小生が勤めている会社でも、イエローケーブルを這わせる工事を全社的にしていたと思います。ですが、他社や大学とのやりとりでは、モデム(数百bps!)での1対1接続でした。
 そのうちに、同じモデムでも、UUCP接続を行い、バケツリレーでのメールのやり取りをやり始めるようになりましたねえ。その時分は、JUNETって言っていましたが。これが日本では、最初のインターネット?の形態なんでしょうね。小生も、会社でメールアドレスをもらい、外部とのメールのやり取りを始めました(今でも同じメールアドレスです)。この頃は、メールが届くまでに大分時間がかかりましたね。仕方がないです。UUCP接続は、リアルタイム接続ではないのですから。でも、メールだけではなく、ニュースグループに参加できたりと、コミュニケーションの可能性はこの頃に示唆できるものがありました。
 趣味を中心にはまっていた、パソコン通信(その頃は数多くの草の根BBSがありましたっけ)も、ニフティサーブがJUNETとのメール相互接続サービスを始めるようになって、にわかに活気づいてきます。
 一時期、離れた場所にあるショールームに勤務していたのですが、NTTがINS64のサービスを始めて間もない頃、今となってはどでかいDSUとTAを導入しました。自分が使用していたワークステーションが、本社や製作所とIP接続できるようになったときは、感動ものでしたね。telnetでのログインやftpでのファイルのやりとりがすいすいとできてしまうのですから。

 いやー、面白いですね。誰が考え付いたか、思い付いたのか。世界中のコンピュータを結んでしまおう、なんてことをね。ですので、インターネットは、"Internet" と大文字で記したり、"The Net"と定冠詞をつけて表現するのですね。これも、 インフラの整備とTCP/IPプロトコル標準化のおかげでしょう。
 そして、WWW(World Wide Web)の登場です。今は単にウェッブっていいますが、この方がお洒落でいいですね(でも「蜘蛛の巣」なんですよね)。
 小生が目にしたのは、1995年の夏のことです。それ以前にも、モザイクとか耳にはしていたのですが、仕事が忙しかったのでしょうね。会社は、外部とのインターネット常時接続は、まだしていませんでしたし。Netscape Navigator 1.1Nでしたよ、ブラウザは(関係ないけど、ブラウザを「閲覧ソフト」っていう訳をつけたのは、言い得て妙だと思ったのですが、最近は聞かないですね)。とにかく、知人がダイアルアップでプロバイダに接続して、ネットサーフィンをしている横を眺めたのでした。といっても、その時分は、サイトの数は少なくて、とりあえず、NTTのサイト("http://www.ntt.jp/"!!)に行ってから、日本の大学を探訪したり、ホワイトハウスを覗いたり、といった感じでしたが。

 そして、その年の暮れに、このASAHIネット上に、自分のホームページを開設するに至ったのでありました(モデムは今でも当時に購入した28.8kbpsのままだい)。最近は、WWWに加えて、メーリングリストなんかも盛んでありまして、いやはやネット生活は、日常生活の一部と化しています。
 従来、世界中を相手にして、自らの必要とする情報を捜し出したり、自分の創作品や主張を公にできたり、またこれらがきっかけで友達ができたりするコミュニケーション形態ってなかったですよね。しかもこんなに簡単に。考えてみれば、これはすごいことです。
 といっても、このページのこの文章を見て、アメリカで「ジー・ウィーズ」と手を上げられたり、フランスで「ジュ・テェーム」と呟かれたり、イタリアで「マンマ・ミーア」と叫ばれたり、スペインで「コモ・エ・スタ」と挨拶されたり、ブラジルで「アミーゴ」と唸られたり、中国で「シェシェ」と頭を下げられたり、韓国で「ジンロー」と言われたりすることはないと思いますが。

 ・・・つまり、今月は、インターネットに関するちょっとしたエッセイってところでした。

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