==== 2000年12月のお話し ====



 ロバート・A・ハインライン著の「夏への扉」(ハヤカワ文庫 SF345:福島 正実 氏 訳 !!)を初めて読んだのは、高校生の頃でしたから、今から20年ほど前、1980年代初頭ですね。そのころは、21世紀なんて遠い未来とばかり思っていました。
 知る人ぞ知る、SFの金字塔「夏への扉」は、1970年と2000年を舞台にした1957年に書かれた小説であります。記憶に残り続ける小説というのはあるもので、SFという分野でも例外ではありません。この時間テーマの「夏への扉」は、小生にとってそういう本のうちのひとつなのです。ウィットに富んだ主人公ダニイの人柄と語り口調が、計算し尽くされた設定とストーリーを軸にして、愛すべきピートとリッキイの幸せを求めて展開されていくのです。
 そういえば、山下達郎氏も「夏への扉」をモチーフにした歌を歌っていましたっけ。
 内容について、多くを語るのは止しましょう。幸か不幸か、このページを読んでしまっているあなた、もし、「夏への扉」をまだ読んでいないとしたら、それはいただけない。是非読みなさい。

 そして、何故、小生が今月のお話で、「夏への扉」を書いたかというと、冷凍睡眠よりダニイが目覚めた未来が、この西暦2000年の12月だったからなのです。
 ハインラインがこの作品を書いたときに描いていた未来、小生がこの作品を読んだときに想像していた未来、いざ来てしまった未来ってなんだか、拍子抜けでちっぽけなような気がするのは、小生だけでしょうか。

 冷凍睡眠やタイムマシンは存在しないのはともかくとして、機械やロボットは形を変えて出現してはいるけど身近ではないような。窓拭きウィリイや文化女中器がそうですね。製図器ダンはCADというコンピュータそのもので実現されています。
 しかしながら、万能フランクや護民官ピートは、まだまだです。
 ホンダのASIMO、ソニーのAIBOやSDR-3X、テムザックのテムザック4、NECのR100、他のメーカーも試作や開発に着手していますが、今後の展開に期待するところです。

 ・・・そして、21世紀が輝かしい未来にならんことを。

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